1997年06月02日

【倍】

【倍】
 『新聞集成明治編年史2』の446頁に、明治8.12.5 東京日日新聞の記事として、

太政官記事。第百八十三号○自今公文中総て計算上一倍の呼称を止め、従前の諸規則等に一倍と記載有之分は、二倍と改正候条、此旨布告候事。
但譬ば原金高一円の二倍は二円十倍は十円と計算候儀と可心得事。明治八年十二月二日 太政大臣 三条実美 (原文片仮名)

というのが載っている。
 「人一倍」は「人並」のことか、と疑問を持つ人もいるが、「二倍」のことと解される。というか、「倍」が「二倍」の意味なのだということを考えると、「一倍」の方が素直な言い方となる。しかしこのやりかたで「二倍」となると、混乱しそうである。2の2倍は2+2+2=6なのか、それとも倍の倍、つまり 2+2=4,4+4=8なのか。
 こうした混乱を避ける為の布告なのでしょう。あるいは西洋人との間の問題か。
posted by 岡島昭浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 目についたことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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