2000年05月24日

濁っちゃ駄目?(沢辺治美)

「自転車」を「じでんしゃ」と言うのは、全国的なのでしょうか?
「難しい」は「むつかしい」も「むずかしい」もOKですが
「これくらい」を「これぐらい」と言うのは間違いですか?
「これきり」と「これぎり」はどうなのでしょう?


上村昌志 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 24日 水曜日 18:01:46)

北河内で育った32才ですが、

じでんしゃ&これぐらいは言いますし聞きます。

これきりはこれっきりしか使いません。
#広辞苑ではこれ-ぎりで載ってます。

P.S 年齢によっても異なるかもしれません。


merde さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 25日 木曜日 9:15:22)

名古屋、大阪(千里)、東京、青森(八戸)、千葉、東京(多摩)と
転校しまくった人間(1974年生まれ)ですが、
「じでんしゃ」は聞いたことがありません…。
私も言わないです。
「これくらい」「これぐらい」はいいますが、「これぎり」は
私にとっては初耳でした…。

…ところで、階と回の連濁って、不思議だと思いませんか?
3階…さんがい・さんかい
3回…さんかい
もちろん、それぞれのアクセントも違うと思いますが、
なぜ「3」の時に違いが出るのでしょうか?


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 25日 木曜日 11:17:42)

「これぎり」を近代文学で少し探してみました。古い例が多いですね。(16)
は『吾輩は猫である』の末尾、主人公の猫が溺れてしまうくだりです。
全体に会話文に多いようです。

私は1954年生まれですが、祖母が「これぎり」と言っているのを耳にした
ことがあります。その祖母は「じでんしゃ」も言っていました。
「風呂敷」を「ふるしき」、国電を「省線」という人でした。

(1)島崎藤村『家』 その晩、夫婦の取換した言葉は唯これぎりであった。
(2)島崎藤村『家』後の一週間は、子供の側に居るのもこれぎりか、なんと
思って復た起きてる……
(3)島崎藤村『新生』ひょっとすると、当分これぎり兄を見る時がないかも
知れない。
(4)島崎藤村『破戒』これはまあこれぎりの御話なんですがね、必定瀬川君
はこの学校を取ろうという野心があるに相違ないんです」
(5)島崎藤村『破戒』「むむ、そうですか。それから、これはまあこれぎり
の御話ですが――」
(6)国木田独歩『運命論者』「これぎりの話だよ、誰にも知してはなりませ
んよ。私が未だ若い時分、お里の父上に縁かない前に或男に言い寄られて執着
追い廻されたのだよ。
(7)国木田独歩『武蔵野』ただこれぎりなら夏らしくもないが、さて一種の
濁た色の霞のようなものが、雲と雲との間をかき乱して、
(8)田山花袋『田舎教師』「もう此処に休むこともこれぎりだ」
(9)尾崎紅葉『金色夜叉』「その事なら、どうぞこれぎりにして下さい」
(10)尾崎紅葉『金色夜叉』もうこれぎりで、貴方も……私も……土に成つて
了へば、又とお目には掛れ、ないんだから、せめては、今改めて、狭山さん、
私はお礼を申します」
(11)尾崎紅葉『金色夜叉』さ候へば私事如何に自ら作りし罪の報とは申なが
ら、かくまで散々の責苦を受け、かくまで十分に懺悔致し、此上は唯死ぬるば
かりの身の可哀を、つゆほども御前様には通じ候はで、これぎり空く相成候が、
余に口惜く存候故、一生に一度の神仏にも縋り候て、此文には私一念を巻込め、
御許に差出しまゐらせ候。
(12)夏目漱石『こころ』その日の談話も遂にこれぎりで発展せずにしまった。
(13)夏目漱石『それから』「御生憎様、もうこれぎりなの。到来物よ」と云
って梅子は縁側へ出て、膝の上に落ちたウエーファーの粉を払いた。
(14)夏目漱石『吾輩は猫である』おやじはこの男に向って安ければ買っても
いいが、もうこれぎりかいと聞くと、へえ生憎今日はみんな売り尽してたった
二つになっちまいました。
(15)夏目漱石『吾輩は猫である』これぎりの話しである。抑もこの空地に関
して第一の不都合なる事は垣根のない事である。
(16)夏目漱石『吾輩は猫である』「もうよそう。勝手にするがいい。がりが
りはこれぎり御免蒙るよ」と、前足も、後足も、頭も尾も自然の力に任せて抵
抗しない事にした。


