2000年11月15日

癒し系、ビジュアル系(小駒勝美)


癒し系、ビジュアル系、渋谷系、スライム系(ポケモンの分類)
「系」の字はどんな言葉の後ろにもつくようです。
「何々の仲間」「何々の類」という意味だと思います。
国語辞典には「系」のこの種の用法は見つかりませんでした。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 2000年 11月 15日 水曜日 16:21:20)


 関連するようなしないような話題で恐縮ですが、大学時代(1979-82)、合唱団に入っておいました。そこでの言葉で、指揮者やパートリーダーなど、音楽担当の世話役といいますか、そういう人々を、「音系(オンケイ)」と呼んでいたのを思い出しました。実務の人々は「情宣団」「渉外団」と「団」でした。

「複雑系」ってのは、どうして「系」なのでしょう。
あとセイタイケイが「生態・系」なのか「生・体系」なのか、すぐわかんなくなります。



言魔 さんからのコメント

( Date: 2000年 11月 15日 水曜日 21:20:50)


はい、これも、ワタシ、大分前から気になっていました。
何かというと私は「体育会系の人」と言われるのですが、実際に体育会に所属していた
忌まわしい過去があるわけで、今でもそれを引き摺って生きているんだから「体育会の人」で
あって、「系」はつかないだろうと思うんですが...
10年ほど前、職場の若いモンが弁当を買いに行く事になって「言魔さん、カラアゲ系で
いいですか?」と言われたので、「じゃ、そのカラアゲ系」と頼んでおいたら、カラアゲ
弁当を買ってきたので、「系はどうした!系は?!」とどやしつけた記憶が...

言葉のよろずや



小駒勝美 さんからのコメント

( Date: 2000年 11月 16日 木曜日 16:23:19)


「複雑系」の「系」は「システム」の略ではないでしょうか。

「体育会系」などの「系」に意味がないというのは気がつきませんでした。
もとは「文科系」のクラブに対してついた名だと思うのですが。「文科系」の
「系」に引っ張られて「系」がついたのではないでしょうか。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 2000年 11月 19日 日曜日 20:06:26)


なるほど。考えてみれば、生態系も「生態の体系」なんですね。太陽系の系もそうですね。「-系統」「-より」「-派」というようなものしか考えていませんでした。



小駒勝美 さんからのコメント

( Date: 2000年 11月 22日 水曜日 17:19:55)


平凡社『世界大百科事典』によると「太陽系」は「solar system」の略語だ
そうです。
「ソーラーシステム」というカタカナ言葉は太陽熱の利用という意味に使わ
れていますが、ほんとは太陽系という意味だったんですね。驚きました。

ほかにも、水系(drainage system)、山系(mountain system)、生態系
(ecosystem)、単位系(system of units)、神経系(nervous system)、
複雑系(complex systems)と「システム」がいっぱい出てきました。



たけち さんからのコメント

( Date: 2000年 11月 22日 水曜日 21:36:35)


小駒さんの仰る通り,「系」は「System」の略だと私も思います。

英語のSystemは,非常にいろんな使い方をされる語ですが,
「(意味ある)ひとまとまりになっているもの」
というのが元々の意味のようです。

このsystemの日本語訳として
「〜のシステムに属する人・もの」という意味で
「〜系」という使い方をすることは学術論文等でもあります。

これが転化していって,最近よく使われる
「〜の範囲に入る,〜に分類される」という意味の
「〜系」になったのではないかと私は思っています。

ところで,複雑系の訳語(というか原語は)
complex systemsではなく,complexityと記憶しているのですが…。
(complexityを「複雑さ」とか「複雑性」などと翻訳するよりも
「複雑系」と訳した方が学問的な広がりがあるから,
わざわざ「複雑系」と日本語訳をつけたとのコメントを
どこかで見た記憶があったのですが,誰かご存知ありませんか?)



岡島 さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 01日 金曜日 16:29:23)


 「〜系」について、小林信彦『超読書法』によれば、ラサール石井の本に、とんねるずが広めた言葉であるとあるらしい。ことばを広めながらも流行語(自分の持ちネタ?)にしてしまわないところが彼ららしい、と。

ことばの話290「出会い系サイト」



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 07日 木曜日 17:25:59)


 上記の補足。文春文庫『〈超〉読書法』の207頁。「気が滅入ったときに読む本の数々」の章。
 「ラサール石井の平成のお笑い人 笑うとは何事だ!」(徳間書店)を評して、

彼らの造語感覚(「そこまで言う」「〜系の」「ツーショット」その他いろいろ)に注目し、それらを流行語にしようとしていないのが凄い、と書いたのはラサール石井が初めてだ。



岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 14日 日曜日 01:20:10)

「癒し系」に加えて「なごみ系」というのがあるが、これは「なごませ系」でなければおかしい、と学生さんが書いていました。



booko さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 14日 日曜日 02:58:19)

「系」を、いわゆる「とか弁」のように、本来の意味をぼかす形で使っている

例を見たことがあります。


メールをもらって意味がわからない部分があったので、「〜ということ?」と

聞き返すメールを出したところ、その返事が

「間違えた系です。」

でした。

間違えたことに対する照れ隠しなのでしょうか。

なんとなくそういう系統に属するものです、とすることでハッキリした断定を

避ける効果があるのかな、と思いましたが、ここまで使い方が広がると

やはり不自然には感じます。



pote さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 15日 月曜日 18:13:11)

揚げ足を取るつもりはないのですが


>「太陽系」は「solar system」の略語だそうです。


>小駒さんの仰る通り,「系」は「System」の略だと私も思います。


この「略語」「略」は正常な使い方ですか?

私は、省略した言葉の意味だと思っているのですが?


此処のような識者の集まる場所で、どなたも指摘されていない

のは正しい使い方だからですか?



hiroy さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 16日 火曜日 09:08:25)

コンピュータ業界では「基幹系」「勘定系」「情報系」といった用語が使われています(通常、勘定系は基幹系に含まれます)。私は、これらの「系」は「太陽系」と同じく「system」の意味で使われていると思っているのですが、実際には「基幹系システム」や「勘定系システム」といった言葉もよく使われています。これらは重言でしょうか。

英語では以下のようになると思います。

・基幹系(システム):Mission critical system

・勘定系(システム):Financial/Accounting system

・情報系(システム):Information system


poteさん

おそらく「略語」→「訳語」、「略」→「訳」の誤りではないかと思います。



hiroy さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 16日 火曜日 09:11:40)

平成ことば事情のURLが変更になっていました。

平成ことば事情:ことばの話290「出会い系サイト」



NISHIO さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 16日 火曜日 09:50:25)

「系」は「system」の訳語であり、「系統」「体系」の略語でもあり…の混交系かと思いました。


中国語では「system」は「系統」ですね。「Operating System」は「操作系統」、台湾では「作業系統」。



道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 16日 火曜日 15:44:16)

「月刊言語」2004,4月号(今、手元に届きました)の116ページ、「言語空間」という読者のページに郡山市の大竹新という人が、まさに「『〜系』という言い方」というタイトルで1ページ書いています。


posted by 岡島昭浩 at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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