2005年10月17日

涙がちょちょぎれる

【328】
涙がちょちょぎれる
 瑞菜
 - 04/9/2(木) 9:38 -
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はじめまして
ふと思いついてネットで調べてここまでたどり着きましたが
よくわからない言葉みたいですね。

情報提供と言うほどでもないんですが、小さい頃
漫才で「大丸ラケット」さんか「いとしこいし」さんあたりが
「涙がちょちょぎれますわ〜」と言ってたような記憶があります。
なにぶんものすごい昔で定かじゃないですが。
話の内容か「情けなくって涙が出る」というニュアンスを感じてたんですが
「教えてgoo」あたりだと「感動して涙が止まらない」みたいな感じの
投稿がありますね。
本当の意味はどうなんでしょうね。



【329】
Re:涙がちょちょぎれる
 岡島昭浩
 - 04/9/2(木) 11:24 -
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ようこそ。

目についたことば「ちょちょぎれる」を読んで頂いたのですね。
なるほど上方漫才の方で使われていたのですね。有り難うございます。

意味の方では、「泣ける」というのも、感動によっても情けなさによっても使われますから、その泣ける度合いが激しいのが、「涙がちょちょぎれる」なのであろうと思いますが、いかがでしょうか。



【331】
Re:涙がちょちょぎれる
 畠中敏彦
 - 04/9/3(金) 10:42 -
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▼岡島昭浩さん:
泣ける度合いが激しいのが、「涙がちょちょぎれる」なのであろうと思いますが、いかがでしょうか。

それに「ちょちょぎれる」の語感が、なんとも面白いから、漫才で登場するのではないでしょうか。もちろん、あらたまった席では使いませんよね。



【555】
Re:涙がちょちょぎれる
 瑞菜
 - 04/11/23(火) 11:03 -
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実は全く逆に思ってたんですよ。「涙があふれる」のは口だけで全然涙なんか出ん状態と思ってました。舞台で本当にボロボロ泣きませんから仕方ないかな。使う機会無くて良かった(笑)。

で、なんか納得しきれないままに随分してからですが、「ななずみそ」というのを思い出しました。高校生の古文の授業ですから相当大昔ですが、この最初の「な」て「なじむ」の否定でしたっけ。それで「途切れない」って事かなとようやく納得しました。しかし、こんな事なら専門家の先生はとっくに解明してるはずですよね。やっぱり違うかな。まあ、深く詮索する必要も無いんですけど。




NHK「気になることば」週間報告 ##

【10】
NHK「気になることば」週間報告 ##
 Yeemar
 - 04/4/17(土) 13:18 -
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NHK「気になることば」週間報告
の続きです。

高校野球などあり、久々の再開だったため、何度か(1、2度?)見逃したようです。放送日だけでもいずれ確認しておきたいと思います。

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2004.04.** 〔「どうも」について?〕

2004.04.05 ドウモ インターナショナル
 投書(千葉県・男)「イタリアのミラノで日本人駐在員とタクシーに。運転手はきょろきょろしてドーモ(dome ドーム型の教会)のほうにUターン」
 投書(東京都45歳・男)「1983年のテクノポップStyx(スティクス)『Mr. Roboto』(ミスターロボット)に『ドモ アリガト ミスター ロボット』」
 投書(千葉県45歳・男)「『ありがとう』『すみません』とともに外国人が初めて覚える日本語のひとつ」
 NHK国際放送局の外国人にインタビュー
 スウェーデン語・レーナ・リンダールさん(女性)「日本の会社で仕事をしていたとき、電話を切るときのことばが分からなかったが、他の社員のやりとりを聞き『どうも』が便利と分かった」
 イタリア語・アレッサンドロ・クレメンティさん(男性)「色々な意味を含んでいることばを把握して使えば便利。うまく使えればやっと日本語を話せるという実感」
 スペイン語・ホセ・アントニオさん(男性)「外国にはないと思う、日本語の特徴」
 クレメンティさん「イタリア語にはない、日本語の特徴」
 リンダールさん「スウェーデン語にはない、敬語もない」
 ハワイの「アロハ」は、「こんにちは」も「さようなら」も、おくやみの時にも
*参考「やっ、どーも」(ことばをめぐるひとりごと)

2004.04.06 ♪君たち男の子?
 投書(京都府40代・男)「女性のことばに『だろう?』耳障り」
 投書(東京都65歳・男)「テレビドラマでも『〜だよ』『〜だね』『でかい』『いてっ』」
 「(仲間うちで)勢いで『痛い』ではなく『いてっ』」(伊東アナウンサー)「そうだね」(桜井アナウンサー)
 VTR(渋谷・女性)「『なんとかじゃねー?』とか『ありえなくねー?』とか」「女だけでいるとき」「『〜じゃねーかよ』『ふざけんなよ』とか『すげー』とか」
 (1)「〜かしら」「〜わよ」など特有の語尾がなくなる
 「てよだわことば」子ども→女高生→一般に。大正時代は「粗野で下品」。良妻賢母教育への抵抗のことばとの説も
 親しい間柄だけで使えることばを使って距離を縮めたい
 中国・韓国では区別はない、韓国語では抑揚だけで男女が分かる
 (2)荒っぽいことばの使用が増える
 男性のことばがやさしくなり女性に近づく
 文化庁調査(H7)違いがないほうがよい9.8%・自然の流れでありやむを得ない41.2・違いがある方がよい44.1→(H12)7.8・34.8・52(違いがある方がよい人が増える)

2004.04.07 違くない お便りから
 (1)形容詞説
 投書(長崎市・女)「『違わない』のとき『違う』という断定を避けて、『違っている状況ではない』という形容詞のニュアンスを持ち込んだ」
 投書(男)「『遠くても近くても』のように対にするためには『正しくても違くても』」
 (2)幼児語説
 投書(さいたま市・女)「孫に『それは違うよ』というと『ちがくないでしょう』、『にんじんは好きくないの』」
 投書(神奈川県・女)「3歳の孫が『行(い)くない』〔「良(い)くない」?〕。」
 (3)方言説
 投書(兵庫県10代・男性)「播州で『違くない』は聞かないが『この部屋きれくなってない(きれいになっていない)』はよく聞く。関西方言?」
 投書(岡山県31歳・女)「19歳くらいの時に香川で『違うくない』『きれいくない』『すきくない』『変(へん)くない』」
 投書(福島県岩瀬郡)「子どものころから使用。『ちがぐねがい?』と話す」
 投書(町田市65歳)「福島県伊達地方で昔から『ちがぐね』『それとはちがぐで、○○だぞい』」
 投書(秋田県・男)「秋田弁では『ちがうくない』『ちがうくねい』『ちがうぐねが?』と言う」
 投書(東北・76歳)「(東京生まれ・育ち)『ちがく』は仙台市では若者だけでなく古くから一般的」
 東京外国語大学・井上史雄教授調べ(20年前)福島県・栃木県60〜70代「ちがくない」使用
 投書(栃木県19歳・女)「栃木の方言。南下して若者が使うようになった」

2004.04.08 超ウルトラスーパー気になる!
 「超特急」「超高層」「超満員」名詞の前につく→形容詞・動詞の前につくように
 辞書でも新用法を説明
 20年くらい前からか――若者向け情報誌「angle」(主婦と生活社)1984.04 日本女子大学の特集「【流行語】▼超。ものすごいという意味で言葉の始めに“超”をつける。(例)超むずかしい。」
 1996年には流行語「チョベリバ チョベリグ」
 東京外国語大学・井上教授――東海道沿いに調査「静岡からではないか」
 「週刊こどもニュース」(1998.11.22放送)富士市でインタビュー(女性)「20年くらい前ですか、小学生の時」70年代には使っていたということになる(新方言)
 大阪では「めっちゃ」、広島では「ぶち」(「ぶつ」から?)、東部(備後)では「ばり」、山口「ぶち・ぶり」
 「超」もひところに比べれば減る。VTR(渋谷・女)「『すごい』という意味で『多少』を使う」。「ちょっとかっこいい」も「たいへん」を表す

2004.04.09 国会中継



【11】
Re:NHK「気になることば」週間報告 ##
 Yeemar
 - 04/4/17(土) 13:25 -
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「ご苦労さま」は失礼か、をめぐって投書が寄せられました。04.16 の放送で名古屋の人の投書に「方言で中部地方では目上にも使っていました」とあるのは注目すべき情報です。職業による違いは触れられていませんでした。

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2004.04.12 「どうも」あれこれ
 投書(女)「フィンランドの飛行機で客室乗務員に『キートス(ありがとう)』と言ったら、『ドーモ、ドーモ』と言われた」
 投書(東京都63歳・男)「ドイツ語では『ビッテ(bitte)』、広東語『ムゴイ(唔該)』」いずれも「どうも」ほどは汎用性がない
 「どうも」の後を省略するのはどうか、賛否両論
 投書(中野区・女)「細い路地、込んだ商店ですれ違うとき、こんな便利なことばはない」
 投書(大田区63歳・男)「近隣・友人であれば『やあ』『よう』と同じくあいさつとして重要」
 投書(板橋区・女)「主人が連発して気になる、注意しようとして30年あまり過ぎる」
 投書(横須賀市・男)「『どうもありがとう』では尊大、『どうもありがとうございます』とほどでもなく『どうも』で済ます。気持ちの交流を面倒くさがる風潮」
 投書(東京都59歳・男)「すでに『ああ』『ええ』などの感嘆詞と同じで、省略している意識はない」
 投書(31歳・男)「『音』として使う。『すいません』ほど他人行儀でない場合『どうも』で注意を引く」
 ビジネス社会で使われる。「あうんの呼吸」
 不快感を与えないように使えばいいのではないか

