ローマ数字で、5は「 V」、10は「 X」、100は「 C」 、1000は「 M」というふうに書きますが、50を「L」と書くのはなぜなんでしょうか?また500を「D]と書くのはなぜなんでしょうか?
私見では、5を「V」と書くのは「10=X」の半分なので、「X]の上半分を表記した、と読んだことがあります。そこから考えると、「100=C」の「C」を半分に切ったら、下半分が「L」に見えるから「50=L」なのでは?と思うのですが。
しかし、「500=D」が分かりません。1000は「M」の代わりに「cIc(右側cの逆さま文字)」という表記も使われるみたいなので、その右半分だけを取ったら、「I」と「cの逆さま文字」をくっつけて「D」に見えるからではないか?とも思うのですが、いかがでしょうか?
そのあたり、ローマ数字の事情に詳しい方、ご教示願います。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 28日 日曜日 20:21:46)
小駒勝美さんが触れておられますね。
→ 漢数字とローマ数字
石猫 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 28日 日曜日 21:14:07)
ローマ数字については、以下のような由来があるようです。
(「はじめてのラテン語」(大西英文、講談社現代新書)より)
50を示す「L」以降は、全てギリシャの表記法が由来だそうです。
(1)「L」(50)は、ギリシャ文字「Χ」(カイ、アルファベットの「X」とほぼ同じ形)の異体字が変化したもの
(2)「C」(100)は、同じくギリシャ文字の「Θ」(シータ、英語の"th"の発音記号のような文字)の変化したもの
(3)「M」(1000)は、同様にギリシャ文字の「Φ」(ファイ、文字の形は道浦様の記載どおり)の異体字の変形(この変形はラテン語で1000をあらわす語"mille"に引きずられたものだそうです)
(4)「D」(500)は、道浦様の書かれたとおり、「Φ」の右半分
ということだそうです。
なぜギリシャか、というのが気になりましたが、イタリア半島南部を支配していたのがギリシャで、大きな数の表記法はギリシャから輸入されたもののようです。
豊島正之 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 28日 日曜日 21:36:48)
>cIc(右側cの逆さま文字)」という表記も使われるみたいなので、
>その右半分だけを取ったら、「I」と「cの逆さま文字」をくっつけて
>「D」に見えるからではないか?
御明察。
より正確に言えば、元はギリシャのハルキス(Chalcis)でΦ(ファイ)が
1000を表し、それが「cIc(右側cの逆さま文字)」となり、右半分
が500、更にそれが「D」と認識される様になった、との事です。
Lもハルキスの数字由来で、ラテンアルファベットとは無関係との事。
以上、下記よりの受け売り
Dilke,O.A.W(1987) Mathematics and measurement(British Museum) p.15
翻訳はオズワルド・ディルク著「失われた文字を読む〈9〉数学と計測 大英博物館双書」
として学芸書林から出ている様ですが、未見。
豊島正之 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 28日 日曜日 21:38:36)
重複失礼。
しかし、微妙に異説ですね。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 29日 月曜日 1:19:36)
皆さんさっそくのご意見、ご教示ありがとうございました。
ギリシャの影響ですか。
「はじめてのラテン語」は確か、我が家の本棚に有ったはずですので、見てみます。石猫さんのおっしゃるイタリア半島南部はギリシャが支配していた、というあたりは歴史の本を調べてみるとして、もしそうであるなら、つまりローマには大きな数字がなかったのに、ギリシャから大きな数字が入ってきたとするならば、ギリシャとローマの通貨単位の差(為替格差)があったのではないでしょうか?ギリシャのお金の方が価値があったので、 それをローマの通貨に替えるのに、大きな数字がローマ側に必要となったけど、ローマ数字にその大きさがなかったので、ギリシャ文字を借りたのではないか?なーんて思い浮かべたのですが。いかがでしょうか?