1998年05月16日

クイズ


次の文章は、ある本からの引用です。
ここで、一寸考えさせられることは、その時代は(中略)、学生間には刃物を以て人を傷つけたというようなことを殆ど聞かなかったことである。少青年がナイフなどを振り廻すようになったのは、どうしても??????????以後のことである。

さあ、いつでしょう。



Yeemar さんからのコメント

( Date: 1998年 5月 17日 日曜日 11:44:12)



 見当はずれかもしれませんが:

>>どうしても??????????以後のことである。
      浅沼稲次郎委員長刺殺

 1960年。

 なぜそう思うに至ったかと申しますと、福井県における
下記の催しでの文章を読んだからであります。


第19回日本文化デザイン会議'97福井



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1998年 5月 17日 日曜日 20:06:45)


 いやぁ、Yeemarさん、解答していただいて有り難うございます。実はあまり解答を期待してはいず、皆さんの心の中で考えていただければ、と思っていたのですが、字数まで合わせたご回答で、しかもある程度古い時代にまで遡って戴き、うれしく存じます。
 では正解を。

 町内(ちゃうない)の子供(こども)が團結(だんけつ)して、他(た)の町内(ちゃうない)の子供(こども)の團結(だんけつ)と喧譁(けんくゎ)して石合戰(いしがっせん)をしたといふやうなのは、精々(せい%\)で明治二十年(めいじ..ねん)くらゐまでのことで、その後(ご)は教育(けういく)の普及(ふきふ)と警察(けいさつ)の完備(くゎんび)と共(とも)に、何時(いつ)の間(ま)にか止(や)んでしまった。
 青年(せいねん)の方(はう)でも、熊本(くまもと)の學生(がくせい)と薩摩(さつま)の學生(がくせい)、薩摩(さつま)の學生(がくせい)と土佐(とさ)の學生(がくせい)といふ風(ふう)に、學生(がくせい)が幾分(いくぶん)團體的(だんたいてき)の喧譁(けんくゎ)をするといふやうな風習(ふうしふ)は、これも精々(せい%\)で十四五年(...ねん)ごろまでのことであったと思(おも)ふ。こゝで、一寸(ちょっと)考(かんが)へさせられることは、その時代(じだい)は封建殺伐(ほうけんさつばつ)の時代(じだい)を去(さ)ること餘(あま)り遠(とほ)くなかったに拘(かゝは)らず、學生(がくせい)間(かん)には刄物(はもの)を以(もっ)て人(ひと)を傷(きず)つけたといふやうなことを殆(ほとん)ど聞(き)かなかったことである。少青年(せうせいねん)が小刀(ナイフ)などを振(ふ)り廻(まは)すやうになったのは、どうしても明治二十七八年(めいぢ....ねん)の戰役以後(せんえきいご)のことである。

これは、馬場孤蝶『明治の東京』(昭和17.5.20 中央公論社)のうち「近世風俗雑談」の文章です(p113-114)。現代教養文庫(1992.2.28)の槌田満文氏の解説によると、初出は『週刊朝日』大正15年1月10日号とのこと。ただし、文庫では「戦後以後のことである」と誤植されています(p98)。先日、馬場孤蝶『明治の東京』の中から「明治の東京語」をテキスト化しておきましたが、その折りに気付いたものです。

 ついでに第2問。これはあまり面白くありません。あくまでもついでです。

G君って、こわいな。ふだん、口ではとてもおもしろいことを言うし、ISHIとも仲がいいみたいなのに、心の中では何を考えてるかわからない。ISHIをぷっとばすのにナイフを持ってきたなんて言うんだもん、軽べつしちゃった。
 これはいつごろの中学校を写したものでしょう。
 



Yeemar さんからのコメント

( Date: 1998年 5月 18日 月曜日 12:52:33)


 降参しました。「一寸」「殆ど」「少青年」あたりに手がかりを求め
たのですが得られず、あとは仮名遣いが原文通りなのか、新カナに改め
られているのかで迷いましたが、ひとつ賭けとして「現代かなづかい施
行以後」と踏んだのでした。

 「明治の東京語」をテキスト化なさっていたということを存じ上げな
かったため、読み違いをしたのでした。

 さて第2問は……



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1998年 5月 19日 火曜日 23:37:35)


森田まゆみ『片思い女子中学生日記』明治図書(昭和52.6.1)(「7年前の」とあります)
昭和四十五年ごろの中学生ということですから、私よりも年上です。私は「肥後の守」とか持ってたけどなあ。地方差かな。
この舞台は東京のようです。



言魔上人 さんからのコメント

( Date: 1998年 5月 21日 木曜日 17:27:23)


そんなに昔から...
来月、母校のPTAの集会で喋る機会があるので、引用させていただきたいと
思います。(不可である場合はメールください

でもなぁ...昭和32年生まれの私の世代では、ケンカはサシで、かつ、
素手でするものと相場が決まっていたのに...
第二問の頃、埼玉県南部で中学生だった私ですが...岡島先生のおっしゃる、
地方差というより、筆者(森田まゆみさん)の廻りだけの特異現象のような気がします。

言葉のよろずや



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1998年 6月 12日 金曜日 0:09:14)


 ふと思ったのですが、漱石の『坊っちゃん』が、教科書から追放されたりしてね。ナイフを友達に見せびらかすのは行けません、って。

 いや、逆に道徳に行ったりして。「ナイフは人のためならず、まわりまわっておのが指」

 笑い事じゃないか



言魔上人 さんからのコメント

( Date: 1998年 6月 14日 日曜日 11:22:17)


>岡島先生

「ナイフは人の...」
それ、峰先生の「諺のパラドクス」投稿の作風そのものですよ...(笑)

言葉のよろずや


posted by 岡島昭浩 at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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