ひい、ふう、みい…という数え方との関係もからめて、どなたかお教えください。
知りたい理由は、「し」=「死」ということで『四』を避けるという慣習(風習?)がいつ頃の時代から定着したか知りたいためです。
あれこれページをひらいていたら、ここにたどりつきました。
場違いな人間が迷い込んだような気もしますが、お答えがあればうれしく思います。
森川知史 さんからのコメント
( Date: 2000年 3月 02日 木曜日 19:11:01)
もう何年も前に見たテレビの記憶ですからかなり朧気なのですが、確かチベット(?)の小学校で子供たちが大声でイチ・ニ・サンと数える光景を見ました。ジュウまで全く日本と同じ発音で、解説は古代の中国の数え方がそのまま維持されているもので、これ以上伝搬先のないチベットと日本に、古い発音が残されたのだ、ということでした。現在の中国の発音、イー・アル(リャン)・サン・スーは、イチ・ニ・サンよりかなり新しいもの、ということになるのでしょうか。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 3月 04日 土曜日 0:29:30)
ここのところ忙しくしておりましてこの会議室に顔を出せませんでした。申し訳ありません。
さて、「いち、に、さん…という数え方はいつから」あるのか、ということであれば、「有史以前」となります。
「有史」というのは〈記録がある〉ということで、日本(語)についての記録は、漢字渡来以後のことです。
「いち、に、さん」は、ご推測の通り、中国語から来ています。但し、「イー、アル、サン」は現代中国語(北京話)であって、日本語になっている「いち、に、さん」は、ずっと古い中国語から取り入れたものです。it,ni,samのような感じの音であったろうと思われます。itのtを日本語に取り入れる際には、チやツで取り入れました。
現代北京語の場合には、itのtが抜けてイーとなっています。中国にはさまざまな方言がありますが、このtが残っている方言もあるわけです。
このように、中国語からきたものですから、漢字渡来よりは早く来たはずです。それで「有史以前」のことというわけです。
「いつからあるのか」ではなく「いつから一般的になったか」というのは難しい問題です。現代においても。若者が年齢差を「ひとつ・ふたつ」でなく「イッコ・ニコ」で数えるのに違和感を感じる人が多いのですが、いまなお、イチニサンの一般化は進行中であるとも言えるわけです。
「シの字嫌い」については明治書院の『語源探求』というシリーズがありますが、その第1冊に、鈴木博氏が考証していたと記憶しています。内容は記憶していません。
志度晴生 さんからのコメント
(Date: 2000年 3月 09日 木曜日 0:25:24)
先日の質問にコメント頂きありがとうございました。
チベットのお話、大変興味を持ちました。
また、ご紹介のあった『語源探求』を調べてみようと思います。
(紀伊国屋BookWebでありました)
素人(?)の要領を得ない質問にもかかわらず、
丁寧なご教示を頂きましたこと、御礼申し上げます。