1999年11月11日

辞書にないことば(Yeemar)

「辞書にないことば」を集めてみようというゲームはいかがでしょうか。イメージとしては、小型辞典に収録せらるべくして収録されていないことばです。

 ルールとしては(厳密でなくていいと思いますが):

(1)現代の新聞・雑誌・書籍・放送等で、日常目にするもの。
(2)以下の辞典(最新版)に載っていないもの。
 『岩波国語辞典』『三省堂国語辞典』『新明解国語辞典』
 『新選国語辞典』『新潮国語辞典』『集英社国語辞典』
 『広辞苑』『大辞林』など。
(3)新語・流行語はとらない。(×リベンジ ×いけてる 
 ×ジモ着)
(4)既存の語の新用法は除く。(×買い ×キレる ×まっ
 たり)
(5)結合のゆるい複合語は除く。(×要チェック ×破格値)
(6)業界用語など一般性に欠ける語はとらない。(×テキ(調
 教師) ×ノリヤク(騎手))

といったところでしょうか。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 11日 木曜日 18:35:53)

とりあえず、これはいかがでしょう。

よあらい【予洗い】

 たとえば「洗濯の順序」なんて言うと、「ばかにしないでよ」
と叱られる。たしかにそうだが、「予洗い」を知らない人が案
外多い。逆に「そんなムダなことを」と言われる。でも水だけ
の「予洗い」をしたほうが、ムダが少なくて経済的である。
          (森田光徳『自然流「せっけん」読本』
           農産漁村文化協会 1991.03.30 p.132)


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 12日 金曜日 0:20:00)

 条件(2)がちょっときついですが、息の長い企画として定着させたいものです。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 12日 金曜日 4:28:03)

条件(2)は、「たぶん載っていないだろう」ということでも
良いことにしましょうか。


畠中 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 12日 金曜日 9:56:04)

当ゲーム、良いアイディアですね。

とりあえず思いだしたのは、

 さかなで【逆撫で】

条件(5)に類するため辞書にないのでしょうか。
でも、「逆剥け」はあるのに・・・。


言魔 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 12日 金曜日 19:45:05)

(2)は全部持ってないので...
(3)、(4)は得意分野を外されてしまって...
でも、がんばって何かしら探してこようか...と
書いたところで「何かしら」は?...岩波に載ってました...

言葉のよろずや


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 12日 金曜日 20:46:09)

『新潮国語辞典』を見てみましたが、たしかに「逆撫で」は
載っていませんでした。ただし私の持っているものは、旧版
で、数年前に改訂されたと思いますから、あるいは今のは載っ
ているかもしれません。

『新潮国語』は、漢字漢語、訓点語(漢文を訓読するときに
用いられた言語)の用例がくわしく調法(重宝)しています。
「鼻をかむ」の「かむ」に当たる漢字が3種も出てくるのは、
『新潮国語』だけでしょう。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 15日 月曜日 14:52:47)

べっしょう【蔑笑】
このあいだは泣いてお願いして、写真を差し替えてもらった。
今までそんなことをしてもらったことはないが、あのようなむ
くんだ顔で、
「女はいかにして美しくなるか」
 などとだいそれたことを言ったら、読者の蔑笑をかうことで
あろう。
              (週刊文春 1999.11.18 p.65)

 ふつうは嘲笑とか憫笑とかいうところか。しかしさげすみの
笑いという場合には蔑笑としか言いようがないかもしれません。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 17日 水曜日 0:51:18)

たちあげる[立ち上げる]
初めてコメントします。
これは新語になるんでしょうか?
最近コンピューター関係から入ってきてはびこっている言葉で、結構、問題視されているようですが。「プロジェクトを立ち上げて・・・」等という使い方です。
「立ち上がる」の自動詞はあっても「立ち上げる」という他動詞は、まだ辞書には載っていないと思います。
ついでに、横文字の多いコンピューター関連用語の中で、純和風の用語で「文字化け」はどうでしょうか。なぜ、日本語なのか?英語で「文字化け」にあたる言葉はないのかを考えたところ、「おそらく、ない」事に気付きました。「文字化け」は日本語ソフトに変換する際に起きるからです。もし違ったらごめんなさい。


恵美 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 17日 水曜日 11:42:51)

