「今だに」はテレビで見て気になったのですが、このときに「やきもち」(嫉妬のこと)を「焼きもち」のテロップがでてました。これもよく間違われるものなのでしょうか。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 4月 20日 木曜日 16:31:54)
「だに」という語はまだ命脈を保っていて、〈今もなお〉という意味が思い付くので「今だに」は許されるのですが、「だに」の意味の「だ」は思いよらないので、「今だ」という表記には違和感を覚えます。
「餅」が出て来るには「妬く」を「焼く」と掛けなければいけないわけで、それを受ければ「焼き餅」でもいいのではないでしょうか。「妬き餅」とは書きづらいし。
常用漢字表内でのお話でしょうか。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 4月 20日 木曜日 21:14:21)
「いまだに売れ残っている」というときは、「今だに」で、
「いまだに売れずに残っている」というときは「未だに」と
書きたいと思います。
要するに「いまだ〜ず」という呼応があるかないかに拠って
います。
歴史的には「いまだ〜肯定形」「いまだ〜否定形」両方あった
そうですが。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 01日 土曜日 20:00:16)
道浦俊彦さんのことばの話339「いまだ入院しています」も参照。
石山茂利夫著『今様こくご辞書』(読売新聞社)に「「今だに」――意味は似てても「未だに」とは別?」という文章あり。
次の例は重言でしょう。
もらった名刺を見ると、名前の最後に「、」が打たれている。/ 「周囲に流されることなく生きていけるように。藤岡弘、いまだ未完成。そんな思いを込めてあります」。五十三歳は、どこまでも熱かった。〔ひみつ・俳優 藤岡弘さん〕(朝日新聞 1999.12.06 p.13)
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 01日 土曜日 20:08:50)
別のスレッドに目次を御紹介した岩松研吉郎著『日本語の化学』(ぶんか社、2001.04)にも「まだ未完成」の例があります。
でもま、ベンツとかなら大丈夫でしょうが、国産車じゃそんなのはまだ未完成なんじゃないですかねえ。とにかくこの車はお買い得ですよ〜。(p.46)これは作例かもしれません。解説には
「まだ未完成」と言われた方が〔単に「未完成」よりも〕柔らかく、意味もすぐに理解しやすいものです。とあります。
面独斎 さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 10日 月曜日 07:09:38)
藤岡弘オフィシャルサイトの「一刀両断」のコーナーにも
「我は未だ未完成なり」
とあります。↓のページの最後尾“句読点「、」”と題された一文です。
→ 藤岡弘「一刀両断」