2004.04.13 ご苦労様って失礼ですか?
 投書(岡山市43歳・女)「二十数年前、勤め始め、目上には『ご苦労さま』でなく『お疲れさま』をと言われた」
 投書(東京50歳・女)「『ご苦労さま』年下から言われると軽く見られている気がする」
 投書(仙台市41歳・女)「母は『ご苦労さま』は目上から目下に、『お疲れさま』は目下から目上にと言う。ちまたではそうではないようだ」
 桜井アナウンサー「目上にも目下にも『ご苦労さま』は使いにくい」
 歌舞伎の世界から生まれたのではないか。「お疲れ様でした→目上、ご苦労様でした→目下」
 「ご苦労さま」江戸時代から、「お疲れさま」明治時代から
 「ちゃんばら映画で上の人が家臣に『ご苦労』、偉そうですね」
 NHK放送文化研究所調査(H8)「部下が部長に『ご苦労様でした』」おかしい39.2%、おかしくない57.1%、どちらとも言えない2.3%
 今の時代は上下関係が複雑で、「目上・目下」が年齢・肩書きで区別できないから?
 あいさつのことばとして使っているのでは「さようなら」の代わりに「ご苦労さま」
 「ねぎらう」(古語「ねぐ」=(上に)加護を願い祈る(下に)ねぎらう・いたわる)日本には「下から上にねぎらう」という考えはなかった→「ご苦労さま」はおかしい
 「お疲れさま」はねぎらうことばではないのか?→一緒に仕事をしているとき、「あなたも疲れました、私も疲れました」という気持ちか
 桜井アナウンサー「新潟では夕方、町の人とすれ違うと『おつかれさんです』」
 投書(大田区・女)「目下の人が目上の人にねぎらいのことばを伝えるには?」
 「お疲れさまでございました」か?「このたびはご苦労さまでございました」といえばよいという意見も

2004.04.14 地域限定の外来語
 「ラーフル」(鹿児島県で黒板消し)オランダ語「rafel(ラフル)=ボロ切れ」からか
 いしだまさよしさん〔字不明〕(鹿児島)原稿用紙16枚に「英語『rubber』→『ラッブル』→『ラーフル』が語源だ」
 バンコ=縁台、ボブラ=かぼちゃ〔以上九州中心〕、ギッタ=ゴム〔西日本中心〕(前出)
 投書(延岡市・男)「延岡一帯では、『バンコ』は食事用のテーブル」
 投書(東京・吉祥寺)「『ギッタ』は『グッタペルカ』(ゴム。グッタはマレー語でゴムの樹液)富山県東部で『ボーブラ』は『キクカボチャ』のこと、ふつうのかぼちゃ(クリカボチャ)は『カボチャ』」
 投書(埼玉県68歳・男)「石川県加賀地方でも使う、『カボチャ』はハイカラで『ボブラ』は日常語」
 「ボブラ」=ポルトガル語「abo´bora」から、「カボチャ」=「Cambodia abo´bora」

2004.04.15 〜ぶりの使い方
 投書(町田市・女)「『10年ぶりの不作』というが、『〜ぶり』は期待したときに使うのではないか」
 「〜以来の不作」のほうがいい
 「着工以来15年ぶりに完成」のような使い方も(以前で同じでなくてもよい)
 打者のヒットが「○×××○」の場合、「4打席ぶり」のヒット
 「満」と「数え」でも違う。「ぶり」は「満」で数える
 芥川賞最年少記録を「37年振りに塗り替えた」2004-37=1967(この前は丸山健二「夏の流れ」)

2004.04.16 お疲れさま その後…
 投書(沼津市・男)「場合により使い分け。上司が退社―『失礼します』、上司が部長などに折衝『どうもありがとうございました』、上司が運動会に出走―『どうもお疲れさまでした』」
 投書(31歳・男)「目上が『ご苦労さまでした』はねぎらいのことば。特定の状況で目下が使えばわざわざ何かをしていただいた申し訳なさを表す。イントネーションも必要」
 投書(岡山市・女)「高1の娘いわく『友達同士でも〈ご苦労さま〉は偉そう。学校を出るときは〈お疲れ〉〈お疲れさま〉と言う』。そこで『お疲れ』『お疲れさま』『お疲れさまです』『お疲れさまでございます』としては」
 投書(横浜市60歳・女)「お隣から回覧板を持ってきてくださったとき、友だちにFAXで労をねぎらうとき『お世話さまでした』」(類似意見多数)
 上司が帰るときに「お世話さまでした」とは言えない、宅配業者には「お世話さま」では
 投書(東京・女)「(名古屋出身)ご苦労さまを方言で中部地方では目上にも使っていました」
 投書(上田市・男)「長野県の東部では『こんばんは』そのものが『おつかれ』と言います。若い人はだれも言わない」
 投書(井原市)「岡山西部、夕方から夜のあいさつ、電話での第1声『おつかれでござんしょ』」
 投書(秋田)「『ごなんぎです』『あがってたんせ』など」
 投書(茨城県19歳・女)「小学生のとき先生にお礼で『先生、ありがとうございました。ご苦労さまでした』と言うと先生は『大変失礼。目上に言ってはいけない』。私は疑問を持つ。『お疲れさまです』『ご苦労さまです』と言う本人は目上の苦労をすべて理解できたとは思わないが、自分が分かる範囲で感謝の気持ちを伝えようとしている」
 気持ちが大事、でもふさわしいことばでなければ誤解も
*参考スレッド「教えてください(ご苦労様)



【16】
Re:NHK「気になることば」週間報告 ##
 skid
 - 04/4/18(日) 1:29 -
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ちょっと本題から逸れます。

> 投書(東京都45歳・男)「1983年のテクノポップStyx(スティクス)『Mr. Roboto』(ミスターロボット)に『ドモ アリガト ミスター ロボット』」


テクノポップというのは誤解です。
当時、STYXのシングルレコード(日本版)を買いました。
グループ名はもちろん、曲名も大文字です。
邦題には「ミスター・ロボット」と中黒点が入ります。
日本語で歌っている箇所に英語歌詞を添えると、こんな感じ。

♪どうもありがとう、ミスターロボット、又会う日まで
 (Domo Arigato Mr. Roboto, mata ah-oo hima de)
 どうもありがとう、ミスターロボット、秘密を知りたい
 (Domo Arigato Mr. Roboto, himitsu wo shiri tai)

 君はボクが何者なのか考えている……機械なのかマネキンか
 部品は日本製、ボクは最新型の人間
 〈中略〉
 どうもありがとう、ミスターロボット、どうも……どうも
 (Domo Arigato Mr. Roboto, Domo....Domo)
 どうもありがとう、ミスターロボット 《以下は英語》
 みんなのやりたくない仕事をやってくれて
 本当にありがとう、ミスターロボット
 ボクを自由にしてくれて
 どうもありがとう、ありがとう、ありがとう、
 君にお礼を言いたい、本当にありがとう
 〈後略〉

訳詞は嶋倫子、英語歌詞はアルバムから(シングルのは句読法が若干異なる)。
「会う」が「ah-oo」です。



【29】
Re:NHK「気になることば」週間報告 ##
 Yeemar
 - 04/4/24(土) 23:02 -
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「じゃん」のルーツを解明することに力が注がれています。「じゃん」はもともとは「じゃんか」「じゃ あんか」であり、大元は「では あるまいか」といったところでしょうか。

南関東・中部地方からずっと離れた北部九州(五島など)、山口などで「じゃん」が用いられるのは、方言周圏論で説明できるのでしょうか。

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2004.04.19 〔見逃し。「つぎ」と「こんど」の違いについて?〕

2004.04.20 数日の数っていくつ?
 桜井アナウンサー「『数日』は『2、3人』。3、4も5、6も多い」
 伊東アナウンサー「『数日以内』は『2、3日以内』」
 NHK放送文化研究所調べ(1603年以降の辞書107冊につき)1886年、和英辞典「数」の項目に「10より少ないいくつか(Several less than ten)」―1911年〜3、4。5、6。―1976年〜2、3が登場―1980年〜2、3が多くなる―2000年〜2、3/3、4から5、6
 NHK放送文化研究所調べ(H8)「数日後」「2〜3」36%、「3〜4」30、「4〜5」21、「5〜6」9、「その他」4。H8の調査で、60歳以上では「数日」を2〜3日より3〜4日、4〜5日とする人がわずかに多い/(H15)「数日」43%、26、12、7、12。
 NHK放送文化研究所調べ(H15)「数人」20歳代―「2〜3」31%、「3〜4」25、「4〜5」17、「5〜6」10、30歳代―26、29、15、13、40歳代―27、23、21、10、50歳代―25、28、15、15、60歳以上―21、15、24、24
 投書(東京都)「〔もと看護師の私が〕突発性発疹は何日で消えるかと聞かれ『数日』。2〜3日から1週間のつもりであいまいに答えた」
 放送で急な事故のニュースで人数確認できない場合は「数人」

2004.04.21 じゃんの道 静岡発
 報告・小田川肇アナウンサー(静岡放送局)
 みやげ物屋てぬぐい(S40年前後)にも「ではないか じゃん」「いいじゃないの いいじゃん」
 S30の録音(静岡市内農家の女性〔M25生まれ〕の雑談)「おちゃがしゃーえーじゃー(お茶菓子は良いよ) はなしゃーなんでだよ(話は何だか〜ね) はなしょーしてもらいたいてゆーでー(話をしてもらいたいっていうから) べんしにはなしをして(弁士に話をして)べんしのはなしんこまるじゃん(弁士の話が困るよ)」
 かつては静岡清水←→甲州甲府を富士川、身延街道を通じ行き来した
 静岡清水に江戸時代の「甲州廻米置場跡」の石碑、現在も山梨県所有の土地が
 清水の「じゃん」は甲府のと違う(VTR・年配女性)「ことば悪いやね、漁師町でしたから。女の人も『いいじゃんか』」
 清水・甲府どちらがルーツかは断定がむずかしい

