別件で、芳賀剛太郎著『誤字明弁新案漢字典』(郁文舎 明治40年)というのをぱらぱらと見ていました。と、大槻文彦の序に、
近来、元素は、五行に当るとて、行の字の中に、炭の字を加へたる新字を作りて、炭素の訳字とするなど、枚挙するに遑あらず
とあるのに気づきました。
そのうち、うまく実例が見つかれば、「気になることば」の方で触れようかと思っているのですが、どなたか、御存じありませんか。
ひょっとして、組織的に「彳水〒」「彳尿〒」とかも作ったんだろうか。ヘリウム・カリウムとかはどうするんだろう…… などと想像もふくらみますね。
(あるいは紀田順一郎氏の一連のものに載っているのかしら)
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 7月 12日 水曜日 11:45:47)
『西国立志編』にあったと思ったのですが、見失ってしまいました。忘れないように書いておきます。また見付けたら書きます。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 7月 14日 金曜日 11:58:26)
それから、上に掲げたのは活字の改正本ですが、板本の段階にもこれはあります。板本と改正本はいろいろと違う箇所もあるのですが、この字に関しては同じです。 あわてて、『英華字彙』(明治32年再版)で確認しました。炭素をたよりに このたびは、まことにありがとうございました。 CD-romの底本などには入っていない、Paart4のLobscheid序に、これはLobscheidが提案した方法であると書いてあるとのこと。 行水 hydrogen
ありました、西国立志編。第2編の5節。
これは明治9年の「改正西国立志編」です。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 2月 21日 水曜日 1:18:59)
ロプシャイトの『英華辞典』、gasの訳語にこれが使われていました。メドハーストの『英華辞典』も調べたいのですが、見る機会にめぐまれません(英華と思って買った復刻版は華英だった)。
佐藤 さんからのコメント
( Date: 2001年 2月 21日 水曜日 21:40:31)
ありがとうございます! しかし、よくご存じでしたね。スバラシイ!
私も院生時代に演習でやったのに…… 心掛けの違いですね。
あちこち見ていたら、いろいろ出て来ましたので、以下にリンクしておきますね。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 3月 15日 木曜日 0:29:18)
沈国威「大阪外大図書館蔵の『英華字典』」国語学170に、言及がありました。
行光 phosphorus
行炭 carbon
行緑 chlor