森川知史 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 25日 木曜日 22:54:16)

「これぎり」が古い言い回しだという指摘は間違っていないと思います。ただ、私(1952年京都市生まれ)でも、「これぎり」を使わない訳ではありません。「これきり」や「これっきり」よりもっときっぱりと終わりにする、というニュアンスが強いように思うからです。「もうこのことはこれぎりにしよう」というように。
「じでんしゃ」は一度も聞いたことのない表現です。
「これぐらい」は、今も日常的に使っています。

「ほほ」と「ほお」(頬)や「やっぱり」と「やっぱし」(矢張り)のように、濁音に限らず言い方に複数あることば、というのがありますね。
「やっぱし」はあまり抵抗なく聞けるのですが「きっちし」などと言われるともう付いて行けない感じがします。


上村昌志 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 26日 金曜日 14:21:25)

「じでんしゃ」、「じてんしゃ」のアクセント(1:低,3:高)は

じ(2)で(3)ん(1)しゃ(2)

になるのでちょっと強調したいときに濁るような気がします。
でも、大抵「ちゃりんこ」と呼んでます。
P.S 私の方言度は河内70%,京都神戸等20%,香川5%その他5%なので瀬戸内の言葉かも。


沢辺治美 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 26日 金曜日 16:43:10)

富山では「じでんしゃ」は普通に使うと思います。(「蹴ったくり(マシン)」とも言ってました。)
あと、九州出身者と北海道出身者からも「言う」と聞いたので、全国的なのかと思ったのですが、聞いたこともない方もいらっしゃるのですね。

インターネット大辞林では「これぐらい」も「これぎり」も無いのですが、「これくらい」の項に〔「これぐらい」とも〕とありました。濁る方が新しいものと古いものがあるのですね。
「これぎり」は自分では使ったことは無いので、本で読んだ時、違和感があった為、覚えているのです。

3階の話は「もの知り百科」にもありましたが、3件と3軒とかもありますね。
「やっぱり」は「やっぱ」とも言ってしまいますが、「きっちし」はあまり使わないですね。

もの知り百科


天野修治 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 26日 金曜日 18:23:01)

「じてん(でん)しゃ」「これぐらい(くらい)」「これぎり(きり)」「さんがい(かい)」の問題と「やっぱり(し)」「きっちり(し)」の問題はべつに考えた方がいいのではないでしょうか。「3に付く助数詞の問題は以前この会議室の「日本語教師の投稿」で4分の問題に関連させて少し触れておきました。


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 26日 金曜日 19:05:41)

「じてんしゃ」と発音しようとすると自然に「じでんしゃ」に聞こえるように
なるらしいです。
参考ページの下の方の「音変化」のところをご覧ください。

「Right on!」と言っているのが「Ride on」に聞こえるのと同じことでしょ
うか。

音変化


言魔 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 27日 土曜日 18:48:41)

「じでんしゃ」は初耳ですが確かにそう聞こえますね。
米国留学中、よくある話ですが、「日本語教えてくれ」と言われ、パターンとして
「オハヨウ」「コンニチハ」「アリガトウ」あたりになるわけですが...
メモをとっているのを見たらありがとうが"addigetock"になっていたのを思い出しました。


面独斎 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 29日 月曜日 1:32:03)

日本人の発音する「じてんしゃ」を英語のネイティヴが「じでんしゃ」と
聞き取ってしまうのは、日本語の [t] と英語の [t] とは厳密には異なる
というところに問題があるのかもしれませんね。

