2001年06月13日

「丸」と「丸々」(道浦俊彦)


「丸1年」「丸1か月」「丸1日」などで使われる、接頭辞の「丸」ですが、「丸かじり」「丸木」のような「丸」ではなく、あとに時間の単位が来る場合に関して、数字の「1」はいいと思うのですが、「1」以外の数字はどうでしょうか?
「丸2年」「丸3ヶ月」「丸4日」などです。(「丸4日間」のように、後ろに「間」がついた方がいいのかな?)

また、あまりにも短い時間の単位(分、秒)は、「丸」となじまないように思います。(例・丸1秒、丸3分)

「丸○時間」はどうでしょうか?「丸1時間」「丸2時間」「丸3時間」「丸4時間」・・・・。

また「丸々」と「丸」の違いは?私は、「丸々」は、話し手の心情が含まれるような気がするのですが、いかがでしょうか?



Yeemar さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 13日 水曜日 21:21:33)


とりあえず『日本国語大辞典』によれば、二葉亭四迷「浮雲」に「全(マル)半歳」、漱石「坑夫」に「丸六年」とありますから、「まる1年」にかぎった話ではないようですね。

また、「まる」は「あしかけ」に対することばであるようですが、「あしかけ」の使える日、週間、月、年などの期間ならば「まる」も使えそうです。「まる1時間」は、さていかがでしょうか。

「まるまる」は「まる」のたんなる強調表現で使われる場合と、「まるまる3万円をどぶに捨てた」のように、期間を表さず「まる」では言い換えられない場合があるようです。この場合、「損する」「費やす」「捨てる」などの動詞と親和性が高いようです。そこで「工事にまるまる1カ月を要した」など期間をいう場合にも、なんだかずいぶん出費もかさんで損したようなニュアンスが出るのではないでしょうか。



Yeemar さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 13日 水曜日 21:24:52)


上記3段落目の「〜ようです」というのは、卑見であり、「〜気がする」というほどのつもりで申しました。



かねこっち さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 13日 水曜日 22:15:26)


>「まる1時間」は、さていかがでしょうか。

「まる」も「まるまる」も「あきれるほど」度がすぎていれば使えるような気がします。

 「ざる蕎麦一枚食うのにまる一時間」

なんてどうでしょう。
歩く時間やスピーチの長さなんかでも使えるのではないでしょうか。
また、ある事柄が、十数秒くらいで完了してしまうことが通念として了解されていれば、「まる1分」も場合によっては可能ではないでしょうか。
うまい例が思いつきませんが、

 「その長い長いマッチは燃え尽きるのにまる1分ほどはかかった」

昔、私の友人にビールを大量に飲んでも全くトイレに立たず、帰りの夜道で「まる3分」ほどの大放尿をする男がいました。(まあ、3分はあきれた私の錯覚で、実際はもっと短かったのかもしれませんが)



後藤斉 さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 13日 水曜日 22:20:09)


「丸一分」の使用例

Google 「丸一分」



後藤斉 さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 13日 水曜日 22:21:39)


上のリンクはGoogleでなく、kensaku.orgでした。失礼。



後藤斉 さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 13日 水曜日 22:28:15)


「丸々一分」「丸まる一分」「まる一分」「丸1分」「丸々1分」「丸まる1分」
「まる1分」もそれぞれ数例あるようです。



後藤斉 さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 14日 木曜日 11:36:21)


「極めつけは「Time Between Frame」というチャンネルの間の信号に至っては0Secから1Secまでとまるまる1秒間の余裕があるのです」
100万分の1秒単位で考えている場合には、1秒でさえ極めて長い時間なのでしょう。

DMX512



Yeemar さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 14日 木曜日 22:33:26)


すでに用例をいくつか見たために予断をもってしまいましたが、「まるまる」はかなりフレキシビリティがあり、「まるまる1秒」も〈あり〉か、と思います。期間にあらざる「まるまる3万円をドブに捨てる」などが成立するぐらいだからです。

いっぽう、「まる1分」という例は、〈「まる」は「あしかけ」に対する〉という辞書の説明を見てしまった目からすると意外な感じがします。



道浦俊彦 さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 16日 土曜日 10:48:43)


Yeemarさんによると、「損する」「捨てる」などどちらかというと否定的なニュアンスの動詞と親和性の高い「丸々」ですが、では、
「大きなスイカを丸々1個くれた(食べた)」
のような場合は、肯定的なニュアンスで使えると思いますが。
これは「そんなに丸々1個くれるとは(食べられるとは)思わなかった」という否定的な考えが、裏に潜んでいると考えれば良いのでしょうか?



道浦俊彦 さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 16日 土曜日 17:38:50)


「丸1時間」という時に、アナログ時計の長針がぐるっと1周するのをイメージするのですが、関係ないですかね。「丸1分」だと秒針が1周します。「丸1秒」だとカタッと動くだけで、やはり「丸(まる)」の感じがしません。
またデジタル時計では、イメージできませんね。
あくまでイメージの話ですが。



Yeemar さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 16日 土曜日 19:26:46)


道浦さん
>「大きなスイカを丸々1個くれた(食べた)」
>のような場合は、肯定的なニュアンスで使えると思いますが。

おっしゃるとおりで、「損する」「費やす」「捨てる」と親和性があるとしたのは、内省が足りなかったと思います。「まるまる3万円自分のものになった」でもいいわけですから。私がマイナス思考であることが実証されただけのことかもしれません。

CD-ROM「新潮文庫の100冊」で「まるまる」「丸々」を検索してみました。すると十数例出てきましたが(「まるまると太る」などは除外)、「捨てる」が1例、「損する」「費やす」は出てきませんでした。これだけでは親和性は証明されません。

---(以下結果)---
【1】〈「まるまる」+期間(三日間など)+述部〉型
述部に来る語句:
いやな思いをさせた/かかる/かかった/吹奏を聞かしてくれた/つぶした/トロイア発見の仕事にたずさわった/熱にさいなまれた/待っている/見なかった/休みであった/わめきちらした

【2】〈「まるまる」+所要時間+述部〉型
次の1例でした:
まるまる二十四時間目に、やっと郷里へたどりつくことができた

【3】その他
相手にしてはくれず/インディアンに見える/食っちまう/くれてしまう/捨てる



かねこっち さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 16日 土曜日 22:14:08)


ちょいと思い出しました。
小生運動不足解消のために水泳を少々やりますが、同じプールに来る方に
マスターズ水泳の上級者がいます。
その方々くらいのクラスになると競技大会などにおいて短距離の50m自由
形やバタフライなどでは記録1秒の差は全く違うレベルの差だそうであります。
ですから、練習に打ち込んで「半年で丸1秒縮めた」という言い方は充分な
実感を持って受け止められると思いますよ。
陸上の短距離競技なんかではもっと普通のことかもしれません。



かねこっち さんからのコメント

( Date: 2001年 6月 16日 土曜日 23:05:51)


さきほど、ジャマイカのボブスレーチームの映画をテレビで放映していたので思い出しました。
以前、日本のボブスレー・ルージュ協会という団体の関係者から伺った話ですが、ボブスレー競技の国際大会においては、上位の勝敗は千分の一秒の単位で競われるのだそうです。
入賞チームが百分の一、二秒以内に全ておさまるのはごく普通なこととの由。
しかるに我らが日本代表は「上位から約2秒遅れの○○位」ということで、まったくお話しにならない成績だそうであります。
上位の国であればタイム差「丸0.1秒」ということもいえるかもしれません。
(まあ、日本以外では「丸」っていわないでしょうが)
カーレースなんかでもありそうに思えます。


posted by 岡島昭浩 at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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