私は、岡島先生がここで紹介してくださった大辞林の大ファンになりました。早速愛用させてもらってます。それに、「立ち上げる」も「文字化け」も「逆撫で」ものってます。

http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search.cgi?MT=%A4%BF%A4%C1%A4%A2%A4%B2%A4%EB&sw=2
http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search.cgi?MT=%CA%B8%BB%FA%B2%BD%A4%B1&sw=2
http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search.cgi?MT=%B5%D5%C9%EF%A4%C7&sw=2

思いついたものを、ひとつ…「でてくる」はどうでしょうか。もちろん「熊が穴から出てきた」の「てきた」は、補助動詞として考えられると思うのですが、「(探し物をしている人に)でてきた?」「ポケットからクシャクシャになった千円札がでてきた」はどうでしょうか?これって、「でた?」「ポケットからクシャクシャになった千円札がでた」とは言えないし、辞書の「出る」からこの意味(「意外なところで何かを見つけた」という意味にでもなるのでしょうか)をひねり出すのって難しいようですが…日本語学習者は、この意味に戸惑うようなので、複合語として辞書にのっていたらいいなーなんて思ってました。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 17日 水曜日 12:56:43)

「条件(2)」がけっこうネックになるかもしれませんので、
この際「gooのウェブ版大辞林 第2版」に載っていなければよい
ことにしましょうか。

大辞林 第2版


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 18日 木曜日 13:21:13)

「逆なで」ならぬ「逆なでる」は、大辞林にもないようです。
つい言いそうですが。
新聞や雑誌にもしあれば、貴重な例ではないでしょうか。

 何も言わない彼の態度が余計に、私の神経を逆なでた。

 http://library.room.ne.jp/~fuuto/guest/furin.htm
 私立月風図書館「不倫」

「ひた走りに走る」から「ひた走る」が、「薄笑い」から
「薄笑う」が、「びしょぬれ」から「びしょぬれて」ができる
ようなものでしょう。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 18日 木曜日 14:46:01)

 「古材」(こざい)という言葉は、業界用語を脱し、一般用語の域に達しているでしょうか。今朝のNHKニュースで耳にしました(半睡)。


畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 18日 木曜日 17:27:29)

【丸投げ】もありますね。

「一括して物事の処理をたのむ、あるいは一任する」場合などのことばとして使いますね。
政治家や事務所でよく使われる(ただし年輩者?)割には、なぜか辞書にはないですね。

Yeemarさんの条件↑(1)〜(6)にどこまで抵触しているかわかりませんが・・・。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 29日 月曜日 10:29:42)

静かなベストセラーになっているらしい本から。

ほんひ【本火】

 舞台上では、煙草一本吸うのにも事前に地元消防署に本火〔ほんひ〕使用許可願を提出して、許可をもらう必要がある。ピストルの発射音と発射光を出すための少量の火薬も、またしかりである。
(居作昌果「8時だョ!全員集合 伝説」双葉社 1999.09.30第1刷 p.201)

「(6)業界用語など一般性に欠ける語」の気配もありますが、重箱読が面白いので。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 29日 月曜日 10:45:15)

朝日新聞記事データベースより

さかなでる【逆撫】

 日本リサイクル運動市民の会(本部・東京)の高見裕一代表の話 古物営業法は警察が盗品を管理するための法律だが、今回のケースは市民の善意で品物が無料で提供され、主催者は収支も明らかにしており、古物商の許可を取らされる法的な根拠に欠ける。京都府警の対応は全国に盛り上がるリサイクル運動に水をさし、市民の神経を逆なでるものだ。(朝日新聞〔大阪朝刊〕1993.04.29 p.27)

 私が玄関から差し出した名刺を見て、居間に座っていた母親の顔色が曇った。事情を説明した後、喜ばせるつもりで伝えた「先生」の辞職の知らせが、さらに神経を逆なでた。(朝日新聞 1996.12.24 茨城1面)


今のところ見つけたのは2例だけ。校閲が直してしまうのでしょうか。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 29日 月曜日 15:25:07)

熟合度などで問題ありですが、忘れないようにメモ。
「倍々ゲーム」という言い方、ゲームでもないのに使われています。マネーゲームでもなく。

「それからは年俸が倍倍ゲームで増えて行った」というような感じ。


畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 02日 木曜日 14:21:01)

【定番】(ていばん)

過日、スーツを買ったときデパートの女性店員が、さかんにこのことばを使う。
「流行に左右されないオーソドックスなもの」の意味らしいですが、このことばって
一般的なんですかね〜。 それとも業界語?。


佐藤@岐阜大 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 09日 木曜日 14:01:06)

