日本音響学会『音のなんでも小事典』(講談社ブルーバックス1996.12.20)のp68にジョン万次郎が、What time is it now ? を「掘った芋いじったな」と教えたという逸話が紹介されている。
私はこの逸話は10年以上前のテレビ番組「コミュニケーション・スペシャル ことばは人を結び、世界をつくる・愛ことば8万キロ」(日本テレビ系)で知ったのであったと記憶している。少なくともジョン万次郎と結び付けたのはこれが最初であった。司会は関口宏、ゲストとして金田一春彦・ C.W.ニコル・糸井重里が出ていて、レポーターとして野田秀樹と桐島かれんが世界を飛回って言語の面白さを探る番組であった(玉石混淆であるのは勿論だが)。
その中で野田秀樹が、ニューヨーク上空をヘリコプターで飛びながら万次郎の『英米対話捷徑』を片手に、「掘った芋いじるな〜」と叫んでいた。「いじったな」ではなく「いじるな」であった。その後タモリもどこかで、この「掘った芋いじるな」をネタにしていたのを聞いたことがある。
その後、『英米対話捷徑』の影印版を手に入れたので、見てみたのだが、この「掘った芋」は入っていない。先程のテレビ番組で野田秀樹がもう一つ言っていた「ハヲヅーユーヅーシャー」は載っているのだが。そもそもWhat time is it now? が載っていない。Whatはハッタのようだ。例えばハッタ ワザ イジ イータ ツデイ。これはWhat weather is it today ?
この逸話、本当なのだろうか。知りたいところである。
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