2004.04.22 「じゃん」の道 山梨発
 報告・横井健吉アナウンサー(甲府放送局)
 なじみの店で「よくきたじゃんねー」
 「こうふアルジャン argent」(市役所が再開発の拠点として作る)
 山梨県立美術館に「みるじゃんの丘」
 山梨県ホームページ「食うじゃん」
 山梨では年配の人ほど使う
 高齢者の趣味の会「うまいじゃんね」「作るじゃん」「価値あるじゃんね」「いいじゃんね」「早いじゃん」「年をとりたかねーじゃんね」「肩が痛くなってやーじゃんね」
 山梨ことばの会代表・小林是綱さん(1)断定「温泉一緒に行ってくれる?」「行くじゃん」(2)勧誘「どっか連れてってくれる?」「温泉へでも行くじゃんけ〔古い形〕」(3)同意「温泉よく行く?」「よく行くじゃんねー」「ほーじゃんねー〔一番多い形〕」
 静岡清水から富士川沿いに鰍沢へ海産物が、鰍沢から幕府献上米、天然氷などが運ばれる、鰍沢から県東部、長野へ物資運ばれる(「じゃん」も運ばれた?)
 投書(横浜市・男)「両親1901年鰍沢生まれ、祖母と『じゃん』を使っていた」
 投書(女)「66年甲府に住む。甲州名物の煮貝は、静岡から富士川沿いに甲府に運ぶ」

2004.04.23 じゃんの道 長崎発
 報告・田中洋行アナウンサー(長崎放送局)
 五島列島・福江市(年配女性)「時たま、良かじゃん、何とかじゃん、と使う」
 岐宿町・ 松山勇さん(76)(方言研究者)宅で年配女性会話「鼻なんかおさえて分からんじゃん」「ここへんでもあん人とあん人とチング(友達)やもんて言うじゃん?」
 大正6年に出版された本〔『五島通史』〕にも当時「『じゃん』が使われている」、年配者も祖父母の代から使うという
 島原市・峰友喜代年さん(74)芸能「にわか」の中に「じゃんにすればよかろーがー」(じゃん=折半;けんか両成敗)
 静岡・山梨の「じゃん」との関係は分からず
 島原の有馬晴信は甲州大和村に幽閉、明治に島原農民が山梨にじゃがいも開拓民



【49】
Re:NHK「気になることば」週間報告 ##
 Yeemar
 - 04/5/6(木) 5:14 -
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見逃しが多くなってきました。この週は「小ネタ」が多かったように思います。

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2004.04.26 負けず嫌い?負け嫌い?
 「負けないことが嫌い?」――辞書には「負け嫌い」(江戸時代、漱石「坊っちゃん」)もあり
 「負け嫌い」が先にあり「負けず嫌い」か
 明治時代「負ける嫌い」もあり。「負けず魂/負けじ魂」との混交か
 意志・推量を表す「行かず」(静岡・山梨など)
 「ふるさと日本のことば」(2000.05.28放送)長野県・佐久市湯川「行かずに ほ(行こう ほら) えべさえべさ」「行かず めた」
 「食わず嫌い」は――「食わないのに嫌い」

2004.04.27 「生きざま」って使いますか?
 投書(茨城県50代)「『〜ざま』がきたなく感じられる、『死にざま』と重なる」
 投書(東京都59歳・男)「『ざまを見ろ』などみっともないようすを表すはず」
 辞書には「個人の生き方の具体的なありさま」等、悪いイメージはない
 「死にざま」(死ぬときの有りさま・死にぎわ)から生まれた
 「さま」――(1)方向を表す(2)人に対する敬称(3)様子を表す――否定的ではない
 「ざま」江戸時代中ごろから侮蔑的――「ぶざま」
 1960年代に生まれたことば――劇的な生き方に若者が憧れたか

2004.04.28 渋滞、ノロノロ運転は?
 「川崎から20キロ渋滞しています」川崎はどこか?――「川崎から先へ20キロ」「川崎より手前20キロ」
 日本道路交通情報センター・越智ひろみさん「川崎から」というと川崎から先。「川崎から渋谷にかけて20キロの渋滞」。センターでは「渋谷を先頭に川崎までの渋滞」
 渋滞予想(下り)「大和バス停25km」→「大和バス停を先頭に25キロ渋滞」
 複雑な渋滞状況「谷町で工事のため○キロ、さらに渋谷から駒沢にかけて○キロ、さらに用賀から川崎にかけて○キロ」
 東西に走る道路では「○○方面へ向かう西行きは」、内回り・外回りでは「○○方面へ向かう外回りは」。
 〔宮川アナウンサー余談〕富山・礪波地方の屋敷林を「カイニョ」という。地元民も語源が分からない。〔ウェブでは「垣入(かいにょう)」ともある〕

2004.04.29 みどりの日

2004.04.30 〔見逃し。新聞によれば「よく間違う慣用句」〕



【58】
Re:NHK「気になることば」週間報告 ##
 Yeemar
 - 04/5/8(土) 14:01 -
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連休だったため、今週は2回だけです。

ところで、NHK教育テレビで放送されている「日本語なるほど塾」にはテキストがあり、毎号の末尾に、この「気になることば」で放送した主題のうちいくつかが取り上げられています。

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2004.05.06 結果を出す
 スポーツニュースで「結果を出す」(よい? 悪い?)
 放送文化研究所(H8)「彼は結果を出しましたね」――「おかしい」40%「おかしくない」40%/「おかしいと感じる人」男性:女性 20代15%:46%、30代35:50、40代33:46、50代40:46、60歳以上36:38(若い男性少ない)
 「評価する」(よい? 悪い?)最近の辞書では「高く評価する」も。また「評判の店」「人気の店」
 町永俊雄アナウンサー「結果は『実を結ぶ』だからいい意味なのでは?」

2004.05.07 他人事でもヒトゴトですか?
 投書(33歳・男)「辞書に『他人事』を『たにんごと』は間違いでないとあるが、あれは断じて『ひとごと』と思う私は意固地なのか」
 伝統的には「ひとごと」
 戦前辞書では「人事・他人事」――「人事」では「じんじ」なので「他人事」→ルビを振らなければ「ひとごと」
 放送文化研究所調査(H11)「とても他人事とは思えない」たにんごと77%、ひとごと17、どちらかと言えば3、どちらかと言えば2
 「お手数をおかけしました」年配の丁寧な方は「おてかず」――大正時代には「おてかず」一般的
 「世論」は「よろん」→「せろん」



【430】
Re:NHK「気になることば」週間報告 ##
 岡島昭浩
 - 04/10/5(火) 15:59 -
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今、NHKラジオをつけたらやっていました。

「農作物」などにふれた後、
「重複」について「ちょうふく」が古く「じゅうふく」が新しい、という話をしていますが、中国から渡ってきたときにはチョウフクだったが、日本風の読みをするようになり、ジュウフクが出てきた、という風に説明したのは、いけません。

「綴り字発音」という風に説明をしたのはよさそうですが、漢字音の単一化、という風にするのがよかろうと、私は思っております。

聴取者からのお便りは、相変わらず「どちらが正しいのでしょう」。「気になることば」の担当者は無力感に襲われないでしょうか。



【432】
Re:NHK「気になることば」週間報告 ##
 Yeemar
 - 04/10/5(火) 18:27 -
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▼岡島昭浩さん:
>今、NHKラジオをつけたらやっていました。


最近、東村山市に引っ越しまして、中野のYeemarは東村山のYeemarとなっております。生活形態が変わり、テレビの記録がはなはだしにくくなりました。そこで「週間報告」はなんとなく尻切れトンボとなっております。

とはいえ、説明のしかた、読者の興味のありかたなどを含め、大事な情報が放送されるので、何とかしなければと思っています。

ラジオは雑音が多くあまり入りません。これも何とかしなければと思います。



【554】
Re:NHK「気になることば」週間報告 ##
 Yeemar
 - 04/11/23(火) 7:14 -
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> そこで「週間報告」はなんとなく尻切れトンボとなっております。


NHKホームページに、今年4月からの内容紹介があります。
http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/index04.html

また、昨年度については「タイトル集」があります。

というわけで、私の報告は尻切れトンボとなっても、NHKのホームページと合わせれば、(奇しくも?)うまい具合に相互補完されるわけです。

また「NHK日本語なるほど塾」の番組テキストにも、毎号「気になることば」のページがあって、この番組から選り抜いた話が載っています。


『日本語新辞典』

【536】
『日本語新辞典』
 田島照生
 - 04/11/7(日) 13:48 -
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けさ、讀賣新聞と日本経済新聞の広告で目にとまったのが、松井栄一編『日本語新辞典』(小学館)。まったくノーマークでした。

以下、広告欄からの抜粋。
「『日本国語大辞典』編集委員・松井栄一が、半世紀にわたる日本語研究の成果として編んだ“正しい日本語の使い方”がわかる待望の新辞典です。現代生活に必要な約63,000語を収録。類語から用例、アクセント、敬語など一語一語を徹底詳解しました。」
定価は六千三百円。小型の国語辞典にしては値が張ります。

また、「web日本語」の下記ページもご覧ください。
http://www.web-nihongo.com/dictionary/dic_52/d-index.html

国語辞典といえば、今月下旬には新明解の第六版も出るそうです。



【537】
Re:『日本語新辞典』
 skid
 - 04/11/9(火) 3:11 -
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▼田島照生さん:
>けさ、讀賣新聞と日本経済新聞の広告で目にとまったのが、松井栄一編『日本語新辞典』(小学館)。まったくノーマークでした。
>
>定価は六千三百円。小型の国語辞典にしては値が張ります。


A5判ですので、他の小型辞典より頭ひとつ大きい感じです。
そのぶん活字も大きめですが、読む辞典といった印象。
とりあえず102あるコラムに興味をひかれ、すべて目を通しました。
まさに、かゆい所に手が届くような内容だと思います。
日本語学習者に最適なのに値段が高いのは残念ですけれど、もしかしたら将来は小型版も出るかもしれませんね。



【539】
Re:『日本語新辞典』
 道浦俊彦
 - 04/11/14(日) 16:47 -
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>▼田島照生さん:
>とりあえず102あるコラムに興味をひかれ、すべて目を通しました。


私もコラムは全部目を通しました!コラムだけ集めて本を出しても売れるのではないでしょうか?
ただ、裏表紙の裏にある「コラムの目次」で、あいうえお順に並んでいる「万歳」(1603ページ)が、なぜか、「破天荒」(1375ページ)と「日暮れ・夕方」(1415ページ)の間に入っています。「バンザイ」と読むのなら「ハ行」のこの位置でいいのですが、ページ数が合いません。「マンザイ」と「マ行」で読むなら、「敬語ー参る」(1577ページ)と「未亡人」(1627ページ)の間でよいと思いますが、それなら目次の並び順が違います。
なぜだろう?



