1999年05月08日

「させていただき・・・」の連呼(ボンタン)

「させていただく」意味については、当会議室で議論し尽くされたようですので、
ここで特に触れませんが。

先日、ある会議に参加しましたが、その時各担当者が「させていただき」を連発
するのには、いささか閉口しました。

謙虚さの表現としてすばらしいことばですが、連呼されると上滑りに感じます。
最近、マスコミ等でも必要以上に使われているのが気になりますが、皆様のご意
見はいかがでしょう?。

ある歌手が皮肉混じりに言っていました。
「風邪をひかさせていただき、公演を4日ほど休ませていただきました」。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 05月 19日 月曜日 23:27:47)

「さ入れ言葉」については、「国会中継で……」の方に書き込もうかと思ったのですが、表題が近いこちらに。

伊藤正雄『国語の姿勢  ある大学教師の“国語白書”』黎明書房 , 1970
に、

「……する」といふべきところを「……させてもらふ」といふのは、伊勢一帯の慣用語法なのだ。(中略)戦後全国的に広まったように思はれるのは、私の誤診だらうか。(p351)

伊藤正雄『文章のすすめ 後編 言葉の知恵』春秋社 1978.5.10

近ごろ気になる言葉遣いは、よくテレビなどで聞く芸能人の言葉で、「ではやらさしていただきましょう」「歌わさしていただきます」という言い方である。

「させていただきます」続貂


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 05月 22日 木曜日 20:08:19)

『国語の姿勢』にある「させてもらふ」は、引用部分から必ずしも「さ入れことば」を指しているのではないようですね。「さ入れ」はいつごろからあるのでしょう。音声資料が必要なので、なかなか調べにくいと思います。古い例としてたまたま下のものを採集しています(私のページにも引用しました)。

またあらためてうかがわさしていただきますから。(NHKドラマ「海の畑」1963.01.19放送、「NHKアーカイブス」2001.04.29で再放送)
(「うかがわせていただきますから」で十分なところ。)古い映画を見れば、案外あっさりとこれより早い例が出てくるかもしれません。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 05月 22日 木曜日 21:01:10)

 そうですそうです。『国語の姿勢』は「させていただく」一般の話、『文章のすすめ』は、「さ入れことば」の話でした。ページを書き忘れましたが50ページ。「字余り」として「字足らず」の「見れる」「食べれる」と対照させています。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 05月 22日 木曜日 21:43:50)

高橋和巳「悲の器」(1962年)から。

つぎの号の巻頭論文はわたしに書かさせていただきます
君のほうのことが上手く運べばお祝いのしるしに一度書かさしていただこうと彼は言つた。
お互いの話合いが進展するのなら、たとえ話が飛ばうと繰り返しがあろうと、わたくしどもはその話を聞かさせていただく。

底本等未確認


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 05月 23日 金曜日 00:22:45)

もうひとつ同年の、吉行淳之介「ファンというもの」
オール讀物(37・7)(『「文芸春秋」にみるスポーツ昭和史 第2巻』1988による)

「班長どのキャハンを取らさせていただきます」と脚にイナゴのように飛びついてきてゲートルをぽどくような兵隊を可愛がり、そんなことはアホラシイと思うような兵隊にはことごとに辛く当り、


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 05月 23日 金曜日 06:29:20)

やや、書きことばですでに例があるのですか。これはおどろきました。1950年代とか、それ以前の小説にもあるかもしれないという気がしてきました。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 05月 23日 金曜日 19:42:53)

方言としての「○○さしていただく」が、書き言葉・・・というか、直接話法の「 」の中に使われているのではないでしょうかね。


新会議室へ

posted by 岡島昭浩 at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。