お尻が出っ張っていること、あるいはそういう人をを「出っ尻(ちり)」と言いますよね。もちろんこれは「出」プラス「尻」なのでしょうが、なぜ「でっしり」ではなく「でっちり」と「し→ち」へ変化するのでしょうか?他にもこういった変化のある語はあるのでしょうか?(あると思うのですが、すぐには思い付きません。)s→tへの変化は、変化しやすいように思いますが。
ちなみになぜこのようなことを考えたかというと、先日「けんか祭り」で有名な、大阪府岸和田市で、お祭りで担ぐ「だんじり」を「だんぢり」と表記しているのを目にしたことから、「これは”あり”だろうか?」と思ったのがきっかけです。「だんぢり」は、たんなる「じ」と「ぢ」の書き間違いかもしれませんが。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 08日 火曜日 22:07:15)
「s→t」というくくり方ではなく、「s→ts」ですね。促音のあとのサ行音がツァ行音になるのはよくあります。
「法師」が「ぼっち」とか。
江戸弁なら「まっつぐ」「おとっつぁん」とか。
促音のあとのハ行音がパ行音になるのと似てはいますが、ちょと違う。
また以前の「春雨」と似たような部分がなくもない。と書くと誤解を招くかな?
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 08日 火曜日 23:00:24)
「s→ts」ということは、「出尻」は「でっちり」ではなく「でっつぃり」ですか?つまり「ち」ではなく「つぃ」ということでしょうか?
イタリア語っぽくなってきましたね。
老婆 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 08日 火曜日 23:14:52)
>「s→ts」ということは、「出尻」は「でっちり」ではなく「でっつぃり」
>ですか?つまり「ち」ではなく「つぃ」ということでしょうか?
日本語に「つぃ」って音はないでしょ。
「s→ts」というのは「s→t」と書いてしまうと、例えば「し」が「てぃ」に
なってしまうと思われる・・・(というか・・・笑)
だから「でってぃり」じゃなくて「でっちり」ってことですよ。
「つぃ」ってなぁ心配はいりません。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 08日 火曜日 23:16:08)
いや、そういうご理解をなされるとは意想外でした。
サスィスセソではなくサシスセソであるように、ツァツィツツェツォではなくツァチツツェツォです。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 09日 水曜日 0:48:27)
いや、少し安心しました。
「タチツテト」
ta/ti/tu/te/to
のうち「ツ」が、ヘボン式と訓令式(でしたっけ?)で表記が異なり、(あ。「チ」も「ti」と「chi」で違いますね。)
tsu/tu
の両用可なので、つい、つられて促音の「ツ」ということで「ツィ」「ツォ」というふうに連想して
「ツァ、ツィ、ツゥ、ツェ、ツォ」
tsa/tsi/tsu/tse/tso
があるのかと。その語変化したのかも?と思ってしまいました。
それに「おとうさん」→「おとっつあん」にもつられました。
そう言えば、「ごちそうさん」→「ごっつおうさん」→「ごっつあん」もありますね。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 09日 水曜日 10:54:05)
「ごっつぉう」は一度書いて消しました。「ちそう」の「ち」が残って「つぉう」になったとも言えるからです。「ますぐ」とはその辺が違うので。でも「とっつぁん」は「ととさん」からですから「ごっつぉう」と同じですね。よく考えれば。
この話、ややこしいのですよ。サ行音の歴史が絡んできますので。昔、サ行音はtsa行音(t∫a行音)だったという。
私のコメントは、老婆さんのコメントを読む前に書いたものでしたので、「そういう」はもちろん、道浦さんのをさしています。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 10日 木曜日 19:02:29)
「出っ尻」の類例としては、
・ナマ+シロイ→ナマッチロイ
・クッ(?)+シャベル→クッチャベル(「クッ」がかりに「口」などと関係あるとすれば、適当でない例か?)
・ド+シラケ→ドッチラケ(萩本欽一)
などが思い浮かびます。
・チイサイ→チッチャイ
「浮世風呂」の「小{ちつさ゜}くなつて」とか、「素人狂言」の「形{なり}が小{ちつ}せ゜へが」(湯沢幸吉郎『増訂 江戸言葉の研究』所引)とかいう例は、湯沢説などによれば、「チッツァク」「チッツェー」ではなく「チッチャク」「チッチェー」なのでしょう。
・オブサル→オブッツァル(?)
これも「素人狂言」(同上書所引)から。「コウ寒さん、塩梅{あんべゑ}しておぶっさ゜んねへ」
「チッチャイ」から「ドッチラケ」のようなものまで語例を網羅した参考文献はあるのでしょうか。