【540】
『国語辞書事件簿』
 田島照生
 - 04/11/18(木) 0:30 -
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『日本語新辞典』とはまったく関係がない話なのですが、辞書に関する話題ということで、ここに書きます。

今月下旬に、石山茂利夫さんの『国語辞書事件簿』(草思社)という本が出るそうです。価格は千八百円。『裏読み深読み国語辞書』と似た内容になるのでしょうか。

以下、草思社の「これから出る本」(http://www.soshisha.com/next.htm)より。
「『広辞苑』のネタ元になった辞書は? 名辞書『例解国語辞典』を襲った悲劇とは? 丹念な調査をもとに、辞書制作の舞台裏に迫る。」



【544】
Re:『国語辞書事件簿』
 skid
 - 04/11/19(金) 2:01 -
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▼田島照生さん:
>今月下旬に、石山茂利夫さんの『国語辞書事件簿』(草思社)という本が出るそうです。価格は千八百円。『裏読み深読み国語辞書』と似た内容になるのでしょうか。


前著までは言葉の問題を中心に書かれていますが、新著は辞書そのものにまつわる問題がテーマになっています。
章タイトルと主な小見出しを挙げてみます。
1 激突!いろは対五十音
 明治人には「新しい時代の波」だった五十音/大槻文彦の「実験」/利用者に資格を求めた辞書
2 『大言海』八万語説の背景
 国語辞書は仲間に冷たい/『大日本』の見出し語――二二万? 二〇万四〇〇〇?/『日国』の根拠は見坊データ?
3 誇大宣伝ファイル
 看板に偽りあり!『大辞泉』増補版/営業用リニューアルの手本?『広辞苑』二版補訂版/『角川国語大辞典』の怪
4 悲劇の名辞書
 名辞書『例解国語辞典』の悲劇/『レイカイ』のマル秘手直し大作戦/『レイカイ』には“欠陥版”がある
5 『広辞苑』のルーツ発見・序
6 『広辞苑』のルーツ発見・破
7 『広辞苑』のルーツ発見・急



【549】
Re:『国語辞書事件簿』
 田島照生
 - 04/11/20(土) 2:35 -
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▼skidさん:

コメント有難く存じます。
これは、たとえば『草思』などといった様な月刊誌に連載されていたものをまとめたものなのでしょうか。
第一章と、第五章以下の「『広辞苑』のルーツ発見(序破急)」というのが非常に気になります。



【551】
Re:『国語辞書事件簿』
 skid
 - 04/11/20(土) 18:12 -
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▼田島照生さん:
>これは、たとえば『草思』などといった様な月刊誌に連載されていたものをまとめたものなのでしょうか。


前著『裏読み深読み』は読売新聞日曜版の記事がもとになっているかもしれませんが、新著は関連性があるとはいえ、定年退職後に取材をやり直して書き下ろしたものと思われます。

>第一章と、第五章以下の「『広辞苑』のルーツ発見(序破急)」というのが非常に気になります。


5〜7の小見出しを少しだけ。
5 新村父子、参考辞書を公表/『辞苑』の親辞書はライバル辞書!/模倣隠しの裏技「組み合わせ」法
6 延々と続く模倣のパレード/松井簡治の容赦ない指弾/参考辞書告知は“新村トリック”?
7 息子による容赦ない告発「『辞苑』『広辞苑』は模倣の産物」/単行本並みに辞書を量産/モラルを疑う“辞書事業”/模倣の相関図/虎の尾を踏んだ? 新村出

実証的に動かぬ証拠を捉え、推理力を働かせたものとなっています。
以前、石山氏から「もとになった辞書は何だと思う?」と問われ、最初の『辞苑』が少人数で短期間に作られたことから先行辞書を挙げたら、よい勘だと言われました。
誰でも勘だけで言うことはできますが、ここまで踏み込んで論じられることはなかったと思います。



【552】
『新明解国語辞典』第六版
 skid
 - 04/11/22(月) 22:15 -
----
見た目のことなんですが、「字音語の造語成分」として別枠で掲載している部分が変わりました。
第五版は、ほんのちょっとだけ大きく漢字を載せ、全体に赤の網点をかけてあります。
第六版は、漢字をかなり大きくして、赤の枠線で囲んでいます。

それはともかく、せっかく2色刷なのだから、もっと読みやすく色分けできないものかと感じます。
用例をたくさん入れたり、細かく意味分類をするなど、丁寧になればなるほど1項目の行数が増え、求める部分を見つけにくくなるからです。



【553】
Re:『新明解国語辞典』第六版
 skid
 - 04/11/23(火) 6:17 -
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第五版との単純な違いは、1500語増え1519頁が1616頁になったことと、語の運用に関する情報の「運用」欄を設けたこと。
「待遇表現にかかわる用法を中心に、必ずしもその語の一般的な意味とは一致しない側面や含意され意味を取り出し、対人関係にもたらすプラス・マイナス両面の表現効果を、具体的な用法を明示しながら解説を行なった」

「のたまう」の項目
*第五版
「おっしゃる」意の雅語的表現。〔「のたもう」は、より雅語に近い発音。口語でこの語を使う時は、多分に皮肉をたたえた一種しゃれに近い表現として用いられることが多い〕
*第六版
「おっしゃる」意の雅語的表現。〔終止・連体形は多く「のたもう」と発音される〕■運用■その場の状況や置かれた立場にそぐわない相手(第三者)の発言を、皮肉を込めて指すのに用いられることがある。例、「応急策を論じている時に原則論を宣うとは恐れ入った」


差別語問答「痴呆→認知症」

【546】
差別語問答「痴呆→認知症」
 畠中敏彦
 - 04/11/19(金) 20:54 -
----
厚生労働省は、痴呆に代わり「認知症」を新呼称とするそうです。
ボケ→痴呆→認知症と変わりましたね。
認知障害といい、認知症といい、ボクはちょっとピンときません。



【548】
Re:差別語問答「痴呆→認知症」
 佐藤
 - 04/11/20(土) 0:15 -
----
▼畠中敏彦さん:
>認知症といい、ボクはちょっとピンときません。


 そうですね。「認知症」はちょっとしっくりきませんね。「症」の直前に来るのは、望ましくない病的な状態や(不眠症・不妊症)、病的状態を起こす原因(アニサキス症・花粉症)を表す場合が多いので。せめて「認知不全(症)」とかにならなかったのかとも思いますが、それでも差別感は残ってしまうのかな。むずかしいですね。



【550】
Re:差別語問答「痴呆→認知症」
 畠中敏彦
 - 04/11/20(土) 11:29 -
----
▼佐藤さん:
>せめて「認知不全(症)」とかにならなかったのかとも思いますが、それでも差別感は残ってしまうのかな。


おっしゃるとおりですね。
検討委員会メンバーの堀田力さんは、「認知不全」を主張されたそうです。


近喫という言葉

【541】
近喫という言葉
 Pote
 - 04/11/18(木) 19:31 -
----
いつも拝見しております。
今回、気になったことを質問させてください。

表題の「近喫(きんきつ)」という言葉なのですが、私は
ごく普通に使っていました。
「この懸案は、近喫の対処が必要だ。」の様な使い方です。
意味は、「可及的速やかに」の様なものでしょうか。

ところが、最近「そんな言葉は無い。」と指摘され、調べてみると
確かに辞書にも無く、Googleで調べても「参議院の議事録」に
1件あるだけでした。

いったい、私はこの言葉をどこで覚えたのでしょう?

識者の皆様のご意見をお聞かせください。



【542】
Re:近喫という言葉
 岡島昭浩
 - 04/11/18(木) 20:01 -
----
「喫近」からの連想ではないでしょうか



【543】
Re:近喫という言葉
 岡島昭浩
 - 04/11/18(木) 22:55 -
----
▼岡島昭浩さん:
>「喫近」からの連想ではないでしょうか


#最近、モバイルで書き込める機種を手に入れたので、嬉しくなってバスの中から書き込んでしまいました。

厳密に書くならば、「喫緊」が「喫近」と書かれることも多いのですが、それから類推したものではないかと。

「緊喫」はあるのか、というとgoogleではいくつかあるようです。



【545】
Re:近喫という言葉
 Pote
 - 04/11/19(金) 9:59 -
----
ありがとうございます。

「喫緊」かあ・・
お恥ずかしい次第です。
「きつきん」ではなく「きっきん」なんですね。
いつのまにか逆に覚えてしまったのですね。

今後、気をつけることにします。



【547】
Re:近喫という言葉
 Yeemar
 - 04/11/19(金) 20:58 -
----
▼Poteさん:
>ところが、最近「そんな言葉は無い。」と指摘され、調べてみると
>確かに辞書にも無く、Googleで調べても「参議院の議事録」に
>1件あるだけでした。


第109回国会 農林水産委員会 第2号(昭和六十二年七月三十日)ですね。
○政府委員(佐竹五六君)〔略〕私どもとしては目下当面近喫の課題からまた片づけていくということで現在北海道沖韓国トロール船、それから山陰、それから九州周辺のトロールまき網それからアナゴかご漁業を対象に取り上げているわけでございますが、
これは、OCRの読み取りの誤りでなければ堂々たる用例(言い誤りにせよ)ですね。

