北杜夫『さびしい乞食』は翻訳ではありませんが、英語でしゃべったはずのことを日本語で書いています。(頁は新潮文庫)
p39に、
「それはペンですか。いいえ、それはレコードです」と、後の清水義範に通じるようなことを書いていますが、役割語的なものも出てきます。
と、若さまは英語でいい、
「失礼。ぼくは初めにこう言わないと、うまくしゃべれないのです。……
p49から登場のデビルファーザー氏は「わからんかった」「神秘なものじゃ」などと話し、p72以降に出て来る「なかんべえ」「……でさあ」と話す乞食のベン・スタイン、p142では「ひどいナマリのある英語」として「たいへんおもしろいある」「どこにいたあるか」などと話す人物が出てきます。
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