おっしゃるように、もともと業界用語らしいですね。

2年ほど前だったか、卒論発表会で、

「○○○は、源氏物語注釈書の定番ですが……」

というような発言があり、びっくりしたことでした。

「定番」〜gooの大辞林


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 10日 金曜日 6:45:44)

朝日弁芸文庫から出ている「井上ひさしの日本語相談」という本の中で「アパレル業界から生まれた「定番」(213P)」として載っています。

この本は、1986年から1992年まで「週刊朝日」誌上で連載されていた「日本語相談」の中の井上ひさし担当分だけ抜粋して、文庫化されたものです。

「日本語相談」は井上ひさし、大野晋、大岡信の各氏が読者からの日本語に関する質問の回答に当たっていました。単行本も(一)から(五)まで出ています。

「定番」はアパレル業界で使われていた「定番商品」が省略されて、他の分野にも使われるようになった、と解説してありました。
このほか、「インプット」「アウトプット」(情報科学)「出馬」「本命」「ダークホース」(競馬)「金星」(相撲)「損失補填」(証券)「コンセプト」(広告)「マルサ」(税務)なども他の業界で使われるようになった、と例示され、主に元気のある業界から他の業界に流れるとも、書かれています。

テレビ業界用語も、最近よく一般化しています。「目線」とか「特番」とか。
余り好ましい事とは思ってませんが。

「定番」といえばこの前、「定番のお店、一挙426店紹介」とうたったムック本に「超永久保存版」と書いてありました。

「永久」を「超」える、というのは、一体どのくらいの期間保存すればいいのか・・・?と思って、出版元に問い合わせると、「永久保存版というのは、大体1年くらいを想定していますので、超永久保存版というのは、1年以上、ということです。」ときっぱり言われてしまいました。

これは、やはり「永久」や「超」の安売り、インフレではないのか!?と思いました。話がそれてしまいましたが・・・。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 10日 金曜日 6:52:54)

「朝日弁芸文庫」ではなく、「朝日文芸文庫」です。訂正します。

ところで、この前「文字化け」「立ち上げる」は辞書に載っていると指摘されて、驚いて辞書を調べると、何と保守的な「広辞苑」(第5版)にさえ載っているではありませんか!
・・・今度からちゃんと辞書を引いてからここに書きます。すみませんでした。

ということで、辞書(広辞苑)をひいてから書いているのですが、同じパソコン関係用語で「文字列」というのはいかがでしょうか?

「貴方の身の回りの面白い出来事を、短い文字列にグッと凝縮して送ってください」と、メールマガジンのメールマガジン「まぐまぐ」にかいてありました。

普通は「文章」となるところなんではないでしょうか?どうでしょう?


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 10日 金曜日 7:04:22)

Yeemarさんの「逆なでる」に似たものに、「天下る」があります。
名詞の「逆なで」に「する」を足して「逆なでする」なら、OKですよね。
同じく名詞の「天下り」に「する」で「天下りする」ならOKだと思うんですが、「天下る」は私の感覚ではなじみません。(ただ、広辞苑には載っていました。)

なじまないものの例としては、例えば、「うなぎのぼり」があります。これも「うなぎのぼる」「うなぎのぼっていました」とは言わないですよね。

「名詞+動詞」で出来た「複合名詞」を動詞的に使う場合は、元の動詞の部分を活用させると、複合名詞の結合がゆるくなってしまい、違和感を覚えるのではないかなあ、と思いました。


taijaS さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 22日 水曜日 15:24:55)

Yeemar さんwrote:
> ほんひ【本火】

浮世風呂で「本水」という語を見ました。やはり芝居のことについて言うもののようです。

今ぢやァ水(みづ)も本水(ほんみづ)を遣ひやす。飯(めし)もほんとうに食(く)ひ、芋(いも)もほんとうの芋(いも)を洗(あら)つて鍋(なべ)へ入(い)れて、ほんとうに煮(に)て見せねへぢやァ、見物(けんぶつ)が合点(がってん)しねへ。(四ー下)


豊島正之 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 22日 水曜日 20:58:21)

>「本水」という語を見ました。やはり芝居のことについて言うもののようです。

鯉掴みとかですね。
類語に「本雨」(ほんあめ・本当に雨を降らせる)。

「本釣」(ほんつり・本物の釣鐘)も芝居、人形浄瑠璃。
円生の「小言幸兵衛」の印象が未だに。「音のいい本釣がぼぉーんと鳴るぅ…」

「本幕」は、中規模辞書も載せる様ですが、これは能だからでしょうか。


畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 05日 水曜日 12:40:19)

