2005年11月27日

忸怩たる

「忸怩たる思い」の「じくじ」に、最近新しい用法が見られるというのは高島俊男氏の指摘です(『お言葉ですが…5 キライなことば勢揃い』(文藝春秋2001 p.226「内心ジクジ」)。高島氏が気づいたのは「十年ほど前から」とのことで、たとえば1995年5月の読売新聞に
〈中村監督は「オマリーにことごとくやられている」と忸怩たる思いを抱き続けてきた。〉
という例があるなど、「腹立たしい思い」「ふんまんやるかたない思い」の意で使われているといいます(なお、『大辞林』第2版によれば「忸怩」は「自分のおこないについて、心のうちで恥じ入るさま。」)

先日「週刊現代」などという雑誌を読んでいますと、次のようにありました。
 降格させられた関氏は、「まだ大学に籍がある」とうことで今回、取材に応じてもらえなかったが、前出の教授によれば、「一OBとして一心をなげうって改革に取り組んできたのに何たること」と忸怩{じくじ}たる思いでいるという。(「週刊現代」2005.12.03 p.55)
これは「腹立たしい思い」「ふんまんやるかたない思い」の典型例でしょう。

国会会議録検索システムで今年の(衆参すべての)議事録から拾ってみると、「忸怩たる」が「腹立たしい」〜「もどかしい」などと思われる意味で使われている例が数例出てきました。以下にそのうちの2つを記します。
平成17年02月01日 参議院 予算委員会
○国務大臣(中川昭一君) 今の野上委員の御指摘でございますが、あらゆるところで私は申し上げているつもりでありますが、なかなか朝日新聞の方がきちっとした報道を、その以降も報道をしてくれないというじくじたるものがあるわけでございますが、簡単に事実関係を申し上げさせていただきます。(=腹立たしい・もどかしい?)

平成17年07月26日 衆議院 青少年問題に関する特別委員会
○水島広子委員(民主党・無所属クラブ) もうお金も時間も限られているわけですから、そこはもう一つ一貫した思想を持ってきちんと取り組んで、それでようやく間に合うかどうかというところではないかと思っていますので、非常にじくじたる思いでいるわけです。(=もどかしい・焦燥に駆られる?)
このデータベースを使えば、かなり古い例が拾われるかもしれません。

posted by Yeemar at 21:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 語彙一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

世界一受けたい授業

これも「日本語番組」に含めていいでしょう。2005.10.29は篠崎晃一氏が「ネーミング」について、2005.11.19は山口仲美氏が「オノマトペ」について講義したようです。残念ながら見逃しました。他分野の講師の話もおもしろそうで、ふだんも見れば、ベストセラー本を買わずにすむかもしれません。

以下は、以前に見たものです。ホームページに詳細があるため、扱われた語のみ簡略に記録します。

2005.07.23 日本テレビ
●「世界一受けたい授業・1億人の国語算数理科社会教養 夏休みスペシャル」
http://www.ntv.co.jp/sekaju/student/20050723.html

堺正章/くりぃむしちゅー ゲスト・西城秀樹/片瀬那奈/劇団ひとり/はしのえみ/三倉茉奈/三倉佳奈/高畑淳子/久本雅美/細山貴嶺/伊集院光

1時限目・国語・日本語知ってるつもり?!(金田一秀穂)
・語源を問う:〈初級編〉「おまけ」「ありがとう」「いただきます」「ごちそうさまでした」「明後日(あさって)」〔「明日が去った後→明日がさった後→明日あさっと→あさって」という説明はいかがなものか? だいいち「あさっと」とは何?〕「おしゃれ」〈上級編〉「几帳面」「シカト(しかと)」〔伊集院光さんは「花札の紅葉の十点札が語源」と正答。物知りなり〕「ブス(ぶす)」「朝っぱら」

・変化した言葉問題:〔問題の古語が、今のどういう語に痕跡をとどめているか〕:「左様」「飯櫃(いいびつ)」「ヲコ(をこ)」「波残り」「御器かぶり」
posted by Yeemar at 00:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 放送記録および予定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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