それはさておき、両方の国という意味の「両国」を何と発音するでしょうか。

「両国が、先の大戦において戦火を交えることとなったことは、誠に悲しむ
べきことでありました」

これは、公式訪問先のオランダでの天皇陛下のお言葉の一節です。
このニュースを伝える NHK のアナウンサーは「りょうこく」と読んで
いましたが、天皇陛下の発音は「りょうごく」でした。


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 29日 月曜日 11:29:09)

>日本人の発音する「じてんしゃ」を英語のネイティヴが「じでんしゃ」と
>聞き取ってしまうのは、日本語の [t] と英語の [t] とは厳密には異なる
>というところに問題があるのかもしれませんね。

それもあると思いますが、それでは英語のネイティヴが発音する「Right now」
を日本人が「ライドナウ」と聞き取ってしまう、というようなことを説明でき
ない気がします。

その国のネイティヴには「綴り」の意識があるけれど、外国人はそういう先入
観なしで聞き取るということも一因ではないでしょうか。


面独斎 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 30日 火曜日 2:52:59)

「right now」を「ライドナウ」と聞き取ってしまうことなんて
まずないと思いますが……。

>その国のネイティヴには「綴り」の意識があるけれど、外国人はそういう先入
>観なしで聞き取るということも一因ではないでしょうか。

なるほど、それも大きな要因であると言えるかもしれません。
しかし、そうなると、逆に日本人には先入観というか英語の知識があるために、
しかもそれが中途半端な知識であるために、「right on」が「ride on」に
聞こえてしまうのだと考えることもできるのではないでしょうか。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 30日 火曜日 20:53:50)

 面独斎さん
>>これは、公式訪問先のオランダでの天皇陛下のお言葉の一節です。
>>このニュースを伝える NHK のアナウンサーは「りょうこく」と読んで
>>いましたが、天皇陛下の発音は「りょうごく」でした。

昭和天皇も「りょうごく」と発音していたと思います。見坊豪紀
「ことばのくずかご」で見た記憶があります。もっとも、今、調
べがつきません。超無責任発言で、失礼いたします。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 5月 31日 水曜日 10:13:52)

「じでんしゃ」ですが、聞こえる、というレベルではなく、そのつもりで発音している人が沢山居ます。

この「じでんしゃ」には、「電車」からの類音牽引(語源俗解までは行ってないと思います)もあるのではないかと思います。

「りょうごく」が出て来るのは少なくとも2つの道筋が考えられるように思います。

一つは古いものの名残。これは「両」の字音が末尾にngを持っていることから次の音を濁らせたもの(連濁)であろうと考えられます。それが現在にいたるまで残存しているわけです。国技館のある「両国」はそれでしょう。「王国」を「おうごく」と読むのもそうかもしれません(五木寛之氏は自著『風の王国』を「おうごく」と読みます)。

次に、「出国」を「しゅつごく」と言う人が居ますが、それと同じようなもの。これも連濁と言えば連濁なのですが、さっきのものとは違って、直前の音によるものではなく、語構成による連濁です。「山」が複合語の後ろに来た場合、「ざん」になりやすいように、「国」も「ごく」にしてしまう人があるわけです。

天皇家の場合には、古いものを残そうとしているような気がしますが。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2000年 6月 04日 日曜日 0:36:55)

関西人は、とかく(1)清音を濁ったり、(2)逆に濁音を清音にしたりします。
(1)の例としては、最初に話題になった「自転車(じてんしゃ)」が「じでんしゃ」、「キャスティング・ボート」を「キャスティング・ボード」、野球の「バント」を「バンド」、「バッティング・ケージ」が「バッティング・ゲージ」、「アボカド」が「アボガド」、「体育大会(たいかい)」を「体育だいかい」「勇者(ゆうしゃ)」が「ゆうじゃ」、地名の「蓼科(たてしな)」が「たでしな」、「自治省(じちしょう)」が「じじ(ぢ)しょう」、「地方自治(ちほうじち)」が「ちほうじじ(ぢ)」などがあります。

(2)としては、この間のバスジャック事件で、地元(おそらく広島)のアナウンサーか記者が「ハザード・ランプ」を「ハザート・ランプ」と言っていました。また「大きい」の意味の「ビッグ」が「ビック」、「ベッド」が「ベット」、「バッグ」が「バック」などがあります。

