1999年06月06日

うなずく(きき)

「頷く」は「うなづく」ではないのですか?
ATOKで「うなづく」と入力し、変換したら「うなずく」が本則と叱られちゃいました。
手元の岩波国語辞典でも「うなず−く」で掲載されています。
「うなだれる」が「うな」を垂れることなのだから、「うな」をつくのかと思うのですが。

「じめん」(地面)も納得行かないのですが、そういう表記の問題なのでしょうか。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 08日 火曜日 10:11:58)

「現代仮名遣い」には次のようにあります。
>  なお,次のような語については,現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として,そ
>れぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし,「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」
>「づ」を用いて書くこともできるものとする。
> 例 せかいじゅう(世界中)  いなずま(稲妻)  かたず(固*唾)
>   きずな(*絆)  さかずき(杯)  ときわず  ほおずき
>   みみずく  うなずく  おとずれる(訪)  かしずく
>   つまずく  ぬかずく  ひざまずく  あせみずく
>   くんずほぐれつ  さしずめ  でずっぱり  なかんずく
>   うでずく  くろずくめ  ひとりずつ  ゆうずう(融通)
この「現代語の意識」が人によって違うから揺れるのですよね。ききさんは2語に分れると意識なさるわけですね。

現代仮名遣い


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 08日 火曜日 10:15:06)

地面も
> 〔注意〕次のような語の中の「じ」「ず」は,漢字の音読みでもともと濁っているものであって,
>上記(1),(2)のいずれにもあたらず,「じ」「ず」を用いて書く。
> 例 じめん(地面)  ぬのじ(布地)  ずが(図画)  りゃくず(略図)
ですが、これについては、以下参照。

目についたことば970607


きき さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 09日 水曜日 23:47:31)

ありがとうございます。勉強になりました。
というか、勉強不足を披露してしまったようですね。

言葉の成り立ちがいちいち気になる人もあれば、そうでない人もある。
かしずく、つまずく、ひざまずく、私にはどれもひっかかるのですが、
やはり、統一的な指針があった方が良いのでしょうね。


益山 健 さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 10日 木曜日 8:23:59)

以前もどっかで書いたような覚えがあるのですが, 「音読みにはヂ・ヅを用いない」というルールを現代仮名遣いに追加すればこの手の混乱はけっこう避けられるのではないかと思うのですが。
広辞苑(4版 ^^;) を見る限り, これで問題がおきるのは「ききぢょく」(利き猪口)「ふこうぢょう」(風香調)の 2語だけです。

たとえば「頓着」が「とんじゃく」であって「とんぢゃく」ではないことを, このルールなしに説明しようと思うと, 単独で「着」を「じゃく」と読む語がほとんどないことに加え, 同じ漢字で「とんちゃく」ともよむために, 「連濁でない」ことを説明するのがむずかしくなるように思います。「明治」の「治」が連濁でないことを万人にわかりやすく説明することも(明メイが呉音でないだけに)むずかしいです。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 11日 金曜日 0:09:10)

 なるほど、説明としては分かりやすいように思いますが、「入れ知恵」などもありますね。


益山 健 さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 11日 金曜日 11:42:15)

ありゃ, もっとあるよなあと思っていたら検索ミスでしたか。もうしわけない。出張中で資料がなくて... と言い訳。
話のついでに四つ仮名問題を解消する画期的ページの紹介を。
「ち」「つ」自身を廃止して「し゜」「す゜」にしてしまえば, 「しじみ(蜆)」「し゜じみ(縮)」「すずみ(涼)」「す゜ずみ(鼓)」となってすべての問題が解消するそうな。
(浮世風呂をネタにしたのかと思ったらそうではないそうです)

現代かなづかいにおける「じ」「ぢ」「ず」「づ」の書き分け (すのものさんのいろいろ)


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 11日 金曜日 17:24:18)

橋本治の小説「双調 平家物語」の広告には「そうぢょう」
と仮名が振ってあって、なんだか落ち着かなかったのです。

歴史的には「さうでう」となるし、また現代では「そう
ょう」のように読むのが普通なので、「そうょう」と
いうのは古いのだか新しいのだか、混乱しました。

下記のサイトは、ちょっと振り仮名が小さくて見えにくい
ですが、お示ししておきます。

双調 平家物語


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 11日 金曜日 17:25:45)

もちろん「そうぢょう」で間違いではないわけです。


豊島正之 さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 12日 土曜日 10:02:11)

>歴史的には「さうでう」となるし

雅楽の双調に掛けているのであれば、歴史的にも「そう」の様です。
船の数え方も同じ。

# 問題をそらして済みません。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 6月 12日 土曜日 12:34:00)

そうとは、存じませんでした。ありがとうございます。

改めて手近の辞書を見てみましたが、反映されていないようです。
覚えておきたいと思います。



Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 12日 土曜日 23:45:57)

