1997年02月20日

「散灰・遺灰」によせて(Yeemar)

 わたくしも「クローズアップ現代」のこのくだりを聴きました。

 以下、連想ですが、「魚介類」はともかく「魚貝類」という用字が辞書に
載っていますが、「さんぱい」の類例とすべきものでしょうか。本家中国では
鱗介類という由ですが。「魚介類」「魚貝類」いずれが先なんでしょう。

 旧陸軍では猛毒のイペリット(マスタードガス)のことを「きい剤」と言っ
た由(毎日夕刊 1995.7.26)、「きい剤」は『日本国語大辞典』にもないけれ
ど、「黄剤」ではありますまいか。

 逆の例では「日本鰹鮪(けんゆう)協会」なる字幕スーパーをNHKテレ
ビで見た覚えがありますが、「硯友社」じゃないんだからこれはひどい。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1997年 2月 20日 木曜日 23:47:08)

 自己レスです。
 [登邑]小平氏死去のニュースで、「イハイは本人の希望で海にまかれることに
なっています」(NHK「ニュース11」)と言っていました。昨日の今日の
ことなのでおかしく思いました。もちろん位牌をばらまくわけではないでしょう。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1997年 2月 21日 金曜日 12:01:20)

 2/19へのコメント有難うございます。
 「ニュース11」でもそうでしたか。私は「ニュース9」でそう言ったような気がしたので、他局はどうかと思ったのですが、たしかニュースステーションでは「遺骨」という言い方をしていたようです。
 NHKでは「遺灰」という用語を認め、しかもイハイと読むと決めてしまったのでしょうかね。

 「魚介」は『日本国語大辞典』でも近代の例しか無いのですね。ちょっと意外ですが。
 「魚貝類」で思い出しましたが、「バイ貝」という貝があります。辞典には載っていなくて分からないのですが、私は京都でこれを聞いたのですが、まるで「貝」の音のバイのようで、変な感じでした。偶然の一致なんでしょうが。

 音読するともっともらしく聞こえるかもしれないが、わけが分からなくなる、というのは農業用語でよく言われることですが、漁業の方にもあったのですね。


岡島 さんからのコメント
( Date: 1997年 2月 24日 月曜日 13:07:41)

 朝日新聞のデータベースで調べて見ましたところ、
 「遺灰」は、1984.11.3の記事に、数日前に暗殺されたガンジー首相の「遺灰」が、ガンジスに流される、とありました。また数日後の記事には、同じく「遺灰」を、空からまく、ともあるようです。
 宇宙へのもの(新商売)は早く85.1.24に、やはり「遺灰」の語を使って報じられています。

 「散灰」については、91.2.11の記事が古いものの様ですが、読み方が分かりませんから、三省堂国語辞典の4版(1992.2.10)の「散骨」の項の「散灰サンカイ」のソースの方が古いのでしょう。
 おっと、「散骨」で検索するのを忘れていました。1分30円だからあわててしまいました。
 

 朝日新聞データベースは、1985.1からの記事、となっているのですが、1984.11の記事がヒットするということは、少しずつでも遡及入力しているのでしょうか。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1997年 2月 25日 火曜日 2:02:12)

 「散骨」は88年の記事が初めにヒットしました。タイトル数の推移は次の
ようです。
      88 =
      89
      90 ===
      91 =======================
      92 ==================
      93 =================
      94 ===============================
      95 ======
      96 ================
      97 =======

 なお、いろんなありふれた単語で検索してみますと、「84/08/04 東京夕刊」
がいつも初めにヒットします。
 蛇足的です。


益山 健 さんからのコメント
( Date: 1999年 9月 27日 月曜日 23:43:16)

鹿児島の火山灰を入れる「降灰袋」ですが, 先週帰省したときに「克灰袋」という名前に変わっていて驚きました。母の話では今年から変わったそうで, 重箱読みがおかしいなどの指摘があって, ドサクサまぎれに名前を変えてしまったらしいです。でも結局「こくはいぶくろ」と呼ばれているようです。

タイムずユリアン: ささいな思い けど大きな思い (1999-06-16)


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1999年 9月 29日 水曜日 16:12:48)

 NHKの見解にリンクするのを忘れていました。
「位牌」と「遺灰」が、文脈で判断出来る、というのは本当かなあ?。

NHKことばQ&A


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 22日 月曜日 20:11:58)

>> 逆の例では「日本鰹鮪(けんゆう)協会」なる字幕スーパーを
>>NHKテレビで見た覚えがありますが、「硯友社」じゃないんだ
>>からこれはひどい。

うろ覚えでしたが、ウェブで検索すると、「日本鰹鮪漁業協同組合
連合会」「全国近海かつお・まぐろ漁業協会」というのがみつかり
ます。字幕スーパーは前者だったのではないかと思います。

この漢字に「けんゆう」とルビが振ってあったのをたしかに見まし
たが、その後不安になってきました。ところが「言語生活」22
〈座談会・学術語はどうなるか〉(1953.07 p.6)に

