使われ出して、もう随分久しいと思うのですが…。
言うまでもないでしょうが、「どうぞ、よろしく」
が、いつから、何故、ひっくりかえってしまったの
か?気にならない人には、何でもないでしょうが、私
には気になって仕方ありません。しかも、恐ろしい
ことに、最近では、私自信の口からも、ポロッと出て
しまうことがあるのです。
ただ、こんなのは、間違いという訳でもありません
し、「別にいいじゃない」といったら、それでおしま
いのことですから、殆どの人が取り合ってくれませ
ん。「間違いじゃないが、気になることば」について
意見を聞かせてください。
ボンビ さんからのコメント
( Date: 1997年 10月 24日 金曜日 15:20:05)
森川さんが言われるように、私も気になることばの一つです。否、感じ良く受け取れない表現の
一つ、といった方がいいかもしれません。
私の記憶では、この表現方法は、昭和45年頃?から、顕在化してきたような気がします。
(トシがバレそうですが…。)
確たる自信があるわけではありません。反論ある方は、コメントをお願いします。
その頃から、この表現には、いい印象を持っていませんですネ。正面切って言えるような理由は
持ち合わせておりませんが、たとえば、新入社員のあいさつで「○○と申します。どうぞ、よろ
しく」と「△△と申します。よろしく、どうぞ」では断然、前者に好感を持ちますね。
ちょっと理屈っぽくなりますが、
たとえば、「納豆は、キライです」でなく、「キライです。納豆は」という場合、結論を先に言
う、あるいは事実を強調するために、当然要請される表現であり、ことばの配置を前後すること
とに異論を唱えるものではありません。
その点、「よろしく、どうぞ」は、そのような特段の要請はなく、「どうぞ、よろしく」の方が
すばらしい日本語のように感じます。
「それは、アナタの感じでしょう」と言われれば、森川さんがいわれるように、それでおしまい
になってしまいますが……。
Terry さんからのコメント
( Date: 1997年 10月 24日 金曜日 16:10:45)
確かに気になりますね。正しくは、「どうぞ、宜しくお願いいたします。」だと
思います。しかし、自分でも使ってしまっているから何ともいえません。
「気がつかなかった...不覚..」です。
そう言えば、以前私が問屋関連の仕事をしていた頃、その業界の人はほとんど、
「よろしく、どうも」という挨拶をしていました。しかも、これは「さようなら」の
代替え品の挨拶でした。他の業界の方が聞いたらとても不自然ですよね。
→ 言葉のよろずや
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1997年 10月 24日 金曜日 18:23:01)
千客万来で嬉しいことです。
私自身は「よろしく、どうぞ」は使いませんが、聞いた感じでは、「どうぞ、よろしく」とは意味が異なっているように感じます。
「どうぞ、よろしく」は「よろしく」を強めた言い方、という感じですが、「よろしく、どうぞ」は〈よろしいように、どうぞおやりになって下さい〉という意味のように感じます。
この「よろしく、どうぞ」が「どうぞ、よろしく」と同じ意味合いで使われると、私も気になるだろうと思います。
「よろしく」自体の意味変化、といいますか、形骸化といいますか、そうしたことも関係しそうですね。
森川知史 さんからのコメント
( Date: 1997年 10月 24日 金曜日 19:04:05)
岡島さんは、気になっておられなかったようですね。私のように、前からずっと気になっていた者からすると、
岡島さんのコメントは寧ろ意外でした。
「よろしく、どうぞ」が「どうぞ、よろしく」と同じ意味合いで使われると…と岡島さんは書いておられますが、
まさに同じ意味合いで使われること頻りです。初めて出会った時の挨拶として使われるのですから。
そして、何か少々軽い口調で言われることが多いように思うのですが。
でも、決して「若者ことば」とは決めつけられないようですし、だから、一時の流行などとは言えない気がしま
す。自分で「よろしく、どうぞ」について書いてから、それに類する表現(つまり、間違いではないが、気にな
る新参ものの表現)が他にもある筈だと、考えてみるのですが、今日まで思い付きません。
どなたか、気付かれたらコメントください。
森川知史 さんからのコメント
( Date: 1997年 10月 25日 土曜日 15:51:13)
ひとつ、ありました。気になる言い回し。
デパートの地階の食料品売場や、最上階の特売場で盛んに聞かれる売り声です。
「さあ、ご利用ください。」「時間限りの大安売り、ご利用ください」
気になりませんか?この「ご利用下さい」という言い方。
いつから、使われ出したのでしょうか?
