2000年05月25日

何気に(森川知史)


最近の若者の言葉で気になるものに、「何気に」というのがあります。
「何気なく」という意で使うようですが、これについてどう思われますか?

その他に、「きもい」(気持ち悪い)や「きしょい」(気色悪い)が気になります。新たな表現を産み出すというのでなく、言葉を端折る・縮めるというやり方ですが、これがやがて元来の言い方を駆逐しそうな勢いを感じるのですが。



Yeemar さんからのコメント

( Date: 2000年 5月 26日 金曜日 21:06:00)


「なにげに」は、とりたてて〈無〉という意味を明示する必要を感じ
なくなったところから生まれたのではないでしょうか。

似た例として、「なのめならず」(並々ならず)というべきところを
「なのめに」とした例があります(御伽草子など)。
「なのめならず喜びで」というかわりに「なのめに喜びて」というわ
けです。意味は〈非常に〉ということですから、とりたてて〈無〉と
いう意味を明示する必要はない、そこで「ず」が省略されたのでしょ
う。(線条的に文の論理を追ってゆくと、オカシクなるけれど。)

逆に〈無〉の意味を強調したいときには、「雪に変わりはないじゃな
し」(雪に変わりはない、の意――「お座敷小唄」)と、「ない」を
2回繰り返すことがあります。

朝日新聞では、記者が驚いていました。

  「岩波国語辞典」をのぞいて驚いた。
  「何気」の項目で、「何気(も)ない」の意味を説明したあと、
 「これの副詞的用法『何気無く』を『何気に』というのは一九八五
 年ごろからの誤用」とある。
          (朝日新聞夕刊「単眼複眼」1995.03.14 p.9)

野村雅昭『日本語の風』(大修館書店)では1992.5の記載のある章に
「なにげに」についての言及があります。

「さりげに」も見たことがあります。

          Color & Move
  さりげに魅せる カラーとムーブ
     〔ZOTOS '99 Spring & Summer New Hairline Campaign〕
      (美容室Parco21〈新宿区喜久井町〉の店頭ポスター
                      1999.06.26採集)



言魔 さんからのコメント

( Date: 2000年 5月 27日 土曜日 18:43:58)


私が都内にあるT社にて働いている頃、その社員が使っていましたから「最近」では
なく、既に一昔前の言葉ですね。(T社を辞めたのが平成2年ですから..)

言葉を端折るという意味では「モボ」「モガ」などもそうですし、特に最近の風潮では
無いような気がします。ただ、最近の風潮としてはその傾向が特に目立つと言う事は
私も感じております。

ちなみに、私の解釈では「さりげなく」→「なにげなく」→「なにげに」と変化した
「なしくずし型」と拙ページにて一昨年述べました。

言葉のよろずや



taijaS さんからのコメント

( Date: 2000年 6月 14日 水曜日 18:52:57)


拝見しました。年輩者ではありませんが、私も最近ではけっこうなにげに使っていたりします(笑)。
若い人たちの使い方を注意して聞いていると、この語はかなり広範囲な意味を担うようですね。「なにげなく」「さりげなく」の他にも、「何の気なしに」「無意識に」「期せずして」「意外に」等々と置き換えられそうなものも多々あるようで。
言魔さんの頁に挙げられた

> 「○○になにげに聞いてみて」等と使います。

のようなものは、「それとなく」に近い用法ですしね。


posted by 岡島昭浩 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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