とありました。日本国語大辞典にもこの情報あり。
さて、「艶笑・廓ばなし」の、艶笑という言葉だが、今はもう聞きなれて落語の世界でも平気で通用しているが、こんなしゃれた文学臭の強い言葉は、本来この社会では使われてはいなかったはずだ。今でも一部の間ではつかわれていない。小島貞二氏が編むところの『定本艶笑落語』の、その解説に「たしか、昭和五年に丸木砂土(秦豊吉の筆名)が武侠社から『世界艶笑芸術』という本を出したあたりが、はじめてではないだろうか。ドイツ語のGalant(ガラント。好色な、という程の意味)を訳した」と述べておられるように、そのへんが使い始めのようだ。
『定本艶笑落語』の「艶笑落語学入門」で、1987年版(「『定本 艶笑落語』(昭和四十五年十二月発行)と、『定本艶笑落語続編』(昭和四十九年四月発行)の二冊を、多くの要望に応えて新装改訂、全一巻にまとめたもの」)では、p680。「訳した」の後に「……と註をしている。」が続く。
余談。
『定本 艶笑落語』の版によっては協同編者になっている能見正比古って、血液型の本で有名な人ですね。落語関係の本に関わっていたとは知りませんでした。
http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABN0634518X
もうひとつ余談
秦豊吉(丸木砂土)は、本年末で著作権保護期間終了。