「お買い求めください」というべき場面で、「ご利用ください」とは、何事だと最初に聞いたときは、腹立たしく
思ったものです。「便利グッズ」か何かなら、「ご利用」というのも分からないではないですが、「食べ物を」ど
う「ご利用」しろというのでしょう?「買ってくれ」と素直に言わない、いやな言い回しだと感じます。
satopy さんからのコメント
( Date: 1997年 10月 31日 金曜日 20:01:30)
「よろしく、どうぞ」の話に、あともどりするようで、すみません。ちょっと思い出したので。
この言い方、はじめて聞いたのは、15年まえ、東京都渋谷区にある家庭教師さきのお手伝いさんからでした。歌うようなイントネーションがいまでも耳に残っています。さすがに当時は気になったのでしょうね。そうですか、いまではそんなに使われているのですか。
その後、仙台・岐阜と渡りあるいてますが、気にならなくなったのか、聞いたという覚えがありません。使わないのか、本当に気にならなくなったのか、気をつけてみようと思います。
柴田武先生が埼玉大学を定年退官されて1年後、『やめて1年』という随筆集を出されました(私家版です)。たしか、そこに書いてあったかと思うのですが、NHKの『日本語再発見』(だったよね)にレギュラー出演されていたころ、北浦和駅である人に呼び止められて「『どうか、よろしく』ならわかるが『どうぞ、よろしく』というのは変な言い方ですよね」と問われた話が出てたと思います。
思い出しついでに記してみました。
森川知史 さんからのコメント
( Date: 1997年 11月 03日 月曜日 10:45:33)
satopy さん、コメントありがとうございました。
柴田武先生の『やめて1年』という随筆集(私家版)を読んでみたくなりました。
「どうか、よろしく」ならわかるというのは、言われてみれば、そうですね。
自分でこの「よろしく、どうぞ」という言い方を指摘して以来、今まで以上に気になるようになりました。
実際、テレビなどでの最初の挨拶を注意して聞いていますと、かなり多くの人が使っています。
「よろしく」の方を早く言いたい、という心理がはたらいているのでしょうか?
