『三省堂国語辞典』には第二版(昭和49年)から「ひじょうに高くて、けわしい山」という意味が載っています。
いくつかの小型辞典でも同様の意味を載せているのに、なぜか大型辞典ではブドウの品種としか書いてありません。
泰斗をたとえて巨峰ということもあると思うのですが、たんなる用例不足でしょうか。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 14日 月曜日 21:51:15)
『日本国語大辞典』の初版に次のようにあります。
アルプス(英Alps)(1)ヨーロッパ南西部にある大山脈。フランス、スイス、イタリア、オーストリアにまたがる。最高峰のモンブラン(四八一〇メートル)を始めとしてマッターホルン、ユングフラウなどの巨峰がそびえる。雪原、氷河があり、風光明媚(めいび)の地として世界的に有名。
第2版も「(四八〇七メートル)」となっているほかは同じです。説明文中で使った語を説明しないのは、見落としということになるでしょうね。
用例としては、比喩的なものが多いようですが、その中から一つ。山田忠雄『近代国語辞書の歩み』636頁で、落合直文『ことばの泉』を評した部分。
この本の辞書史上に遺した最大の功績は、語彙量の豊富に在る。(中略)又第二に、中辞典の巨峰として、克く後来の大型辞書、例えば大日本国語辞典の踏み台(乃至は叩き台)となった点に在る。これらの功は永久に没すべからざるものが有ると言ってよい。