2001年07月24日

間髪・綺羅星・幽明境

 中日新聞2001.7.8(日)の書評欄に「幽明境の世界」とあり、おや、と思いました。大場みな子『ヤダーシュカ ミーチャ』(講談社)の書評(与那覇恵子)です。
 本文を読むと、「『夢かうつつか、うつつとも夢とも知れず』語られていく……まさに幽明境の世界である」とありまして、どうやら幽・明の狭間のことを幽明境とよんでいるのでありましょうか。

 「綺羅星の如く」が「綺羅星」という言葉をうみ、「間髪を入れず」が「間髪」と思われるように、「幽明、境(界)を異にする」も「幽明境」という言葉をうむのでしょうか。


岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 7月 24日 火曜日 10:48:30)

市王寺幻想「幽明境をなす」
シュテファン・フッソング アコーディオン・リサイタル「幽明境にふみまどう」
文献目録「幽明境イメージ」


「幽明界」ということばは中国語にあるのかな。
googleで「打出幽明界」というのが出ます。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 7月 24日 火曜日 13:34:51)

『日本国語大辞典』の「きら-ぼし」の最古例、「*車屋本謡曲・鉢木(1545頃)「のぼり集まるつはもの、きらほしのごとく祗候せり」」は実際の清濁はどうでしょうか。濁点が記載されている例は浄瑠璃・文武五人男(1694)。昭和天皇即位のニュースフィルム(1928.11.10)では

殿上の各段には文武の顕官キラボシのごとく並んで陛下の出御をお待ち申し上げています。
となっていました。音声で確認できる古い例ではないでしょうか。


益山 健 さんからのコメント
( Date: 2001年 7月 25日 水曜日 2:28:28)

中国語の例は, 閻魔に呼ばれた孫悟空が, あの世とこの世の間にある壁みたいなのを壊して帰っていった, というようなことではないでしょうか。
西遊記なら原文にあたって... と読んでいったけど, タイタニックと閻魔のノートパソコンがでてきたところであきらめました ^^;


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 7月 25日 水曜日 14:49:29)

「幽冥界」は「吾輩は猫である」、小栗虫太郎「人外魔境」にあるんですね(大辞林にも)。

ゼームスなどに云わせると副意識下の幽冥界(ゆうめいかい)と僕が存在している現実界が一種の因果法によって互に感応(かんのう)したんだろう。(「吾輩は猫である」)

そこは、天はひくく垂れ雲が地を這(は)い、なんと幽冥(ゆうめい)の荒涼たるよと叫んだバイロンの地獄さながらの景である。(「人外魔境」天母峰)
いずれも「青空文庫」より引用。

「幽冥界」(=冥界)と、「幽明、界を異にす」との混淆として、名詞「幽明界」が生まれる可能性を思います。一方、「幽冥界」の同義語として「*幽冥境」があって、そこから「幽明境」というルートもありうるかと思いますが、「幽冥境」は見つけていません。


岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 7月 25日 水曜日 15:37:41)

 ああ、「幽冥界」! 見落としていました。「幽明境」で辞書を引いた時には、「ゆうめいかい」は思い出せなかったのですが、ここの会議室に「かんぱつ・きらぼし・ゆうめいきょう」という題名で書こう、と思っているうちに、「かんぱつ・きらぼし・ゆうめいかい」と唱えている自分に気付き、「幽明界」だけ探したのでした。

 goo大辞林も、「幽明」と、漢字で引いたから出てこないわけです。


益山 健 さんからのコメント
( Date: 2001年 7月 25日 水曜日 19:30:41)

中国語の例も「幽明界」かもしれません。
もとネタ(西遊記第三回) には「牌上有三个大字,乃“幽冥界”。」とありました。

第三回 四海千山皆拱伏 九幽十類尽除名


益山 健 さんからのコメント
( Date: 2001年 7月 25日 水曜日 19:30:55)

中国語の例も「幽冥界」かもしれません。
もとネタ(西遊記第三回) には「牌上有三个大字,乃“幽冥界”。」とありました。

第三回 四海千山皆拱伏 九幽十類尽除名


posted by 岡島昭浩 at 10:31| Comment(1) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「ことばのメモ帳」で「幽明界」を取り上げておられます。
http://uratashima.seesaa.net/article/8736655.html
Posted by 岡島昭浩 at 2005年10月30日 01:39
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