この言い方、きっと定着するのではないかと思います。
森川知史 さんからのコメント
( Date: 1997年 11月 16日 日曜日 22:02:58)
「少人数(ショウニンズウ)」が以前からずっと気になっています。
最近の辞書には、項目が立てられるようになりましたが、少し前までは項目もなかった筈です。
広辞苑の第四版にはまだ項目がなく、「こにんずう(小人数)」の項に「コニンズとも」と注記さ
れています。確かに、「人数」について言うのだから、「少ない」「人数」という連想がはたらい
て、「少人数」になったのでしょうが私としては不自然な感じがしてどうにも気になります。
特に、「少人数制で指導も行き届き…」などと塾や予備校の案内に書かれると、かなり怪しい教育
をしているのではないか、と思ってしまいます。
ところで、広辞苑の注記にある指摘、「ニンズウ」ではなく「ニンズ」だったということは御存
知でしたか?同辞書の項目「にんず(人数)」には、「スは呉音シュの転または漢音か」と注記が
あり、「にんずう(人数)」の項には「古くはニンジュまたはニンズ」という説明が載っています。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1997年 11月 17日 月曜日 18:45:19)
森川さん、いつも有難うございます。
話題が変った時は、「新しいメッセージ」にしていただく方が助かります。
タイトルになっていれば検索が出来ますので。
全文検索は重くなりそうですので、タイトル検索のみです。
森川知史 さんからのコメント
( Date: 1997年 11月 17日 月曜日 23:12:51)
話題が変わったのに「新しいメッセージ」にせずに、失礼しました。
( Date: 1997年 11月 16日 日曜日 22:02:58)分を新たにポストさせてもらいましたので、
そちらにコメントいただきますようお願いします。
小矢野哲夫(KOYANO Tetsuo) さんからのコメント
( Date: 1997年 11月 19日 水曜日 9:12:13)
初めて参加します。よろしくお願いします。
「よろしく、どうぞ」という言い方について、思いだしました。
1970年前後、神戸市に下宿していたころ、下宿のおばさん(当時70歳代)が、使用していました。
この方は、香川県丸亀市出身で、岡山県在住を経て、学生時代は日本女子大で過ごされました。
仲人の取り持ちをなさっていて、大変ていねいな物言いをなさっていました。
ちなみに「トイレ」のことは「ご不浄」でした。この方が、自己紹介に限らず、依頼の時に、
頻繁に「よろしく、どうぞ」を使用していました。
ボンビさんの「昭和45年頃」と、時期が符合しているところが面白いです。
ボンビ さんからのコメント
( Date: 1998年 1月 07日 水曜日 17:19:39)
岡島先生はじめ、みなさん新年おめでとうございます。
前に戻って申訳けありませんが、「よろしく、どうぞ」について、気になったのでヒトコト。
私は、「どうぞ、よろしく」の方が好感がもてると発言しましたが、大勢的にはどうもそう
ではないようですね。 S45年頃?このこの言葉が使われ始めたときは、目新しさ・新奇さ
から、キドリやさんしか使わなかった(私の評価)ようです。<私は、使ったことはない!>
たしかに岡島先生がご指摘のように、両者には微妙なニュアンスの違いがあることは否定し
ませんが、この表現が一般化している現在では、多くの方があまり抵抗はないようですね。
当たり前と言えば当たり前ですが、同じ表現でも時間とともにあるいは一般化することによ
りその印象・評価というものは変わってくるもんですね。
ちなみに私は、戦前生まれデス(関係ない?)。
当会議室のみなさん、本年も「どうぞ、よろしく」・・・。
うちは母がお店(個人経営)でいってました。
母はチャキチャキの江戸ッ子かぁちゃんなので
とても似合ってました。
相手も学生さんなので
得に気にしていませんでしたが
みんながワイワイ集まるようなお店なので
砕けた感じで逆によかったです。
ビジネスではどうかと思いますし
業種によっては目くじらをたてるようなことではないかと思います。
喋ってから坐ると、社長が、「いや、ありがとう、よろしくどうぞ」と言って、初めて私のことが分ったような調子て、またビイルをついだ。
長谷川伸『生きている小説』「"一本刀土俵入"」
私がこれらを喜んで礼をいうと、雪岱はあべこべに、あなたは舞台装置の根拠と示唆をしているから、こっちの方が有難い。けれど中には、といいかけて話題を別にした。追いかけて今の話のアトを聞くと、笑いながら批評を下した。たれそれさんは階下が三坪で二階が十坪の家といったような装置指定をやる。なにがしさんのは、書いてあることがわからないので伺いにゆくとご本人にもわからない。結局何分よろしくどうぞといわれておしまいになる……と。
石川達三「人間の壁」
「ふむ。……いやどうも、余計な議論ばかりしておって、お手間をとらせました。また、お閑のときには話しに来て下さい。娘のことも、まあ、よろしくどうぞ」
宮本百合子「伸子」
「――私変なの、今夜。――失礼するわ。よろしく、どうぞ」