また、(3)として半濁音が濁音になりケースもあります。
これは「ギプス」が「ギブス」、「ジャンパー」が「ジャンバー」、「デパート」が「デバート」など。

(4)として濁音が半濁音になるケース。(3)の逆です。これは、アメリカ大リーグのあの有名な「タイ・カッブ」が「タイ・カップ」。(これは関西人に限ったことではありませんが。)

原因として考えられるのは、似たような発音の他の単語に引きづられる事(ボートとボード、ケージとゲージなど)と発音しやすい方を使うと言うことではないでしょうか?特に外来語に多いように思えます。

ちなみに、韓国料理の「ビビンバ」は、本格的な店に行くと「ビビンパ」と半濁音になっていることがありますが、どっちを採用すればいいのでしょうかね?(4)のケースでしょうか?

また、昨日出張で行ってきた青森県では、8月初旬に青森市が「ねぶた祭」を行い、お隣の弘前市では同じ時期に「ねぷた祭(半濁音)」を行っていますが、双方「こっちが本家」と譲らないそうです。

「日本」を「にっぽん」というか「にほん」というかも、もしかしたら関連があるのでしょうか?

「王国」「出国」「両国」は連濁の分野ですよね。「じでんしゃ」とは(関連はあるけれでも)ちょっと違うような感じもします。

また「3回(かい)、3階(がい)」「3件(けん)、3軒(げん)」は確かにそういうふうに使い分けています。
単なる連濁ならば、どちらも濁っていいはずですよね。言われてみれば不思議です。

ちょっと、とりとめがなくなって、すみません。


ののまる さんからのコメント
( Date: 2000年 6月 05日 月曜日 15:11:11)

道浦さんの(1)の例は、文字の読みに引かれたり、連濁が起こったで説明できるものが多いと思います。

「バッグ」を「バック」と言ったりするのは、濁音を詰まらせるのが発音しにくい、もっと言えば本来の日本語にない音連続というのがあると思います。

「ビビンバ」は、韓国語の原音が [pibim'pap] で、しかも音声学的に日本語の清音・濁音(・半濁音)と対応する音がないので、聞いた感じでどっちにも聞こえるからでしょう。
韓国語の子音対立は、平音(無気音、聞いた感じは日本語の清音と濁音の中間、語中では有声音)、激音(有気音)、濃音(のどが詰まる感じの音、日本語の「っ」の後の子音がちょっと似ている)の3対立で、日本語の清音・濁音とぴったり同じに聞こえるのがないのです。

「ねぶた」「ねぷた」の違いは、語中で「じ・ず・び・ぶ」が無声化して「ち・つ・ぴ・ぷ」になる音声現象の有無によるものです。
この現象は北関東や北東北の各地で見られるもので、例えば私の郷里(茨城県中部)では、「ざぶとん」を「ざぷとん」、「いちじかん」を「いちちかん」と言います。


面独斎 さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 05日 日曜日 4:16:47)

シドニー・オリンピックのトライアスロンの中継放送で、同じアナウンサーの「自転車」の発音が「じてんしゃ」に聞こえたり「じでんしゃ」に聞こえたりするということがありました。早口の発音や丁寧でない発音(つまりは通常の発音?)では、「じ」に同化(有声化)して「て」が「で」になってしまうということはありそうですね。本人は「じてんしゃ」と言っているつもりでも、結果として「じでんしゃ」になってしまうというわけです。

以上は本人が「じてんしゃ」と思い込んでいる場合の話ですが、以下は本人が「じでんしゃ」と思い込んでいる場合の話です。

(1) 個人的思い込み

岡島さんのおっしゃる「電車」からの類音牽引も個人的思い込みということになるかと思いますが、「電車」が関係しているか否かを別にしても、個人的に「じでんしゃ」と思い込んでいる例を私は知りませんので、可能性は否定できないとだけ申し上げておきます。

