1998年05月12日

国会中継で……


 厳密には、昨夜のニュースで聞いたのですが、
可決すべきものと決しました。

と言っていました。可決しようということを「水面下」で決めたわけじゃないのだから、すごく持って回った言い方だな、と感じましたが、無理に書けば「決可可決」とでもなるのかな。

 なお、普通に言えばいいのを、もったいぶったために変な言い方をしてしまった場合には「ことばとがめ」をどんどんしよう、という立場です。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1998年 5月 12日 火曜日 11:52:12)


 「簿外債務」のニュースの時に、「裏帳簿」という用語はなぜ出てこないのだろう、マスコミ手緩いぞ、と思っていたのですが、佐賀新聞のデータベースを検索したら1つだけマッチしました。

 儲ける時は「裏帳簿」、損したら「簿外」、と使い分けるのは、ちょっと狡い気がします。


佐賀新聞記事データベースへの入口



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1998年 5月 12日 火曜日 11:55:32)


 山一の三木前社長というのは、もともとああいう喋り方をする人なのだろうか。
 弱っているのか、のらりくらりなのか、相手をばかにしているのか、非常に聞きづらい喋り方です。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1998年 5月 12日 火曜日 11:58:24)


あ、いかんいかん、佐賀新聞はトップページにはらにゃいかんかった。上の消しておこう。

佐賀新聞



後藤斉 さんからのコメント

( Date: 1999年 3月 01日 月曜日 19:11:42)


「可決すべきものと決しました」は常套句のようです。1998年01月12日〜
1999年02月03日の期間で30件ヒット。まだ本会議と予算委員会だけのよう
ですから、議長・委員長の個人によるゆれがあるかどうかは判断できませんが。

この検索は話し言葉の資料としても面白いかもしれません。「あれです」は
29件。




国会会議録検索システム



後藤斉 さんからのコメント

( Date: 1999年 3月 01日 月曜日 22:29:35)


あとから思いついてもう一度データを見直してみたのですが、
「可決すべきものと決しました」というのは「(本会議で・議院として)
可決すべきものと(委員会で)決しました」という意味なのではないで
しょうか。
全部を見てはいませんが、本会議での用例は委員長報告の中で使われて
いるもののようです。
なお、上の検索システムは国立国会図書館内。念のため。



Yeemar さんからのコメント

( Date: 1999年 3月 02日 火曜日 17:32:40)


たいへん面白い資料と拝見しました。

---
145回-衆議院予算委員会-05号 1999/01/28
○宮下国務大臣〔厚生大臣〕ちなみに、平成十年度は約六億円、平成十一年度は十八億七千万円という予算を計上いたしまして、取り組まさせていただいております。

144回-参議院予算委員会-03号 1998/12/10
○国務大臣(小渕恵三君)〔総理大臣〕〔……〕養蚕の蚕糸業の関係の議連の会長もさせていただきましたし、また野菜その他の議員連盟の会長等々、あまたその責任を負わさせていただいてまいりましたが、いずれにいたしましても、日本の農業は極めて厳しい環境に存することは自覚をいたしておるわけでございます。

143回-衆議員本会議-19号 1998/10/13
○古川元久君〔民主党〕先ほどの例で言えば、不良債権の処理を済まさせて、実力どおり三百円になった株価で早期健全化勘定は増資を引き受けるわけであります。
---

「さ入れことば」について、「わさせて」「かさせて」「たさせて」……などで検索しました。全部で10例ほどあり。

案外少ないという感じです。速記録にする段階で、言い誤り等は訂正したものと見えます。

宮下厚生大臣・三塚元蔵相あたりが多用していました。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1999年 3月 03日 水曜日 14:31:14)


>「可決すべきものと決しました」というのは「(本会議で・議院として)
>可決すべきものと(委員会で)決しました」という意味なのではないで
>しょうか。
なるほど。委員会というのはそういうところなのでしょうか。



後藤斉 さんからのコメント

( Date: 1999年 3月 03日 水曜日 15:08:05)


>議長・委員長の個人によるゆれがあるかどうかは判断できませんが。

衆議院の「可決すべきものと決しました」に対して、参議院では
「可決すべきものと決定いたしました」という違いが見られるようです。
参議院の方は41件。これも全部は見ていませんが、本会議での用例も
やはり委員長の委員会報告の中で使われているようです。

本会議での可決のときは、衆議院は「よって、本案は可決いたしました」(13件)
参議院は「よって、本案は可決されました」(24件)。

>委員会というのはそういうところなのでしょうか。

ええと、下のリンクのような説明でよろしいでしょうか。

議案の審議



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1999年 3月 04日 木曜日 9:57:08)


 後藤さん、どうも有難うございます。
 「否決すべきものと決しました」も「衆本会議」で5件見つかりました。委員長報告です。本会議では「否決されました」。



清水 賢 さんからのコメント

( Date: 2000年 1月 27日 木曜日 11:49:21)


委員長報告の言い回しについてのやりとりを、偶然発見いたしましたので、
若干のコメントをさせていただきます。

結論から申しますと、お見込みのとおりです。
各委員会は、本会議に対する予備的下審査機関という性格を有しており、
本会議においてのみ院の最終的な意思決定が行われるという意味で、
付託議案についての委員会決定については、その可否にかかわらず、
「・・すべきものと決しました」という表現が用いられます。
他方、委員会には、所管に属する事項に関する法律案を提出する権限が与え
られており、かかる決定が行われる場合には、「委員会提出の法律案と決する」
という表現が用いられます。

このことは、個々の委員会による「ゆれ」はありません。
いずれにせよ、私どもとしても「ことばとがめ」は歓迎いたしますので、
不適切と感じることあらば、何なりとお知らせいただければと思います。



後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 23日 火曜日 16:33:26)

国会会議録がGoogleから検索できることに気づきました。語数制限が厳しいのであまり長い文字列は

ちょん切れてしまいます。

inurl:shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/  "可決すべきもの"


posted by 岡島昭浩 at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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