1999年08月17日

防御率(かねこっち)


日本の野球用語に常々疑問や不満を感じております。
とりわけ納得がいかないのが「防御率」という用語です。

私の理解するところでは”率”というのは、あるものの全体に対する割合を表現する語です。
打率、出塁率、勝率はOKですよね。確かに割合をあらわしています。打率3割2部5厘であるとか、勝率5割であるとか。
ところが現在の「防御率」の意味するところは、おおよそ、
「投手の自責点を一試合(9回)当たりに換算した数値」
ということで、”率”とはいえない。

だいたい「防御率」というからには率の数値が高いほうが成績優秀と考えるのが、当然と思われますが、現行「防御率」はその逆であります。

「投手の自責点を一試合当たりに換算した数値」を英語ではearned run average
だそうで。まあ、当り前ですよね。
日本語でも「平均自責点」、あるいは「許点平均」などと意味内容が判るような言葉ができそうに思えるんですが。

酒場などでよくこの話題を持ち出しますが、あまり盛り上がりません。
また、ちょっとよそのMLで書いたことがあるのですが、反響は芳しくありませんでした。

どなたか、ご賛同いただける方、いらっしゃいませんでしょうか。
--



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 1999年 8月 18日 水曜日 22:16:23)


 「長打率」(塁打数/打数)については前から気になってましたが、「防御率」は、おっしゃるようにますます変ですね。長打率は4.000(全打数が本塁打)どまりですが、防御率には無限大(ワンアウトも取れずに自責点あり)まであるわけですね。
 とにかく何か割って算出するのは「率」ということでしょうか。
 「平均自責点」というのはわかりやすくていいですね。「長打率」は「長打指数」ぐらいで護摩化しますか。

 今は無くなりましたが、「勝利打点」というのもひっかかる用語でした。「勝利」を決める「打点」をあげた打者に「勝利打点」1がつく、というものでしたが、「勝ち投手」との類推で「勝ち打者」というのも変ですね。



かねこっち さんからのコメント

( Date: 1999年 8月 22日 日曜日 9:56:32)


言葉の専門家の岡島先生に賛意をいただき、感激しております。

野球用語は、中馬庚の創案といわれる「野球」そのものなど、明治の訳語は、おおむね良いものが多いのではないでしょうか。
中でも「表・裏」というのが、なにやら風流で、訳語中の傑作ではないかと思っております。
「四死球」というのは、日本語の用語としては、こんなところか、と思いますが、
フォアボール、デッドボールなどの和製野球英語(?)が、情けない気がします。
(「ゲッツー」などは、情けなさを通り越して、恥ずかしさをおぼえますが)

「勝利打点」、確かに変ですね。満塁ホームランを打っても「勝利打点1」では、何をかぞえているかわかりません。
すっきりと「決勝打1」っていうのはいかがでしょうか。



岡島 さんからのコメント

( Date: 1999年 9月 15日 水曜日 1:36:29)


 日本対台湾の野球を見ていて、西武ライオンズにいた郭泰源投手のことを思い出しました。

 あるとし(新人の年ではなかったかと思うのですが)、彼は防御率が低いままで調子よくやっていたのですが、投球回数が130回に少し足りないところで肩を痛めて戦線を離脱しました。防御率の規定投球回数は試合数×1ですから、年間の規定投球回数には達していないのです。それでずっと防御率1位のところに名前の出ていた彼ではありますが、西武ライオンズが百二十何試合かを消化した時点で、防御率のランキングから彼の名前が消えたのです。

 その時私は思いました。これが打率であるのなら、規定打席(試合数*3.1)に達していなくても、もし規定打席数に足りない分を全部凡退したと仮定して計算し、それで打率争いの場に加われるはずです。防御率の場合は? と考えたのです。

これは無理なんですね……。無限に点を取られる可能性もあるわけですから。

この時に、「防御率」という言葉のおかしさに気づけばよかったのですが、うっかりしていました。



かねこっち さんからのコメント

( Date: 1999年 9月 15日 水曜日 22:53:03)


オリンピック予選の日本対台湾の「本番」が先ほど終了しました。小生はラジオで観戦(聴戦?)しておりましたが、普段のプロ野球のテレビ中継よりも、よっぽど緊迫感がありました。
松坂投手には、実力もさることながら、強い運と花を感じます。(月並みですが)

>西武ライオンズにいた郭泰源投手のことを思い出しました。

郭泰源投手はまだ現役なんですね。台湾のナショナルチームの一員だそうで、ビックリしました。

ところで、日本と韓国は「野球」、中国・台湾は「棒球」というのが興味深いと思います。
日本の台湾に対する統治は50年、朝鮮半島に対しては36年。
韓国からの報道や目にする言論における「反日」の気運は、台湾からのものより、かなり強く、鋭いものを感じますが、韓国においては意外に「野球」をはじめ、かなりの和製漢語が残されているようですね。

韓国は随分強力な選手で臨んでいるそうですから、本アジア予選においては、
 強さの順位 → 野球>棒球>baseball
ということで、なんとか日本に予選を通過してもらいたいとねがっています。



かねこっち さんからのコメント

( Date: 1999年 9月 16日 木曜日 10:11:14)


> 郭泰源投手はまだ現役なんですね。台湾のナショナルチームの一員だそうで、ビックリしました。

と書いてしまいましたが、元中日の郭源治投手の間違いです。

「ああ、勘違い」でした。
すみません。


posted by 岡島昭浩 at 12:03| Comment(1) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
同じ疑問を持つ人がこんなに昔にいたとは。
全く同意です。仕事でMLBの情報を日本語化することもあるので、ERPが‘誤訳?されていることに初めて気が付きました。
言葉なのでそういうもんだと言えばそれまでですが、 納得できませんね
Posted by wakazou at 2014年06月05日 22:41
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