(2) 社会的思い込み

社会的思い込みとは一体何のことかと言われそうですが、要するに「方言」です。沢辺さんがすでに「富山では『じでんしゃ』は普通に使うと思う」と発言していらっしゃいますが、私も富山県出身なのでよく分かります。ただ、そういうことを主張する専門家がいないために方言とは見なされにくいキライがあろうかと思います。そこで、ここで声を大にして主張しておきます。富山方言では「自転車」を「じでんしゃ」と発音するのです! 他の方言ではどうなのか知りたいところです。

以下余談。私自身は、小学生のときに共通語との違いに気付き、「じでんしゃ」から「じてんしゃ」に転向した軟弱モノです (^^;)。
私は学生時代(1981年春から1987年春まで)を京都で過ごしたのですが、京都では「じでんしゃ」はおろか「じてんしゃ」すら聞いた記憶がありません。周りも自分もみな「チャリンコ」と言ってました (^^;)。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 06日 月曜日 14:25:51)

>「電車」からの類音牽引も個人的思い込みということになるかと思いますが、
いえいえ、個人的思い込みだけでそのように広がるとは思っておりません。発生の状況としてそう考えました。まあ、社会的に広がって行く背景には個人的思い込みの積み重ねもあずかる、とも思いますが。デンシャという語形が在るから、ジデンシャという語形も安定する、という感じです。

以下は、面独斎さんへの反応と言うわけではありませんが、
「じてんしゃ」と発音しているつもりでも「じでんしゃ」と聞こえることがあるわけですから、「じでんしゃ」と発音している(つもりな)のを聞いても、「じでんしゃ」を知らない人には「じてんしゃ」と聞こえる。ジェーンシャというような崩れた発音を聞くと、ジテンシャ派にはジテンシャと聞こえるし、ジデンシャ派にはジデンシャと聞こえる。
「わが生涯にジデンシャを聞いたこと無し」というのも、そういう事情を考えて聞くべきでしょう。

ちゃりんこは以下にも。

ちゃりんこ


面独斎 さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 08日 水曜日 8:12:03)

> 発生の状況としてそう考えました。
> デンシャという語形が在るから、ジデンシャという語形も安定する、という感じです。

そういう意味でしたか。読み取れませんでした。「そのつもりで発音している人が沢山居ます」というのと「電車」からの類音牽引とを直接結び付けて、個人的に思い込んでいる人が同時多発しているという意味の発言と解釈してしまったのでした。そのために大仰にも個人的思い込みと社会的思い込みとに分けて記述してみたのですが、あまり意味のない仕儀となってしまいました。

ただ、ジデンシャという語形のデンシャとの関連については私は懐疑的です。富山方言に関して言うと、「濁音化」をしやすくするような何らかの力が方言自体にあって、それが発生と安定とに作用しているのではないかと考えています。


岡島 さんからのコメント
( Date: 2001年 6月 05日 火曜日 15:27:07)

『どつきどづかれ』というタイトルの本を見ました。「どつきどつかれ」でも「どづきどづかれ」でもないのです。面白いですね。

bk1


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 21日 金曜日 17:09:53)

> また、(3)として半濁音が濁音になりケースもあります。
> これは「ギプス」が「ギブス」、「ジャンパー」が「ジャンバー」、「デパート」が「デバート」など。

「デパート」を「デバート」と言ったというこの子はどの地方の出身だったでしょうか。

 久しぶりにデパートへ行った。バーゲンの真っ盛りで大変な混雑だった。
 小学校の時、デパートを「デバート」という子がクラスにいた。
 「デパートだよ」
 「デバートだよ」
 もっともわたしは、秋葉原(あきはばら)を「あきばはら」と思い込んでいて、何度も彼に訂正されたのだから、おあいこだが。〔落合恵子・午後の居場所で〕(朝日新聞 2000.01.26 p.16)
なお、秋葉原は「アキバハラ」が本来だと聞きます。古いテレビ番組でもこのように。
〔警視庁刑事部捜査第三課すり係・曽根正人警部補(当時)〕「総武線のアキバハラと」(「NHKアーカイブス」2001.09.09 23:50=NHK「ある人生・すり係警部補」1965.07.25の再放送)


