2000年03月16日

奇天烈(沢辺治美)


いつも、くだらない発言ばかりで、恐縮です…。
「きてれつ」の語源って何なんでしょう?
「奇天烈」は当て字だということですが…。



森川知史 さんからのコメント

( Date: 2000年 3月 16日 木曜日 17:57:52)


文化八年・浮世床/初下「きてれつ、あり難(が)」を江戸語大辞典が載せています。意味としては、「不思議。奇妙。絶妙。すばらしい。すてき。喜び、ほめていう語。」とありますが、語源の記載はありません。
もう一冊、国語大辞典(小学館)は、八笑人/初「ヤきてれつきてれつ妙計妙計」を載せています。
私個人は、「奇妙きてれつ」と使うように記憶していますが。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 2000年 3月 31日 金曜日 23:50:14)


「てけれつ」、「てけれん」という言葉が関係あるのではないでしょうか。

「てけれっつのぱあ」というのは「かんかんのう」でしたっけ。
「妙てけれん」(妙ちきりんともいいますが)

「奇妙きてれつ」は、頭韻をそろえたものかも。



Yeemar さんからのコメント

( Date: 2000年 4月 01日 土曜日 20:45:25)


「かんかんのう」は落語「らくだ」などで有名ですが――「ぐずぐず言ったら、死人〔しびと〕を連れてきて、かんかんのうを踊らせるッてそう言え」(「古典落語圓生集』ちくま文庫)――、圓生バージョンでは、歌詞は

かんかんのうォ、きゅうのです……
とだけ活字になっています。

CD「唱う小沢昭一的こころ」(Victor VICG-40074〜75)では、小沢昭一さんが

かんかんのう、きゅうのれすー、きゅわきゅれすー、さんしょならえー、さーいほーいしーかんさん、いっぴんらいらいらやーわんろん、めんこがおはおでひゅーどんちゃん、さんしょならえー、さんしょならえー
と聞こえる歌い方をしています。

コロムビアの「小沢昭一が選んだ 恋し懐かしはやり唄」(COCJ-30746)では、中村きらという人が

カンカンイ ヌーヌテキキュウレンカン
キュウヤキュウレンカン
シャンシュナーキャイポカイ ナパタカルカツ
カッポダンリョウイエイエユー
カッポダンリョウイエイエユー(歌詞カードのふりがなによる)
と歌っています。

「かんかんのう」は、明清楽のひとつで、江戸末期ぐらいに長崎の唐人屋敷から広まって明治ごろまで歌われたと認識しています。

さて、そのなかに「てけれっつのぱあ」はないようです(「かんかんのう」にはいくつかのバージョンがある由ですが)。

「てけれっつのぱあ」も落語に出てきますね。たしか「こんにゃく問答」ではなかったでしょうか。この「てけれっつのぱあ」も、もとは中国語のはずですね。ごくごく最近、何かで、漢字の原文付きの文句をたしかに見たと思います。何だったのか。新聞だったか、雑誌だったか、最近出た新刊か……。ちょっと、どうしても思い出せないのです。



沢辺治美 さんからのコメント

( Date: 2000年 4月 04日 火曜日 12:46:38)


「てけれっつのぱあ」ってどこかで聞いたフレーズだなぁと思ったので
検索してみました。
『古今亭志ん生, 「志ん生長屋ばなし」, 立風書房, 1993 』
(「死神」の呪文や「黄金餅」のお経など)にあるようです。

漢字の原文ってどんな字を書くのでしょう?見てみたい!!



益山 健 さんからのコメント

( Date: 2000年 4月 04日 火曜日 21:26:01)


>中村きらという人が

これの「九連環」と同じものでしょうか。



益山 健 さんからのコメント

( Date: 2000年 4月 04日 火曜日 21:26:58)


おっと, URL が抜けました。

平野健次邦楽文庫: 琵琶-その音楽の系譜 (1975)



Yeemar さんからのコメント

( Date: 2000年 4月 05日 水曜日 3:39:05)


沢辺さん

ああ、ありがとうございます。私は志ん生「黄金餅」で聴いたのでした。破戒坊主みたいな和尚が、いいかげんなお経を唱えるところです。たまたま手許に『志ん生長屋話』がありますので引きますと

汝ィ元来、ヒョットコのごとしィ……。君と別れて松原行けばァ、松の露やら泪やらァ、アジャラカナトセノキュウライスゥ……テケレツのパァ……(p.235-236)
ちくま文庫『古典落語志ん生集』では
君と別れて松原ゆけば、松の露やら涙やら、あじゃらか、なとせの、きゅうらいす、てけれッつのぱァ……(p.65)
要するにほとんど一緒です。

ここまで分かっても、まだ、最近いつ見たのだったか思い出せません。夢ではないと思いますが――ちょっとボケにはまだ早いようですが……

と思いつつ、最近あつめた切り抜きを整理していると、おや。
〔史上最高のCMソングは金魚売りの声〕で、二番目は、戦前まであったあめ売りの歌である。
 「あめや あめあめ よかよか あめや 太鼓たたいて よかよか これでまんまが食べられりゃ のんきな商売 やめられない」
 それともう一つ、
 「太鼓がなったら賑〔にぎ〕やかで ほんとにそうならすまないね へらへいのまんきっつあん てけれっつのぱっ」
 という豆売りの歌〔一八八〇年流行のへらへら万橘の歌を借用とのこと〕(朝日新聞 2000.03.05 p.2 天野祐吉「CM天気図」)
やはり最近収集していたのでした。これ以外にも見たような気がするんですがね……

「へらへら万橘の歌」と同系らしい「へらへら節」ならば、前述『恋し懐かしはやり唄』にも収録されていますが、「てけれっつのぱあ」の文句はありません。囃子詞は「ヘラヘッタラヘラヘラヘー」というのです。


益山さん

「かんかんのう」=「九連環」ですから、歌い手が同じということは、同じものかもしれません。中村きら(女性)の歌うのを聴いてみると、琵琶というより、胡弓のような楽器の方がよく響いているようです。


訂正
いっぴんらいらいらやーわんろん
→いっぴんらいらいやーわんろん

キーの打ち間違いでした。


posted by 岡島昭浩 at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック