1998年04月27日

「いけてる」の古例(?)(Yeemar)


 テレビドラマで、「いけてる」の古例(?)と思われるものがありましたので報告いたします。ビデオで確認したので、聞き違いではないでしょう。もとのシナリオ(山田太一脚本)にあったかどうかは分かりません。

〔老人ホームでの供養の酒盛り。全員歌っている〕
 全員「あなた恋しい〜」
 陽平「はい、北の宿、はい」
 全員「北の宿〜」
  拍手、笑声おこる。
 悦子「あぁ〜、いけてるぅ
 曽根「一杯行こう」
 陽平「いやだめだめオレ、ほんとに」
 悦子「なんかポーッとなってきちゃったよね」
 曽根「それが供養だって」
 辻本「そう、それが供養。ここでね、こんな若い人たちが、こんな酔っぱらってくれたのは開闢以来だよ」
 曽根「ああ、開闢以来、開闢以来」

〔陽平=水谷豊、悦子=桃井かおり、曽根=殿山泰司、辻本=加藤嘉〕
〔NHKドラマ「男たちの旅路」第3部・第1回「シルバーシート」
 1977.放送 1998.04.25「NHKドラマ館」で再放送。〕



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1998年 4月 27日 月曜日 11:23:33)


 なるほど、昭和52年の桃井かおりですか。

 あー、字幕放送のデータを獲得したいなあ。研究目的の使用は、著作権法上の個人的使用には入らないのでしょうが。でも欲しいな。Yeemarさんのように地道にデータを集めて行くのには及ばないのですが。



石ねこ さんからのコメント

( Date: 1999年 1月 22日 金曜日 0:51:07)


 はじめまして。古い話題を蒸し返して恐縮ですが、本題目を見て急に思い出しました。「いけてる」という表現は実は昔からあったのではないかと。
 といいますのも、つい先日職場で、打ち合わせの時間帯が都合がいい、という意味で「そちらのマネージャーも『いけてる』みたいだから」といういい方を聞いたのです。話者は30代の方ですが、普段「いけてる」というような物言いをする人ではありませんので、もしかしたらどこかの方言では、言葉ではないか、と思った次第です。私は彼の出身地を知らないのですが、完全な関西弁を話しますので、大阪近辺の出身と思われます。
 皆様の御意見は如何でしょうか。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1999年 1月 22日 金曜日 13:06:36)


 ようこそ。古い話題でもどんどん蒸し返してください。

「今のところ可能である。今のところ、それで行ける」というような意味の「いけてる」であれば以前から言えていたと思います(「言えていた」もちょっと変則?)。

翻って、
> 悦子「あぁ〜、いけてるぅ」
を見てみると、これはどういう意味なのでしょうかね。「いかしてる」の意味なのでしょうか。最初読んだ時はそのように取ったのですが、あるいは「お酒が行ける」と関連するのでしょうか。



石ねこ さんからのコメント

( Date: 1999年 1月 23日 土曜日 1:52:00)


 コメントどうもありがとうございます。やはり昔からある表現のようですね。ただ、これは全国的な表現なのでしょうか。少なくとも当方在住の東京圏では聞いたことがないのですが。
 また、この表現と、最近の「いけてる」という言葉は語源が違うように思われます。最近の「いけてる」の方は、あるいは「イケイケギャル」の「イケ」と関連するのでしょうか(またしても蒸し返してしまいました)。よく考えればずいぶん複雑なのですね。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1999年 1月 26日 火曜日 13:54:59)


 お尋ねしますが、「東京圏で聞いたことがない」というのは、「いけてる」という言い方全般でしょうか。たとえば、

   ここからあそこへ、昨日から行けているけれども、それは今日までのことだ。

とか、あるいは補助動詞的なもの、

   今のところは何とか暮らして行けているが、これからどうなるか。

のようなものも聞かれませんでしょうか。



石ねこ さんからのコメント

( Date: 1999年 1月 26日 火曜日 22:23:14)


 「いけてる」についてですが、最後の例(「暮らして行けているが」)は聞いたことがあるような気がします。しかし前の例(「ここからあそこへ行けている」)は記憶にありません。



Yeemar さんからのコメント

( Date: 1999年 1月 27日 水曜日 15:43:29)


 遅くなりましたが、桃井かおりの「いけてるぅ」の採集者として
申します。

 彼女の「いけてるぅ」は、聞いたところ、「いかしてるぅ」とか
「うまいうまい」とかいうのと同じニュアンスでした。老人たちが
「北の宿から」を歌っているのを評して言ったのでしょう。

 ということは今の「いけてる」と同じということになるかもしれ
ませんが、今の「いけてる」の意味をよく知らないので自信はあり
ません。

 石ねこさんの職場の方の「いけてる」は、「それでいける」
に「てる」がついたのだと私も思います。「いける」自体珍しい
ことばではないので、臨時的には昔からよくあったのかもしれません。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1999年 1月 27日 水曜日 15:58:20)


石ねこさん
前の例、あまり旨く作れていませんでした。
こんなのはどうでしょう。
  「そこ、通り抜けられそう?」
  「うん、今のところはなんとか行けているけれど……ここを曲がると、あ、駄目だ行き止まりだ」

可能動詞には「ている」がつきにくいと言われますが、話し言葉の中にはけっこう出て来るような気がします。
つきにくい、という直感による耳慣れなさが、かえってそれを流行語のようにする要因ともなっているのでしょう。
「いえてる」というのもありました。

現今の「いけてる」は、「これはいける」の「いける」に「ている」の付いたものであるように理解しておりますが、どうでしょう。
いけいけについては、別項で触れましたが、よくわかっていません。

私が「ている」について甘いとしたら、「よる・とる」地域の出身だからかもしれません。

Yeemarさん、有難うございます。
前半の流れで捉えてよいわけですね。



石ねこ さんからのコメント

( Date: 1999年 1月 31日 日曜日 1:23:14)


 今の「いけてる」は、そんなにおかしな使い方ではなかったのですね。何か誤用のような気がしていたのですが、言語学的に一応の説明がつくものだったとは。もっとも個人的には、使い方からすると「これはいける」よりは「いかしてる」の方が本来の語源と思います。
 岡島さんの設例ですが、「行ける、通れる」という意味での「いけてる」は、東京近辺在住の私は耳にしたことがありません(記憶がないだけかもしれない)。こちらでは「何とか通れるけれども」が普通のようです。
 ところで、投稿末尾の「『よる・とる』地域」とは具体的にどのあたりを指すのでしょうか。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1999年 2月 02日 火曜日 9:22:07)


 「いかしてる」から「いけてる」を作ったとしたら、「いかす」が自動詞化したので、語形もそれに合せた、とでも考えますか。

 「よる・とる地域」は、「ドアが閉まりつつある」を「ドアが閉まりよる」で、「(既に)ドアが閉まっている」を「ドアが閉まっとる(閉まっちょる)」で示すのですが、おおむね関西以外の西日本、というところでしょうか。


posted by 岡島昭浩 at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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