2001年09月17日

肉骨粉

 昨夜のNHKスペシャルで、狂牛病の問題を取り上げていて、おそろしくなったのですが、ここではことばの問題。
 「肉骨粉」を、「にっこっぷん」と発音している人と、「にくこっぷん」と発音している人が居るように思いました。メインの人が「にっこっぷん」、ナレーターが「にくこっぷん」でしたか。

 「肉骨」の「粉」であれば、「にっこつふん」であるのかな、と思います。「肉の入った骨粉」であれば、「にくこっぷん」であるのかな、と思います。「にっこっぷん」は、そのどちらでもあろうとする読み方のように思います。

 「経産婦」が「けいさんふ」ではなく「けいさんぷ」と読まれるのは、「産婦」ということばがあるからだと思われますが、「肉骨粉」にも同じような事情が考えられるのか。

 また「にっこっぷん」という、促音入り音節の連続については、「赤血球・白血球」のことが思い起こされます。辞書に載る形、と言いますか、「丁寧な発音」では避けられるのではないか、というものです。それで「にくこっぷん」の言い方も出来たのか。

 などと、考えてしまいます。

 狂牛病のことはもちろん恐ろしいのですが、ことばも気になる私です。

赤血球・白血球


UEJ さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 17日 月曜日 23:23:45)

現在米国在住のため、「肉骨粉」という単語の発音を耳で聞いたことはなく、
ニュースサイトで漢字を見るだけなのですが、頭の中では「にくこつふん」と読んでいました。
「にっこっぷん」と聞くとNHKの子供向け番組を思い出してしまいます。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 18日 火曜日 10:36:57)

最初、原稿にはカタカナで「ニクコックン」と書いてありました。商品名だと思ってました。放送直前に「コックンではなくコップン」と訂正がありました。広辞苑をひくと、「骨粉」は「コップン」の見出しで出ています。本番では「ニクコップン、肉や骨の粉」と注釈を付けて読みました。


岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 18日 火曜日 11:49:50)

 その後、ローカルニュース(NHK)で、「にくこっぷん」という振りがなつきのものを見ました。

 やはり「骨粉」ということばがあるので、「肉+骨粉」と捉えられ、「にくこっぷん」となるのでしょう。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 19日 水曜日 16:49:16)

「ふ」か「ぷ」かということでは関連すると思いまして、こちらに投稿します。

これでまた、「歳末売り上げは絶不調か」と青ざめる業者もいたが、〔堺屋太一・今日とちがう明日〕(週刊朝日 2000.01.28 p.40)
「絶不調」、もともとは「絶好調」の反対語としてたわむれに言われ始めたものと思います。「盛り上がる」に対する「盛り下がる」の類でしょう。そのうち、普通の文章でも使われるようになるかもしれません。

検索エンジンで見ると「ぜっふちょう」のほうが「ぜっぷちょう」よりもやや人気があるかにみうけられます。

機械的に考えると、促音のあとなので「不」は「プ」となりそうなところ。禅問答の「一不審もて参る」はイップシンと発音するはずです。私が「絶不調」を読むとすれば「ゼップチョウ」。

しかし、否定の接辞であることを表示する機能を損なわないようにしようとすると、「ゼッフチョウ」もありでしょうか。

まてよと思い「ぜつふちょう」を検索すると、これもあります。

どうも、読めないことばのひとつです。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 19日 水曜日 18:28:38)

関西人は無声化が出来ないので、「ぜつふちょう」とい人が多いのではないでしょうか?促音が苦手なのです。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 20日 木曜日 15:39:15)

道浦さんが原稿などで「絶不調」を読まれるとすれば、どうお読みになるでしょうか。
俗語的なものの読みは、用語懇談会といったようなところでも取り上げないでしょうね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 21日 金曜日 16:57:23)

「ぜっふちょう」ですね。
用語懇談会では、俗語の使用は、「排除」「お叱り」の対象になっても、「おすすめ」の対象になることは、まずありません。まあ、若者後に理解を示す委員の方もいないことはないのですが。
ちょうど、今、その会議から帰ってきたところですが、「ウサマ・ビン・ラディン」の話や「稲垣メンバー」の話も出ましたよ。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 9月 21日 金曜日 17:28:25)

ありがとうございます。「ぜっふちょう」ですね。
実は、私の使っているFEP「ATOK11」でも「ぜっふちょう」で登録されているようなのです。
世の流れがもし「ぜっふちょう」だとすると、やはり否定の接辞としての「不」の語形表示機能を損ないたくないという心理からでしょうか。
「促音+ハ行」という連続は珍しいですね。


岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 06日 木曜日 12:32:49)

 そもそも「絶好調」は、「絶・好調」であるのか、「絶好・調」であるのか。どちらでしょう。(あるいは「絶好の好調」であるのか……先日の国語学会での接ぎ木語を適用)

 私は「絶・好調」であるのが「絶好」に引かれることもあり、ゼッコウチョウとなっていると思っていたのです。「絶不調」は「絶不」なんて言葉はないし、ゼツフチョウと読みます。ゼッフチョウというのは、敢えてゼッコウチョウから離れないように心掛けた言い方だと思っていました。

 ところで、このページを開いたのは、「稲垣メンバー」にコメントしようと思ったからです。サッチーは逮捕された途端、「野村社長」になりましたね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 06日 木曜日 15:10:53)

あれっ?野村容疑者になっていませんか?


岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 06日 木曜日 16:20:45)

 昨日のNHKニュースでは野村サチヨ社長と言っていたことがありました。最初、のむらさちおって誰だっけなァと思ったことでした。


posted by 岡島昭浩 at 13:46| Comment(1) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「絶不調」ですが、『三省堂国語辞典』第5版は「ぜつ ふちょう」で載っています。根拠は?

なお、集英社国語辞典・小学館日本語新辞典・デイリーコンサイス国語辞典・明鏡国語辞典・岩波国語辞典・新明解国語辞典・新選国語辞典の最新版を見ましたが、項目なしです。
Posted by Yeemar at 2006年02月23日 18:15
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