amazon.co.jpの「なか見!検索」というのは、用例探索にも使えそうです。現在のところは、まだ主立った出版社が参加していないのが残念ですが、たまに面白い例に当たります。たとえば、弓田亨『Patisserie francaiseそのimaginat (1)』(イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ企画 2004.10)p.111には「さくさ」(おそらく「お菓子の、さくっとしている度合い」)ということばが出てきます。
これらのお菓子における、さくさの硬軟は、まず一般的には、粉、砂糖、油脂類の割合で決まります。(ジェノワーズ、ビスキュイは、水分をかなり充分に持ち、そのために柔らかさとかたさは、わりあい明確に区別されますが、パートゥ・シュクレなどは、焼き上がった時点では、水分含有率が5%内外と低くかたいため、むしろ柔らかいさくさとか、かたいさくさとかいったほうが正確と思えます)
この著者だけの訳語か、お菓子作りの世界ではある程度一般的なのか、いずれにしても面白いと思いました。(Googleでは検索しにくいことばです)
posted by Yeemar at 07:31|
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語彙一般
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食品知識ミニブックスシリーズ(日本食糧新聞社)
http://www.nissyoku.co.jp/annai/syoseki/syosai/minibooks/
『菓子入門』(早川幸男著、平成9年)
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○ショートニング性
練り合わせる生地に油脂を練り込むと、油脂が生地中に薄いフィルム状になって拡がり、でんぷんや糖類などの結着を妨げ、製品にサクサクした脆い食感〔ショートネス〕を与える。この性質をショートニング性といい、ビスケット、クッキーなど、焼菓子類には欠くことのできない性質である。<以下略>
○ショートニング
ラードの代替品としてアメリカで開発、発展してきたものである。精製した動・植物性油脂や硬化油を原料とし、乳化剤、窒素、炭酸ガスなどを配合して造られており、全水添型、ブレンド型、乳化型ショートニングの三種類がある。 <以下略>
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製菓用ショートニング(家庭用)
http://www.snowbrand.co.jp/products/margarine/17/
フライ油用ショートニング(業務用)
http://www.j-oil.com/products/oil/corp/fly.html
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「さくい」は見聞きしたことがありませんが、「さくい」という形容詞はありますね。
『広辞苑』
さく・い《形》
(1)淡泊である。きさくである。日葡辞書「サクイヒト」。
(2)もろい。こわれやすい。(俚言集覧)
『大辞林』
さく・い(形)
(1)形式ばらずあっさりしていてつきあいよい。さっぱりしている。気さくだ。
(2)もろい。こわれやすい。[日葡]
1960年代の香川県で、お年寄りが(2)の意味で使っているのを聞いた覚えがあります。
にある石井氏の論文はどうやったら見られるのでしょうか?
http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/HolderList?txt_docid=NCID%3AAN10135466
という結果が出ますが、大学図書館等がご利用になれない場合には、
石井久雄「昔はどう言ったかと、知りたいとき」『研究報告集14』(国立国語研究所 1992)
という書誌情報を示して、これを読みたいのだが、と図書館のレファレンスに相談すれば、なんとかなるでしょう。
それで埒が明かないのであれば、国会図書館にコピーを直接申し込むことも出来ます。
(コメントは該当の所にお書きいただければ、古い記事であっても、確認できますので、今後はそのようにお願いします)