7 形容詞と「です」としています。
これまで久しく問題となっていた形容詞の結びかた――たとえば「大きいです」「小さいです」などは、平明・簡素な形として認めてよい。
「大きゅうございます」ではあまりに面倒で、それに替わる言い方が無いので認められたのだと思います。それを受けて、というわけでも無いのでしょうが、外国人のための日本語の教科書ではこの言い方を教えています。この言い方を好まぬ日本人も居る、という説明は書いていないようです。
「大きいのです」と「大きいです」は意味が違いますし、「大きいです」を認めないと、形容詞の終りかたは困ってしまいます。
「大きいです」が舌足らずな言い方だと感じる人でも、「大きいですね」「大きいでしょう」は許容度が高いようですね。
そもそも、「です」が東京語に採用されたのが新しいことなので、こういう問題がおこるのでしょう。大槻文彦が書いた『口語法別記』がよく引用されるところです。
「大きいです」などの言い方は『金色夜叉』などにもあるのですが、「あるです」などの形もあって、現代共通語とは様相が異なっているわけです。
→ 「あさきゆめみし」
天野修治 さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 17日 木曜日 10:48:43)
外国語としての日本語教育では「です」は英語のbe動詞に近似し、その基本型は「だ」であると説明されます。そうすると、日本語の形容詞にはすでにbe動詞に相当するものが含まれているので「です」は不要だということになりますが、ご紹介の通り現代語では形容詞にも「です」を付けて「です・ます」体の文章に馴染ませようとします。この場合「です」はもはやbe動詞では説明がつかなくなり単に「丁寧さ」を加える働きを示す、と苦し紛れの様相を呈してきます。「大きいです」とは言えますが「大きいだ」とは少なくとも標準語では言えないのが、この「です」の日本語の表現での歴史の浅さを裏付けているのかもしれません。
天野修治 バルセロナにて
言魔 さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 19日 土曜日 17:30:02)
私の「若者用語の裏知識」では、「○○でいいです」という項目で
取り上げましたが、昭和40年代以降に生まれた方は「結構です」
「よろしいです」という表現はすべて「いいです」と言いますね。
私が気にした部分は「で」の部分でしたが...
→ 言葉のよろずや