村越〔司・地質相談所長〕 水産の講演会に途中から行ったら、
ケイソン漁業」としきりに言うんですね。統計の説明だけだ
ったのでその意味がどうしてもわからない。そこでだいぶたっ
て隣りの人に「けいそん」の意味を聞いたら、鮭鱒ですよ。
(笑)鮭鱒漁業には驚きましたね。こういうのが権威に裏づけ
られてひろまるからたまらない。

とありましたので、「けんゆう」もありそうだと思ったことで
した。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 08日 水曜日 9:27:24)

「言語生活」276 1974.9 p.77「ことばのくずかご」の一行情報

日本鰹鮪漁協連合会=日カツ連(「毎日新聞」7月17日17)
とあり。

上の「日本鰹鮪漁業協同組合連合会」と似ています。略語はニッカツレンでも、正式名称はケンユウか、カツオマグロか。テレビでは「カツオマグロ……」も聞いたことがあるような記憶が。アナウンサーの言い換えか。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 08日 水曜日 10:55:51)

どうも気になるので、千代田区の同連合会に電話。「はい、ニッカツレンです」と電話に出た女性に伺ったところ、もっぱら「日本鰹鮪(かつおまぐろ)漁業協同組合連合会」で、「けんゆう」とは称していないのだそう(「えっ、ケンヨウですか」などと聞き返したりし、思いもよらないという感じ)。「昔もそうだったのでしょうか」と重ねて質問すると、席を外してどこかに聞きに行って来、「はい、昔もそうです」とのご回答でした。

しかし私はたしかにTVの字幕で「けんゆう」というふりがなを見たのでしたが。幻か。ビデオなり写真なりに記録していないことが悔やまれます。


ののまる さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 08日 水曜日 14:11:51)

「鰹」を「けん」と読ませるのはともかく、
「鮪」の音は「い(ゐ)」ですから、何重にもおかしな読みですよね。<けんゆう

名古屋では「金鯱」を「きんこ」と読ませるそうですが...。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 21日 月曜日 13:51:59)

いちばん上の発言で

> 旧陸軍では猛毒のイペリット(マスタードガス)のことを「きい剤」と言っ
> た由(毎日夕刊 1995.7.26)、「きい剤」は『日本国語大辞典』にもないけれ
> ど、「黄剤」ではありますまいか。

と申しましたが、ここ数年のインターネットの発達は、この疑問に答えを示してくれました。

たとえば、「日本国際問題研究所」のニュースレター「遺棄化学兵器問題」では「きい剤」「あか剤」(くしゃみ剤)という単語が出てくるため、この「きい」は「黄」であることが分かります。ほかに、URLは省略しますが「きい弾」「あか弾」というのもあり、「黄弾」「赤弾」「青白弾」「茶弾」と漢字表記しているサイトもあります。

つまり「きい剤」は、「黄色」の「き」が長音化されたまま固定したおもしろい例ということができそうです。


三択ロース さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 14日 土曜日 00:19:57)

魚介類についてですが、読売新聞のコラム(2002/09/12付け朝刊「ひめくり」)で以下の解説がありました。

<引用>
〜・〜・ 魚介類 ・〜・〜
魚と貝だけではない

 「魚貝」と書くこともあるが、「魚介」が本来の表記だ。「介」は、「甲羅。から。また、えび・かに・貝の類」(角川現代漢字語辞典)の意味で、「魚介類」は、水産物全般を指す。「魚貝」では、魚と貝だけしか示さない。

 また、魚(ギョ)は音読み、貝(かい)は訓読みだから、「魚貝」は重箱読みだ。

 「介」の意味が忘れられ、「貝」と混同されて出来た書き方のようだ。とはいえ、国語辞典の多くは両方の表記を見出しに立てており、「魚貝」も間違いとまではいえないだろう。

要は「魚介⊃魚貝」ということのようですね。

http://www.yomiuri.co.jp/himekuri/list.htm


益山 健 さんからのコメント
( Date: 2004年 02月 19日 木曜日 03:45:21)

読売新聞のオンライン版に
海の異変、教えてあげる「貝リンガル」
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20040218i201.htm
の記事中では「貝(カイ)リンガル」となっているのですが, これじゃ
駄洒落にならないな, と思って検索したところ, 熊本日日新聞(2003-12-11)では
「バイ(貝)リンガル」になっていました。

「バイ(貝)リンガル」を目指して


hiroy さんからのコメント
( Date: 2004年 02月 21日 土曜日 03:47:13)

魚介類/魚貝類についてはNHK放送文化研究所のサイトにも解説がありました。
NHK放送文化研究所 ことばQ&A:魚介類? 魚貝類?

また、「遺灰」に関するページが移動していました。新しいURLです。
NHK放送文化研究所 ことばQ&A:「遺灰」の読み


posted by 岡島昭浩 at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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