そのほか、国会会議録検索システムによれば全部で8件出てきます。昭和50, 52, 54, 59, 60, 61, 62, 平成2年です。なかなか少なくないとおもしろく思いましたが、実例を見ると「最近喫煙……」などとあって、偶然の近接であることがわかりました。


させていただく#

【413】
させていただく#
 岡島昭浩
 - 04/9/29(水) 23:34 -
----
「させていただきの連呼」の、一部を受けるものです。

岩淵悦太郎『日本語対談』筑摩書房S53.5.25の中野重治との対談に記事がありました。
岩淵 わたしの経験では、わたしは昭和十三年に大阪高等学校の教師になって赴任したんです。東京では「本日休業」という素気ない看板が出てたのに、大阪へ行きますと「本日休ませていただきます」という看板が出ているんです。(中略)関西弁的な言い方がだんだん広がったんでしょうか、丁寧に言おうという気持ちなんでしょうか。


なお、余談ですが、中野重治は、松尾捨治郎に国文法を習ったとのこと。福井中学ですね。



【416】
Re:させていただく#
 道浦俊彦
 - 04/10/2(土) 17:39 -
----
池田弥三郎の著述にも同じような記述があったような気がしますが・・・。



【417】
Re:させていただく#
 岡島昭浩
 - 04/10/2(土) 17:48 -
----
▼道浦俊彦さん:
>池田弥三郎の著述にも同じような記述があったような気がしますが・・・。


『東京ことば』(読売新聞社会部 読売新聞社 1988.6.20)によれば、池田弥三郎『銀座十二章』に、「させていただきます」についての言及があるようなのですが、未確認です。
参照



【418】
Re:させていただく#
 道浦俊彦
 - 04/10/2(土) 19:42 -
----
家に帰ったら『東京ことば』確認してみます。ほかに外山滋比古さんか誰かも書いていたような気がしてきました・・・。



【527】
Re:させていただく#
 岡島昭浩
 - 04/11/3(水) 22:32 -
----
池田弥三郎『銀座十二章』(旺文社文庫 1980.9.30)を、本日入手。そのp38。
『荷風日記』の昭和九年七月二十一日の記事に、「銀座所見」として、
喫茶店テラスコロンバン。店頭板がこいにはりたる紙に「閉店させて頂きます云々」とあり。
とある。これは「させていただく」という変なことば遣いの流行の例として荷風氏は書き記したのだが、(中略)ちなみに、「休ませていただきます」は、店主が妙に客にこびた言い方でいや味だが、も一つこれに理由を加えて「店員慰労のため」と付け加えることが、銀座の店々でもはやりだした。
とありました。昭和39年に『文芸朝日』に連載されたものとのこと。



【535】
Re:させていただく#
 岡島昭浩
 - 04/11/7(日) 0:00 -
----
中山二郎「言語についての戦争後遺症」『正論』平成8.4(p261-267)に、
下級者が上官又は先任者に許可を求めるときには、「○○○してよろしいでありますか」とぎごちなく言うか、上官が許可するに相違ないと思う時には「○○させて頂きます」と言った。(中略)復員軍人の多くが、この言い方を世の中一般に持ち込み、盛に使ったから、軍隊経験のない人々に伝染して、大流行するに至った。

さらに司馬遼太郎の『街道を行く』を引用。


私の「一万円から」 #

【532】
私の「一万円から」 #
 Yeemar
 - 04/11/5(金) 12:06 -
----
私の「一万円から」
の続きです。

「朝日新聞」夕刊 2003.02.07 p.8「三枝の笑ウインドウ」〔桂三枝〕に、落語家による「から」の解釈が紹介されています。
 私の弟子の三象は辞典、辞書と言われるたぐいのものを100冊以上持つ言葉の研究家でして、学者のような落語家の彼を一風変わっていると言う人も多いのですが、私は彼の孤高の生き方を尊敬すらしています。
 ある時、電話で彼に尋ねました。
 「コンビニでお金を渡した時、『千円からお預かりします』と言う千円からの【から】の使い方が気にいらんのやけどな。あれはどう考えても『千円をお預かりします』と違うか?」
 「それはコンビニのレジでお金を受け取った人が、その店のオーナーか、パートのバイトかによりますね」
 「どういうことや?」
 「もし、800円の物を買ったとします。バイトなら正式には『千円から私が800円お預かり致しまして、200円おつりをお返しします』と言うべきで、800円が抜けています。店のオーナーですと、その800円は自分のお金ですから『千円からお預かりします』と、この【から】の格助詞は付けても間違いではありません」
アルバイト員が「〜からお預かり」を使うのは「千円から私が800円お預かりする」の省略である、という説明は分かります。旧会議室でも天野修治さん道浦俊彦さんがご指摘になっています。「千円から800円を引く」というときの「から」と同じでしょう。

一方、受け取り手がオーナーだった場合の説明ですが、これは何のことかさっぱりわかりません。説明になっていないのでは?



【533】
Re:私の「一万円から」 #
 Yeemar
 - 04/11/5(金) 12:25 -
----
旧会議室で、ロイヤルホストが「バイト敬語」を見直そうとしているという動きを報じた日経新聞記事についてメモしましたが、「朝日新聞」夕刊(西部版)2003.06.17 p.9に「この敬語のほう、禁止になります ロイヤルホスト」というくわしい記事が出ています。日経新聞(5月24日)よりは遅れます。中に
 ■ロイヤルの5大禁止語
 (1)「こちらコーヒーになります」
 →「お待たせしました。コーヒーでございます」
 (2)「1000円からお預かりします」
 →「1000円、お預かりします」
 (3)「おタバコのほう、お吸いになられますか」
 →「禁煙・喫煙どちらのお席がよろしいですか」
 (4)「佐藤様でございますね」
 →「佐藤様でいらっしゃいますね」
 (5)「以上でよろしかったでしょうか」
 →「コーヒーと紅茶でよろしゅうございますか」
というのが出ています。これも日経新聞の報道とはやや異なります。

「よろしゅうございますか」は奥ゆかしいことばですが、ファミリーレストラン等で耳にしたことはありません(最近しばらく行かないので、いまはどうか知りません)。

銀座4丁目の「和光」(高級時計店)を、高級でない品物のことで訪ねた折(2004.11.01)、店員さんが「お待ちいただいてよろしゅうございますか」と言ったので、「よろしゅうございますか」はなかなか言えないことば、さすがは「和光」だと思いました。



【534】
Re:私の「一万円から」 #
 Yeemar
 - 04/11/5(金) 12:27 -
----
> 店員さんが「お待ちいただいてよろしゅうございますか」と言ったので、


その店員さんは若い女性でした。


日本語アンケート

【509】
日本語アンケート
 Yeemar
 - 04/10/28(木) 9:42 -
----
JUSTSYSTEMが「変わりゆく日本語の実態調査」というのを実施しているのですね。
 https://www.justsystem.co.jp/atok/nihongo2/
おそらくずいぶん大規模調査になることと思います。どんな結果が出るか楽しみです。

設問の中で興味深かったのは、
(a)(ある文章の表題として)シカゴの科学産業博物館がとんでもなかった!
(b)(日記の文章で)まぁ セミナー終わったあとのあの雨のすごさは・・・・食べる予定だった焼肉屋までいくのにとんでもなかったです。
というふうに使われる「とんでもなかった」という言い方が自然かどうかというものでした。私はこういう言い方を知りませんでした。(b)に至ってはにわかには意味が分かりませんでした。



【515】
Re:日本語アンケート
 畠中敏彦
 - 04/10/29(金) 8:07 -
----
▼Yeemarさん:
>「とんでもなかった」という言い方が自然かどうかというものでした。私はこういう言い方を知りませんでした。


僕も早速、回答してみました。
「とんでもなかった」は、僕もYeemarさん同様、まず使いませんね。
前後関係から、何となく意味は理解できますが。


だじゃれ #

【514】
だじゃれ #
 Yeemar
 - 04/10/29(金) 2:28 -
----
だじゃれ
の続きです。
米長 ぼくの母親は、八十八で亡くなったから天寿を全うしたと言うべきかな、八月の十日頃に入院したんだが、腹水がたまって、もう家には戻れないだろう、ということになった。
 母は毎年、お盆の時期にはナスビやスイカや曼荼羅{まんだら}をお供えしていたけれども、その年のお盆はそれもかなわないだろう。
 ぼくは説明を受けて、「腹(覆)水盆に帰(返)らずというのはこのことでしょうか」と担当の先生に聞いた。先生は大いに驚いていたけれど。
(内藤國雄・米長邦雄『勝負師』朝日選書2004 p.208)
ちょっとブラックジョークですが。


もじり、パロディ

【500】
もじり、パロディ
 Yeemar
 - 04/10/25(月) 11:21 -
----
宮本輝『葡萄と郷愁』はまじめな小説ですが、こんな一節があります。
 アーギは、一九〇七年に出版されたアディ・エンドレの「血と金」という詩集におさめられているその詩を諳{そらん}じることが出来た。

 海辺、たそがれ、ホテルの小部屋。
 あの人は行ってしまった。
 もう逢{あ}うことはない。
 あの人は行ってしまった。
 もう逢うことはない。(文春文庫p.179)
これはどう見ても山口洋子作詞「よこはま・たそがれ」であり、まじめな小説の中に流行歌を取り入れたパロディが入っているように見えます。私はここで笑ったのです。

ところが、調べてみると話はあべこべで、この詩人は実在するようです(Ady Endre, 1877-1919)。山口洋子さんのほうが(穏当に言えば)パスティーシュを行っていたわけ。