佐藤 さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 21日 金曜日 18:04:15)

  
「1890年(明治23年)に(中略)駅名は「秋葉原(あきはばら)」と名付けられ、その名前が一般化し」

との記述がありました。↓
【プロローグ】 秋葉原(あきはばら)の由来 


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 22日 土曜日 18:52:53)

「あきはばら」の定着はずいぶん古いのですね。私も1965.07.25の時点で駅名が「あきばはら」だったとまでは思いませんが、当時の中(老)年男性が「あきはばら」と発音しているのに注意が向いたのです。

俵万智『俵万智のハイテク日記』(朝日新聞社、手元になし)には、担当編集者が何度も「あきばはら」と言うので、私(俵万智)が「あきはばら」が正しい、と教えてあげた、というエピソードが出てきたと記憶します。これにさらに追記があり、実は「あきばはら」が本来ということを知った、担当さん、ごめんなさいということが書いてありました。

老作家(石川淳??)が「あきばのはら」と発音していた、という話もどこかで読んだような読まないような気がします。あやふやですみません。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 22日 土曜日 18:56:05)

↑上記意味不明の文章になりました。訂正。

× 当時の中(老)年男性が「あきはばら」と発音しているのに
○ 当時の中(老)年男性が「あきばはら」と発音しているのに


佐藤 さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 22日 土曜日 20:16:36)

あくまで参考用のリンクでして、言葉が足りず、すみません。

東京のネイティブの人たちが本来の言い方を長く保存し、そうでない
(=東京やその近郊以外の?)人たちが、本(時刻表など。古くは
時間表?)などで、いわば、観念的に「あきはばら」を覚えていった
可能性がありそうだな、と思ったのです。

類例:三厩村


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 13日 土曜日 16:39:58)

「両国」を「りょうごく」に関連しまして、「全国」を「ぜんごく」と読む録音がありました。ニュースの中で労働組合の幹部が声明文を読み上げているものです。

「われら二百六十万の、全炭鉱労働者は、二月一日、午前零時を期して、ゼンコ゜ク一斉にゼネストに突入し、断乎として闘うことを宣言する」
(NHK「NHK特集アンコール・激動の記録 第3回」1991.07.31放送〔もとは、日本ニュース55号 1947.01?「二・一ゼネスト迫る」〕)


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 15日 月曜日 16:51:26)

アナウンサーでは少ないと思いますが、「出入国」を「しゅつにゅうごく」と濁って読む人を時々見掛けます。「出入獄」かと思ってしまいます。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 24日 日曜日 21:32:59)

「デパート」を「デバート」という例、「言語生活」1958年に報告があります。

ある常識家――デパートをデバートと言うのと同じ。
(「言語生活」1958.02掲載=佐竹秀雄編『言語生活の目』筑摩書房 1989.07.20 p.116)


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 10月 13日 月曜日 12:39:15)

「ジャンパー」を「ジャンバー」。(『大辞林』には〔ジャンバーとも〕。)荻窪南口仲通り商店街。2003.10.12

Sale
ジャンバー
5.000エン
    均一


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 10月 16日 木曜日 08:27:24)

運動大会=うんどうだいかい、勇者=ゆうじゃ
など。耳にしたことがあります。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 11月 11日 火曜日 06:23:22)

「レコード大賞」を「だいしょう」と言う例です。

本年度レコードダイショー(大賞)を取られました、「こんにちは赤ちゃん」の梓みちよさん。〔江利チエミ発言〕(NHK「紅白50回・歌は時代を語り続けた〜昭和編〜」1999.12.26=NHK「第14回NHK紅白歌合戦」 1963.12.31の再放送)


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 03日 水曜日 23:25:40)

 柳田国男氏は、自分の名前をヤナギタと読ませる、というのは知っていましたが、「ほとんど」のことを「ほとんと」と書く、というのは知りませんでした。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 05日 金曜日 11:29:49)

自転車を「ジデンシャ」と濁ることも。


posted by 岡島昭浩 at 16:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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