全部で400項目以上あり、壮観ではあります。ぱらぱらめくってみると、思わず目を見張るような通俗語源説が並んでいます。
1例のみ挙げるなら、「おちゃっぴい」の「お茶」は秘所を言い、「ぴい」は漢字で書くと「〓{毛へんに皮}」でこれも卑猥な意であると、ワープロにない字まで使って説明してあります。(『日本国語大辞典』などには「お茶ひき」からとあります)
これは一体、だれが、どこから取ってきた説であるかと思い、巻末や見返しのあたりを見ても、執筆者名も、参考文献の名も記されていません。したがって、この「おちゃっぴい」の珍説の出所も不明のままです。
7年前、ある学生が、本書を根拠に「しかと」「くだらない」の語源に関するレポートを書きました。たしか不可にはしなかったと思いますが、なんとも心臓の強い学生です。
学生は、原典を転記する際に、断りもなく省略・改変をほどこしたようです。7年前に掲示板に引用した文章を改めてみると、たしかに、若い女性のことば遣いの特徴があります。