最近、万葉集を読み始めた者です。
巻1の78ですが、「おきいなば」なら 5757・・となるところなのに、わざわざ「て」を入れて字あまりにしているのでしょうか。とても初歩的な質問だと思いますが、どなたか教えてくださいませんか。
飛鳥 明日香能里乎 置而伊奈婆 君之當者 不所見香聞安良武
飛ぶ鳥の 明日香の里を 置きて去なば 君があたりは 見えずかもあらむ
Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 9月 14日 火曜日 20:42:40)
「而」の字があったときは「て」と訓むのがふつうでしょうから、
ここは「おきていなば」でよいと思います。
しかし、それでは字余りになってしまうではないかと思われるかも
しれませんが、古くはア行音(母音)にかぎり、字余りが許されま
した。
たとえば
たごのうらに うちいでてみれば……
ただのあひは あひかつましじ……
……しゑやわがせこ おくもいかにあらめ
など。
なぜア行音にかぎり字余りが許されるのかというのは、音韻上の
理由で……、佐竹昭広氏「萬葉集短歌字余考」(「文学」14-5)
などに所論があります。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1999年 9月 15日 水曜日 1:18:17)
参考文献の一つです。
→ 「國語の音節構造と母音の特性」橋本進吉