この話は「有名」であるようで、無粋独言7(2002.8.14)では「パクリそのものである」と断罪しています。

「葡萄と郷愁」はこの続きがあり、
「自分でも、よく真似{まね}をして作ってたよ。いろんな単語を並べてね。たとえば、この単語だったら、『あの夜、仮面、幸福の庭。あの人は行ってしまった。もう逢うことはない。あの人は行ってしまった。もう逢うことはない』。そんなふうになるんだ。〔……〕」
この詩が実際にいろんな模作を生んだのか(つまりこの詩は「根岸の里のわび住まい」みたいなものか)、それとも、宮本輝氏が日本の歌謡曲を暗に批判したのか(これは深読みですね)。



【501】
Re:もじり、パロディ
 田島照生
 - 04/10/26(火) 1:27 -
----
私を見捨てて他に花が
咲くと思うか義理知らず
たとえ他に花咲いたとて
私の怨みで皆殺し サノヨイヨイ
(以下省略)

はじめ見たとき、梶芽衣子の『怨み節』を想起してしまいました。ご存じかもしれませんが、これは「田川三井炭坑・撰炭節」という歌で、「月が出た出た」でお馴染みの「炭坑節」のもと歌なのだそうです。
つい最近、新藤謙『流れ者歌謡考』(ブロンズ社,1971)を読んではじめて知りました。むしろ、もと歌のほうがパロディの様に感じられます。

また、以下のようなパロディがあります。これは以前、どこかで聞いたか読んだかしたことがある筈なのですが、有名なパロディだったのでしょうか。

「『教育勅語』は『朕惟フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト宏遠ニ』と始まるのだが、中学生ともなると、『ちんおもうに、われこそこそと、くじりはじめることのうえんに』などという替え文句を上級生から教わって、その方も暗誦していたのである。きびしければきびしいだけ、その反動も大きい。きびしさの裏にはまた、逃げ道もあったのである。」(駒田信二『漢字読み書きばなし』文春文庫1994,p.12)



【503】
Re:もじり、パロディ
 岡島昭浩
 - 04/10/26(火) 23:42 -
----
本歌どりでも、石原裕次郎の方を先に知ったら、そうなるのかとも思います。

それから、先ほど検索して謎が解けかかっているのですが、五木寛之の『青春の門』に、「流れ流れてさすらう旅は 今日は函館明日は釧路」というのが出てきて、これは「旅の終わりに」ではないかと思ったことがありました。作詞者名は五木寛之ではない。

誰となく歌われていたものが、五木寛之によって書きとめられもし、歌謡曲にもなったのだろうか、と思っていたのですが、作詞者名は違う(立原岬)ものの、これはやはり五木寛之の作詞によるものらしいですね。『旅の終わりに』という小説があるのでした。



【504】
Re:もじり、パロディ
 KS
 - 04/10/27(水) 10:22 -
----
▼岡島昭浩さん:
>それから、先ほど検索して謎が解けかかっているのですが、五木寛之の『青春の門』に、「流れ流れてさすらう旅は 今日は函館明日は釧路」というのが出てきて、これは「旅の終わりに」ではないかと思ったことがありました。作詞者名は五木寛之ではない。
>これはやはり五木寛之の作詞によるものらしいですね。『旅の終わりに』という小説があるのでした。


 「艶歌」と言う短編小説をTVドラマ化したときの挿入歌(小説の中では主人公「演歌の城?」が作ったヒット曲)だったと思います。記憶が定かではありませんが、ドラマの中の歌詞はチョッと違ったような気がしますが…。



【507】
Re:もじり、パロディ
 Yeemar
 - 04/10/28(木) 2:16 -
----
▼岡島昭浩さん:
>それから、先ほど検索して謎が解けかかっているのですが、五木寛之の『青春の門』に、「流れ流れてさすらう旅は 今日は函館明日は釧路」というのが出てきて、これは「旅の終わりに」ではないかと思ったことがありました。作詞者名は五木寛之ではない。


「旅の終わりに」は知りませんが、よく似た「流浪の旅」(後藤紫雲作詞、大正時代の歌)は知っています。
流れ流れて 落ち行く先は
北はシベリア 南はジャバよ
というものですが、「旅の終わりに」は「流浪の旅」の替え歌とか、パスティーシュという位置づけなのでしょうか?


「ね」で終わる質問 #

【506】
「ね」で終わる質問 #
 Yeemar
 - 04/10/27(水) 17:48 -
----
「ね」で終わる質問
の続きです。

「なんですか」(詰問)の意で「なんですねぇ」という言い方の例です。
「まあ、なんですね、その格好は、……今しがたまでいじめて居たと思えばもうこれだ、まるで駄々っ子だよ」
 吉原つなぎの浴衣{ゆかた}を思いきり抜衣紋{ぬきえもん}に着た内儀のお幸が冷麦{ひやむぎ}の丼{どんぶり}を盆に載せて入って来た。
(富田常雄『姿三四郎 天の巻』〔1964年発表〕講談社 大衆文学館 1996.04.20一刷 p.30)
もう1つ
殊に僕の此の直覚を助けたものは、其の時のお富美さんの態度でした。〔……〕さうしてだゞツ{ヽヽヽ}児を叱りつけるやうな調子で、
何ですねえあなた、宇之さんの方で駄目だと云ふものを、そんな無理を云つたつて仕様がないぢやありませんか。〔……〕」
(谷崎潤一郎「富美子の足」〔1919年発表〕『谷崎潤一郎全集 第六巻』中央公論社 1981 p.374)



人間

【477】
人間
 道浦俊彦
 - 04/10/19(火) 21:06 -
----
中国語では「世の中、世間」という意味ですが、日本語では「人」の意味で「ニンゲン」ですね。「ジンカン」と読むと「世の中、世間」の意味か。「人間」が「ヒト」の意味で使われ始めたのはいつ頃からで、その起源はどう言うことなのでしょうか?ちなみに復刻版『言海』で「人間」を引いたら、「世の中」の意味が最初にあり、3番目に「俗に誤ってヒト」というふうに書いてありましたが。



【478】
Re:人間
 佐藤
 - 04/10/20(水) 10:46 -
----
▼道浦俊彦さん:
>「人間」が「ヒト」の意味で使われ始めたのはいつ頃からで、その起源はどう言うことなのでしょうか?


人口に膾炙した「人間五十年、下天の内を比ぶれば」(幸若『敦盛』)からだとなると話は早そうですが、果たして。これも元々は仏教的なもので「人の世」などの意味ですね。
http://www.jicpa.or.jp/coffee_break/20040506index.html



【480】
Re:人間
 道浦俊彦
 - 04/10/21(木) 8:14 -
----
水平社宣言「人の世に熱あれ、人間に光あれ」の「人間」は「人」の意味ですよね?大賞11年、1922年です。



【481】
Re:人間
 岡島昭浩
 - 04/10/21(木) 11:33 -
----
これについて、私が興味があるのは、〈「世の中、世間」の意味ではニンゲンと読むのは間違いでジンカンと読むべきである〉というような、言葉とがめが、いつごろからあるか、ということです。

いや、違いますね。いつごろから、ニンゲンがヒューマン、ジンカンが人生・世間というような使い分けが生じたか、というところですが、その一環として、言葉とがめの存在を知りたいわけです。



【483】
Re:人間
 豊島正之
 - 04/10/21(木) 19:18 -
----
(旧)日本古典文学大系「今昔物語集(一)」(岩波書店)補注128(p.430)に、関連記事があります。尚、この本は何回も増補されているので、図書館などに収められている初刷の本には、この注が無いかも知れません。



【486】
Re:人間
 Yeemar
 - 04/10/22(金) 5:13 -
----
▼豊島正之さん:
>(旧)日本古典文学大系「今昔物語集(一)」(岩波書店)補注128(p.430)に、関連記事があります。


補注の見出し語をピックアップしてすぐ検索できるようにしなければ、と感じました。

昭和40年の3刷によれば、「今昔物語集」(12世紀ごろか)の巻五第三に「天人ハ目不瞬カズ、人間ハ目瞬ク」とあることから、このころすでに「天人」の対語として「人間」(ヒューマン)の意味で使われたのではないか、というようなことが書いてあります。『日本国語大辞典』第2版も、この例を「ヒューマン」の意の初出と扱っています。初版では「好色一代男」の例が初出あつかいですから、ずいぶんさかのぼったものです。

「人間到る処青山在り」は、いつだったかNHK「クイズ日本人の質問」で取り上げられ、古舘伊知郎さんが「じんかん(が正しいと世上言われるが)、これは、にんげんと読んでもいいんです」と言っていたのを覚えています。メモは取っていません。

『言葉に関する問答集』では〈「人間、到ル処、青山在リ」の「人間」は、「ニンゲン」か「ジンカン」か〉という問があります。これについて縷々述べた後、〈……このような事情から考えると、元の詩については、「人間」を「ジンカン」と読むことによって誤解を防ぐ方が好ましい読み方だとも言えるのである。ただし、すでに「人間」を「ニンゲン」と読んで「ひと」と解釈し、Aの意味〔人間はどこでも墓所の地とすることができる〕でことわざのように広がっている現状を誤りとするには及ばない〉とあります。

この項の初出は1991年ですから、ことばとがめの記録としては新しいですね。



【498】
Re:人間
 佐藤
 - 04/10/24(日) 22:57 -
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▼豊島正之さん:
>(旧)日本古典文学大系「今昔物語集(一)」(岩波書店)補注128(p.430)に、関連記事があります。


高島俊男『お言葉ですが……』に反論があるようですが、まだ実見していません。Googleで検索するとその説を紹介したページがヒットするのですが、キャッシュのみ。


政治家と日本語 #

【495】
政治家と日本語 #
 岡島昭浩
 - 04/10/24(日) 12:12 -
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政治家と日本語の後を受け継ぐスレッドが立っていなかったので、なにか新たに立てるべきか、はたまた別話題で(誤解を避ける言い方?)書くか、迷ったのですが、「政治家と日本語」にしました。日本語の問題ではなく、認識の問題なのですが。