このスレッドが一番近いと思いますので。

2003.07.12 東京・中野の南口にある横丁の花屋にほおずきが出ていました。
 「ほうづき」
と書いてありました。歴史的仮名遣いにも現代仮名遣いにも合っていません。写真を撮れなかったのが残念。明日には売れてしまうでしょう。

なお今、googleで調べると、
 ほおずき 約7,390件
 ほうずき 約2,380件
 ほおづき 約952件
 ほうづき 約299件


skid さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 13日 日曜日 03:14:53)

便乗します。
筧さんを呼ぶ場合に「かけい」と言っていますが、現代仮名遣いでも「かけひ」なんですよね。
発音と仮名遣いが全く同じものではない典型でしょうか。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 13日 日曜日 09:44:33)

現代仮名遣いは発音を定めるものではないので(6 この仮名遣いは,「ホオ・ホホ(頬)」「テキカク・テッカク(的確)」のような発音にゆれのある語について,その発音をどちらかに決めようとするものではない。)、カケヒさんは「かけひ」、カケイさんは「かけい」と書くのではないでしょうか。カジワラさんが「かじわら」と書き、カジハラさんが「かじはら」と書くように。

普通名詞の場合は「カケヒ」と言われるのが普通なので「かけひ」で辞書に載っているのではないでしょうか。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 14日 月曜日 19:04:19)

「筧」は、ワードでは「かけいひ」でも「かけい」でも変換できますね。知り合いで「かけひ」という人と「かけい」という人の両方(別人)がいます。


いら かおる さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 18日 金曜日 16:05:48)

熊本県の不知火町は「しらぬひまち」と届け出ていますが、そう読むのでしょうか。なお、合併で2005年1月には宇城市(うきし)になるため、いずれ消滅します。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 18日 金曜日 16:54:10)

昭和30年代に不知火村と??町が合併した際に、村のほうの名前を取ったというのに、平成の合併では消えてしまうのですね。残念です。

「しらぬひ」は、漢字及び語源意識に引かれた形なのではないでしょうか。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 19日 土曜日 10:36:04)

以前、たしか熊本で開かれた新聞用語懇談会の席だったかで、「地元の人は『不知火』を『しらぬひ』と文字どおり『SIRANUHI』と『ひ』で発音しているが、全国的には『SHIRANUI』の方が通りがよいので『い』と読んでいる」という話が、出た覚えがありますが。


skid さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 19日 土曜日 22:30:17)

なんだか、「いばらき」県が正確な読み方だけど地元では皆「いばらぎ」(鼻濁音?)となまっているみたいな話を連想しました。
アクセントの位置によって多少「しらぬひ」と言いやすくなったりもしますね。


佐藤 さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 22日 火曜日 00:52:25)

ちょっと違うのですが、「ひ」と「し」。江戸っ子のみならず、京都でも質屋(ひちや)などありますが、いましがた、びっくりしたのが岐阜県七宗町。正式な読み方は「ひち〜」のようです。

こういう話題、分岐してもいいかもしれませんね。意外なる正式名称、とか。
あるいは類似スレッド、ありましたでしょうか。

メイドイン七宗


いらかおる さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 22日 火曜日 13:40:09)

熊本県の不知火町は「しらぬひまち」と届け出ているそうです。
本当にそう読むのでしょうか。なお2005年の1月には合併で「宇城市」(うきし)となり、消滅するそうです。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 22日 火曜日 18:30:17)

 どちらが意外、という訳ではないですし、私のよく話題にするものですが、兵庫県赤穂市・福岡県直方市は「あかほ」「なほがた」と、どちらも元は「あほ」ですが、赤穂市は「あこう」、直方市は「のおがた」を名称としています。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 24日 木曜日 21:13:06)

上の「ほおづき」関連です。2003.07.24、東京・神楽坂を通っていると、「神楽坂まつり」の真っ最中であるようで、通りに縁日が出ていました。

神楽坂毘沙門天の前に出ていた露店には「ほうずき/風鈴サービス/1鉢2500円です.」「ほうずき券使えます.大坂屋」とありました。

ついでに、近くの花を売る露店では「ハイピスカス700円」(ビに非ず)と書いてありました。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 24日 木曜日 21:15:12)

> 上の「ほおづき」関連です。

「ほうづき」関連、と書こうとしたのでした。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 26日 金曜日 11:28:32)

知り合いのこんど小学校6年生になる娘さんの名前が、「柚生」と書いて、読みがなは「ゆづき」。「柚」の歴史的仮名遣いは「ゆず」ですが、「弓月」などのことばを兼ねているのかもしれません。

> こういう話題、分岐してもいいかもしれませんね。意外なる正式名称、とか。
> あるいは類似スレッド、ありましたでしょうか。

意外なる正式名称については下記でしょうか。
→「あふぎ(扇)→おおぎ


posted by 岡島昭浩 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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