さてあの式をやるに当って何といふ名をつけたものであらうと大分考へ込んだのが私が十二三歳の頃である。それから二三年たって私は始球式といふ名が当時横浜貿易新聞社の運動記者の加藤氏に依って名附けられた事を記憶する。(p357-358)
「森秀雄君は現今我大阪毎日野球団の重鎮で永く小野投手に対し捕手として、帝都の強チームから畏れられて居った人で、球界生活の十年は始め横浜商業に、次に慶応に、更らに本社に」と序文にあるから、まあ三〇歳前だろう。十二三歳の頃の二三年後というのは、大正の初年ぐらいだろうか。
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