昨夜、1900すぎ、防災担当大臣の会見を聞いて、耳を疑いました。耳を疑ったままで、まだ確認出来ていなくて、私の誤解かもしれないのですが、書き付けます。
記者 人的災害は?
大臣 怪我人はない、という情報が入っています。
記者 土砂崩れで生き埋め、という報もありますが……
大臣 現在、調査中(あるいは情報収集中)です。
「〈ないという情報〉がある」ということを発言する意図は何なのでしょうか。〈ないという情報〉が山ほど有っても、〈あるという情報〉が到来すれば消え去ってしまうものだ(デマでなければ)、という認識が、「防災担当」大臣にない、というのは恐ろしいことです。

私の誤解であることを切に祈ります。

いずれ、大臣記者会見要旨に載るでしょうか。多分、「情報収集中」という風にしか載らないでしょうね。


特殊な音

【494】
特殊な音
 Yeemar
 - 04/10/24(日) 10:20 -
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漢字のよみで、あまりきかない音と思われるものに時々行き当たります。なぜそう読むのか分からないこともあります。

以下のうち「十百」は湯桶読でしょうから、ここに入れるのはふさわしくないかもしれませんが、「じっぴゃく」との混淆のようにも思います。「校」を「めん」と読むのは音とは思われないので訓でしょうか。「越」を「つう」と読むのは「えつ」の変化でしょうか。「立」が「るい」になるのは宋音に基くものと思いますが、類例は少ないのではないでしょうか。

●十百
『談林十百韻』(だんりんとっぴゃくいん)〔田代松意編の俳書、1675年跋〕

●校條
サンフランシスコのシェラトン・パレス・ホテルで校條浩{めんじょうひろし}さんと朝食を共にした後、校條さんの運転する車で一緒に飛行場に向かった。(「週刊朝日」2000.04.07 p.48)

●毛越寺
空気枕をたずさえて東北新幹線に乗った。めざすは平泉の中尊寺と毛越寺{もうつうじ}である。〔五木寛之・みみずくの夜{ヨル}メール98〕(「朝日新聞」2004.06.28 p.21)

●るいよう 立用
大坂堂島の帳合米の取引〔=先物取引?〕で、火縄が消失し、火縄値段が決定しない場合、前日の火縄値段で解け合うこと。〔稲の穂(大阪市史五)〕(『日本国語大辞典』)



南野法相

【489】
南野法相
 道浦俊彦
 - 04/10/22(金) 18:20 -
----
「南野」と書いて「のおの」と読み、表記するとのことですが、「のうの」ではないのでしょうか?そもそもどうして「南野」が「のおの」なのでしょうか?



【490】
Re:南野法相
 岡島
 - 04/10/22(金) 18:59 -
----
▼道浦俊彦さん:
>「南野」と書いて「のおの」と読み、表記するとのことですが、「のうの」ではないのでしょうか?


「扇おおぎ」と共通する問題ですね。


>そもそもどうして「南野」が「のおの」なのでしょうか?


「なみの」→「なうの」→「のうの」
でしょうね。



【491】
Re:南野法相
 道浦俊彦
 - 04/10/22(金) 20:02 -
----
そうですそうです、扇(おおぎ・おうぎ)千影・元大臣と共通する問題です。
みなみの→なみの→なうの→のうの→のおの
ですか。
「のうの」はローマ字で「NOUNO」ですが、「のおの」は「NOONO」で「ぬうの」みたいになってしまいます。。。。



【492】
Re:南野法相
 岡島昭浩
 - 04/10/23(土) 0:08 -
----
▼道浦俊彦さん:

>みなみの→なみの→なうの→のうの→のおの
>ですか。


 なんの→なうの
かもしれません。

 なうの→のうの→のおの
という順番は付けられず、
 なうの→のーの(のうの・のおの)
ですね。

>「のうの」はローマ字で「NOUNO」ですが、「のおの」は「NOONO」で「ぬうの」みたいになってしまいます。。。。


ローマ字だったら、「のうの」でも「のおの」でも、「NO^NO」でしょう。


あがってナンボ

【482】
あがってナンボ
 KS
 - 04/10/21(木) 15:39 -
----
 表題の言葉は、大宅映子さんのゴルフエッセーの一文で、ゴルフの箴言中の至言としてあげておられる言葉です。
 ナンボ というのは関西弁ですが方言が書き言葉として認知された数少ない例でしょうか?。(標準語で「あがってイクラ」では通じないのでしょうか。)
 方言が書き言葉(文章)になる例は、名詞の場合を除いて少ないように思います。方言と言うのはそもそも話し言葉なんでしょうか…。それとも、単に書き言葉になじまないだけでしょうか。



【484】
Re:あがってナンボ
 岡島
 - 04/10/21(木) 23:24 -
----
▼KSさん:
> ナンボ というのは関西弁ですが方言が書き言葉として認知された数少ない例でしょうか?。(標準語で「あがってイクラ」では通じないのでしょうか。)



この場合、「〜(し)てナンボ」という慣用句が取り入れられたのでしょうから、「〜てイクラ」では、なじまないのではないでしょうか。


> 方言が書き言葉(文章)になる例は、名詞の場合を除いて少ないように思います。方言と言うのはそもそも話し言葉なんでしょうか…。それとも、単に書き言葉になじまないだけでしょうか。


東京でも、明治の頃に言文一致に苦労したわけですが、他地方の言葉は、文章にするのになじんでいないものと思われます。



【487】
Re:あがってナンボ
 道浦俊彦
 - 04/10/22(金) 5:14 -
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元は麻雀用語では?



【488】
Re:あがってナンボ
 KS
 - 04/10/22(金) 9:24 -
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▼道浦俊彦さん:
>元は麻雀用語では?


そう云えば、言ってましたね。「…満貫やったのに…」「上がってナンボ。はよ千点出せよ!」


誤写の推定

【450】
誤写の推定
 岡島昭浩
 - 04/10/10(日) 13:27 -
----
「目を引く誤植」の関連スレッドです。
たまたま、桑原博史全訳注『西行物語』講談社学術文庫(平成10.11.6)を見ていて、
家豊かにしては、須達壇弥梨が勢ひを移し、所従・眷属・七珍万宝に飽き満てり。(p23)
の、「須達壇弥梨」に、「しゅだつだんやり」というルビがついているのが、まずは目に入りました。p26の注を見ると、
須達壇弥梨《しゅだつだんやり》 「須達」は須達多《しゅだった》ともいい、古代インドの斜衛《しゃえ》国の長者。釈迦に仕え、祇園精舎を建てた。「壇弥梨」は不明。あるいは「須達多|闍梨《じやり》」で、「闍梨」は僧を示す阿闍梨の意か。
とあります。

翻刻凡例には、片仮名を平仮名に改めたなどとは書いてありませんから、板本も平仮名なのでしょうが、この誤写を考えるならば、書承の途中に片仮名本の存在が考えられます。「タシヤリ」が「タンヤリ」に変わったのでしょうから。あるいは、平仮名本でも「之」から「ん」への誤写、ということも考えられましょうか。

ともあれ、この本の影印本も出ているようですから、それを見ないと何も言えませんし、諸本を付き合わせねば、誤写の推定などしてはいかんのですが、たまたま眼につきましたので、書き付ける次第。



【452】
Re:誤写の推定――須達壇弥梨
 Yeemar
 - 04/10/10(日) 15:37 -
----
▼岡島昭浩さん:

>の、「須達壇弥梨」に、「しゅだつだんやり」というルビがついているのが、まずは目に入りました。


これは、かなが先にあって、それに書写者なりが漢字をあてたのでしょうか。〈「壇弥梨」は不明〉とあるからには、この用字は校注者の与り知らぬものでしょうね。

「や」に「弥」をあてると訓でよむことになりますから、中国の用字ではないのだろうと思いますが、インド人の名前に訓仮名をあてたりすることがあるのでしょうか。



【453】
Re:誤写の推定――須達壇弥梨
 岡島昭浩
 - 04/10/10(日) 17:01 -
----
▼Yeemarさん:

>>の、「須達壇弥梨」に、「しゅだつだんやり」というルビがついているのが、まずは目に入りました。


>「や」に「弥」をあてると訓でよむことになりますから、


ええ、それで目についたのです。

底本は、正保三年版本ということですが、
底本の仮名を適宜漢字に改め、仮名づかいを歴史的仮名づかいに統一し、当て字は普通の表記に改めるなど、表記上の統一と整理をはかった。
ということなので、影印を見ないことには、話が始まらないと思いはするのですが、ここにメモでもしておかないと、忘却のかなたに消えてしまうだろうと思い、書き付けた次第です。



【467】
Re:誤写の推定――須達壇弥梨
 佐藤
 - 04/10/14(木) 10:12 -
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▼岡島昭浩さん:
>影印を見ないことには、話が始まらないと思いはするのですが、


とりあえず一つ。霞亭文庫本。見開き左5行目。版本のようですが、刊記欠。

奈良絵本も参考になりましょうか。同名の京都大学本。見開き右、後ろから4行目。



【468】
Re:誤写の推定――須達壇弥梨
 岡島昭浩
 - 04/10/14(木) 22:28 -
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▼佐藤さん:

有り難うございます。すばらしい。

>とりあえず一つ。霞亭文庫本。見開き左5行目。版本のようですが、刊記欠。


文庫本の本文どおり、というところですね。

>奈良絵本も参考になりましょうか。同名の京都大学本。見開き右、後ろから4行目。


おお、「しゆたつたんみり」ですね。「壇弥梨」の音読みとしてふさわしい形ですね。なかなか面白い。しかし「須達多|闍梨《じやり》」には、遡れなさそうですね。



【469】
Re:誤写の推定
 佐藤
 - 04/10/15(金) 12:29 -
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▼岡島昭浩さん:
>p26の注を見ると、
>
須達壇弥梨《しゅだつだんやり》 「須達」は須達多《しゅだった》ともいい、古代インドの斜衛《しゃえ》国の長者。釈迦に仕え、祇園精舎を建てた。「壇弥梨」は不明。あるいは「須達多|闍梨《じやり》」で、「闍梨」は僧を示す阿闍梨の意か。
とあります。


