私の知合いのアメリカ人の先生が、最近「音字」と「表音文字」
について調べています。 彼は、アメリカで「音字」とならったのに
日本に来たらだれも「音字」という言葉を知らないので、いつごろから
使われなくなったのか(「表音文字」 という言い方に変わったのか)を
調べています。 それで、いろいろ探しているうちに岡島先生のホームページ
に辿りつき、失礼も顧みず、質問のメールを出しましたところ、この
ページをご紹介いただきました。どなたか、文献等をご存知でしたら教えて
いただけませんでしょうか。よろしくお願いします。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1998年 7月 28日 火曜日 21:08:13)
いらっしゃいませ。
この方面の歴史的なことを書いた文献は多分ないだろうと思います。術語の歴史と言うことは研究が少ないように存じます。
「音字」はphonogramをそのまま訳したものだと思いますが、音声記号などと混乱しないように避けられたのではないか、という風にも思います。
またideogramの訳の「意字」「義字」というのは、「音字」以上に使われることが少ないようですが、その落ちつかなさが、「表意文字・表音文字」という言い方をメジャーなものにした、という気も致します。
ちょっと見てみましたところ、「音字」は、森鴎外「仮名遣異見」とか、幸田露伴『音幻論』とかにも使われていますね。現在では『音声学大辞典』とかその筋の本でしか目にしなくなった語のようですが(広辞苑程度の辞書でも載ってはいますが)、かつてはよく知られていたものだったのでしょうね。
なお、「意字」は、上田萬年・橋本進吉といった人が使ってます。
(あまりお役に立ちませんが)
matsuno@pu-kumamoto.ac.jp さんからのコメント
( Date: 1998年 7月 30日 木曜日 10:45:40)
どうもありがとうございました。
何か新情報がありましたら、お教えください。