ちょっと字を変えて「檀弥」で検索すると「檀弥羅・檀弥利・檀弥栗」にヒットします。もし長者であれば「須達・壇弥[梨利栗羅]」と並列させられるのかもしれません。が、ヒット先の文脈からすると仏敵らしいのが気になります。



【470】
Re:誤写の推定
 益山 健
 - 04/10/15(金) 13:52 -
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>あるいは「須達多|闍梨《じやり》」で、「闍梨」は僧を示す阿闍梨の意か。

須達多が阿闍梨の称号をつけてよばれることはあまりなさそうな気がするのですが, どうでしょうか。



【471】
Re:誤写の推定
 岡島昭浩
 - 04/10/15(金) 17:10 -
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佐藤さん、また、益山さんのご指摘により、
「誤写の推定」ではなく、「誤注の指摘」といったものになってしまったようですね。

ありがとうございました。



【472】
Re:誤写の推定
 佐藤
 - 04/10/15(金) 17:46 -
----
 気になったのでもう少し調べると、ちょっとだけ込み入ってました。織田得能『仏教大辞典』だと、仏敵の悪王は「ダンミラ 檀弥羅」としてあがっており、これとは別に長者の「ダンミリ 檀弥離」が立項されてました。『西行物語』の「須達・壇弥梨」も長者を並列させたものなのでしょう。
 学術文庫の校訂者も、広く諸本を見渡すか(奈良絵本は「たんみり」だった)、いくつかの仏教辞典を丁寧に引けば正解が得られたでしょう。あるいは底本に忠実であろうとして「たんやり」から抜け出られなかったのかもしれません。が、非難するよりもまず自戒の契機として記憶したいというのが正直な気持ちです。


連想することば#

【455】
連想することば#
 佐藤
 - 04/10/11(月) 3:18 -
----
「ココロツタエ」
http://www.nhk.or.jp/aichibanpaku/song/
  ↓
『ホツマツタエ』
http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/k020318.htm(Yeemarさんのところ)

すみません。「誰かやるよ、きっと」って皆さん思ってるんだろうなと思いつつ。片仮名で書かれるのでつい連想します。

「連想することば」の続きです。旧会議室の段階で「連想することば#」と分かれていました。【管理者追記:「連想することば#」はこれ以降




【456】
Re:連想することば#
 佐藤
 - 04/10/11(月) 3:39 -
----
>「ココロツタエ」
>http://www.nhk.or.jp/aichibanpaku/song/


>片仮名で書かれるのでつい連想します。


そうそう、書き落としました。なぜ片仮名で書くのかが気になったのでした。ググってみたら『中日スポーツ』の9月22日分のキャッシュが閲覧でき、谷村は
伝えるのは人間が誕生した“いにしえ”からの思いで、漢字でもひらがなでもなくカタカナでしか表現できない

と言ったとか。単に、原始的で素朴なコト・モノを表すには片仮名がふさわしい、ということのようですが、それでも「原始」と「神代(文字)」が微妙に交錯します。ひょっとすると谷村の念頭に『ホツマツタエ』があっての「ココロツタエ」なのでしょうか。


誤解を避ける方法 #

【260】
誤解を避ける方法 #
 Yeemar
 - 04/7/21(水) 21:01 -
----
旧会議室「誤解を避ける方法」は、ちょっと趣旨があいまいなスレッドになってしまいました。私の意図としては、うっかり使ったことばが相手を傷つけたり、失礼になったりということを避けるため、事例(作例を含む)を集めようとするものでした。(現会議室になって、継承スレッドを立てた記憶がありますが、まだなかったようです。)

謝礼
大学から原稿料をもらうにあたり、「謝礼振込先をお知らせください」とメールで指示される。その返信でそのまま「謝礼振込先につきましては……」と書きかけて気づく。私のほうで「謝礼」と言ってはいけない。「稿料」と書き直す。「謝礼振込先」と熟語になっていると、気づきにくいもの。

食事
他家を訪問したとき、ついつい「お食事をごちそうになり、ありがとうございました」などと言ってはいけない。食事といえば、カップラーメンやあんパンでも食事だ。心づくしの、おいしいものをいただいたというときは、「おいしいお料理をごちそうになり」と言わなければならない。もちろん、単に「ごちそうになりました」でもよいけれど、もっと何か付け足したいときに注意。



【290】
Re:誤解を避ける方法 #
 Yeemar
 - 04/8/14(土) 0:54 -
----
お持ちください・お支払いする
「どうぞ、パンフレットをお持ちください」というのは、考えてみれば不思議なことばです。ほかの場合、たとえば、「お取りください」は「取れ」を尊敬表現にしたもの。「お聞きください」は「聞け」を尊敬表現にしたもの。とすれば、「お持ちください」は「持て」を尊敬表現にしたもの、と思いきや、そうではなく「持ってゆけ」という意味です。「持ってお行きください」というのがまどろっこしいので、「お持ちください」になったか。もしくは「お持ち帰りください」の部分的省略か。

「(千円を)払え」「(あなたに)払う」の尊敬形・謙譲形は「お払いください」「お払いする」ではなく、「お支払いください」「お支払いする」になります。「お払いください」「お払いする」でもべつによいという人もいるかもしれません。しかし、私は、「(悪霊を除くため)お祓いする」を思わせるのを避け、「お支払いする」と言います。

よく誤解しないものだという例
「あのう、山田さん、14日は空いていますか?」
「14日はちょっと」
「そうですか。わかりました。では、15日は?」
「15日はねえ……」
「そうですか。わかりました。では、16日は?」
「16日なら」
「そうですか。わかりました」

どうわかったというのか。山田さんは14日は都合が悪く、15日は困難で、16日は都合がよいようです。しかし、「14日はちょっと暇です」「15日はねえ、暇です」「16日なら大変多忙です」の可能性はないのか。外国語でも、言い方によってこのような以心伝心ふうの会話はあるのでしょうか。



【292】
Re:誤解を避ける方法 #
 Yeemar
 - 04/8/16(月) 17:29 -
----
しんでも
ご老人の体に病変が見つかる。若い人ならば手術して治すところだが、ご老体ゆえ手術に耐えられるかどうかわからない。ここは手術をせず様子を見てもいいのではないか。

そう話した人に対して、関西出身の人が「そうやそうや。しんでもええわ」

ここで空気が緊張するかどうかは、同席者が関西弁を解するかどうかによります。

もちろん、「しんでも」は「せんでも」(しなくても)ということですね。愛知県常滑市でも「工夫しんでもやれる」などと言うようです。



【293】
Re:誤解を避ける方法 #
 NISHIO
 - 04/8/17(火) 0:04 -
----
▼Yeemarさん:
>そう話した人に対して、関西出身の人が「そうやそうや。しんでもええわ」


私の仲間うちでは、「しんでも」より「しやんでも」のほうがよく使われていました。ちなみに明石〜神戸〜西宮〜尼崎の言葉が入り乱れいていたので、どのあたりの言葉かは不明です。

同じく関西弁で「死にな」というのも、知らない人には誤解を招きますね。「死ぬな」の意。「死になや」か「死になさんなや」と言えばたぶん心配ない。
「死にぃな」といえば「死になさい」になるので、これまた要注意。イントネーションの僅かな違いです。


ほかに、使用上の注意を要する方言として、岡山弁の「はよーしねー」(早くしなさい)があるそうです(お年寄りに向かってなんちゅうことを!)。
備前地方の言葉は子どもの頃から耳慣れているはずの私ですが、これは記憶にありません。



【451】
Re:誤解を避ける方法 # いかん
 Yeemar
 - 04/10/10(日) 15:28 -
----
「そのようなことをなさっちゃいかん」

というような文をメールで人に書き送りました。あとで考えると、「なさっちゃ如何」「なさっちゃ不可ん」の両様に解釈できます。勧誘か禁止かあいまいになってしまいました。「なさっちゃいけません」とか「しちゃいかんよ」とか、文体に統一性を持たせればよかったかもしれません。



【454】
Re:誤解を避ける方法 # いかん
 岡島昭浩
 - 04/10/10(日) 17:04 -
----
現実にあったことで、「するのは如何か」というのを、当方は否定の意味(「するのはいかがなものか」)で使ったのに、先方は推奨(「してはどうか」)ととったことがありました。


日本紙→和紙

【431】
日本紙→和紙
 佐藤
 - 04/10/5(火) 16:35 -
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 今日、たまたま通りがかって見たNHKの番組。南田洋子さんが「日本紙(にほんし)」と言っていたのを、黒田アナウンサーが「和紙(わし)」と言い替えていたのが印象的でした。

 「和〜・国〜」の要素が「日本〜」に置き替えられる大きな流れがありますが、これに逆行ないし別の方向をたどるものもありそうですね。類例はあるでしょうか。いろいろ集まって来ると統一的な方向が見えて来るのか、それともやっぱり個々別々なのか。「国〜」と「和〜」とではまた事情が異なるのか…… そのあたりでお気づきのことを。



【447】
Re:日本紙→和紙
 岡島昭浩
 - 04/10/9(土) 0:07 -
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▼佐藤さん:

> 「和〜・国〜」の要素が「日本〜」に置き替えられる大きな流れがありますが、これに逆行ないし別の方向をたどるものもありそうですね。類例はあるでしょうか。いろいろ集まって来ると統一的な方向が見えて来るのか、それともやっぱり個々別々なのか。「国〜」と「和〜」とではまた事情が異なるのか…… そのあたりでお気づきのことを。


古風なものが「和〜」になりたがる、ということはないでしょうか。

「そば」が「日本そば」と言われるようになった、と言われて久しいと思いますが、「和そば」という言い方は、それより新しそうな気がします。『ことばのくずかご』p140に、「「東京新聞」73年2月25日朝1「筆洗」欄」の例がありますが、日本そばはもう少し古いのではないかと思います。