【加齢】(かれい)もありませんね。<三省堂国語辞典(第三版)>

よく使われる?のにどうしてでしょう。


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 05日 水曜日 13:24:56)

【滑舌】(かつぜつ)がないのに気づきました。
アナウンサーや演劇関係の専門語ということで載っていないのでしょうが
最近のテレビでは、日常的に出てきます。gooでは339件ヒットしました。

滑舌


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 12日 水曜日 0:21:59)

小駒さんのいう「活舌」あるいは「滑舌」は、アナウンサーである私が、会社に入る直前に知った言葉です。
以来16年。「辞書に載ってない」ことを知ったのは、つい最近です。
これについては、三省堂の「新明解国語辞典」に昔は載っていた、とも聞きます。
(今のには載ってません)

甲南大学の都染(つぞめ)助教授が、現在、調査をされているはずです。
結果が出るのは春頃になるのでは?


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 12日 水曜日 15:48:09)

道浦さん、情報ありがとうございました。
「活舌」という漢字表記は知りませんでした。
ただいまgooで調べたところ143件ヒットしました。

「滑舌」が「国語学辞典」(東京堂・昭和30年)に出ているのに気づきました。
ことばとしては相当に古そうです。


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 12日 水曜日 16:01:49)

「二匹目のドジョウ」という表現をよく目にしますがこれが辞書にありません。
慣用句なので範囲外かも知れませんが。
gooでは「二匹目のドジョウ」が203件、「二匹目のどじょう」が86件
ありました。
「二匹」という語自体が辞書にはなく、「二」の項目を見ても出ていません。

「柳の下に何時も泥鰌は居らぬ」は「広辞苑」にあります。
「柳の下にいつもどじょうはいない」は「三省堂国語辞典第四版」にあります。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 12日 水曜日 20:57:42)

>「滑舌」……「新明解国語辞典」に昔は載っていた、とも聞きます。
初版・二版にあり、三版以降、ないようですね(旧明解もなし)。

>「滑舌」が「国語学辞典」(東京堂・昭和30年)に出ているのに気づきました。
「調音」の項(柴田武)ですね。手元の初版本では「滑音がいい」とありますが、これは「滑舌がいい」の誤植でしょうね。

井上ひさし『吉里吉里人』の第十二章(単行本365頁下・文庫中巻161頁)に、岳先生の発言として、「油嘴滑舌的口説」というのが出て来ますので、ひょっとして中国語かと怪しんだら、「油嘴滑舌」で「口先がうまく,ぺらぺらしゃべること」と『小学館中日辞典』に載っていました。
「滑舌」では載っていないのに。
なお、大漢和には「油嘴滑舌」「滑舌」は、中国語としての立項がありました。


畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 14日 金曜日 8:36:40)

書きっぱなしで申し訳ございませんが、

 【直近】(ちょっきん)→現時点から最も近い

厳粛な文書などで結構使用されるのに、なぜかありませんね。
 


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 19日 水曜日 16:41:40)

『広辞苑を読む』(柳瀬尚紀著・文春新書)を読んでいたら、辞書の語釈には
使われるが辞書に立項のない言葉というのがいくつか挙げられていました。
以下のようなものです。
 ※()内は掲載ページ、〔〕内は『広辞苑』第5版で語釈に使われている語

【肉球】(101)〔猫、指球〕
【悪強い】(143)〔悪太郎〕
【凹所】(144)〔陰(ほと)、海溝、カルデラ、塵壺〕
【凹室】(144)〔アルコーブ〕
【作出】(144)〔コンピューター-犯罪、制限酵素、ヌード-マウス、
ドーベルマン、ブル-ドッグなど24項目〕

五つとも『日本国語大辞典』にはありませんでした。「作出」は『大辞林』
『三省堂国語辞典第4版』には載っていました。

辞書に載っているのですから「辞書にないことば」ではないですが、「見出
しには出ていないことば」というのも同類と認めていいのではないでしょう
か。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 24日 月曜日 20:17:40)

「壁ぎわの税務官」という漫画を読んでいたら、「臨戸」ということばが出てきました。「税金滞納者の家を訪ねること」のようですが、広辞苑や新明解、日本語大辞典には載っていません。
「臨検」は載っているのですが。
税務官系の専門用語でしょうか?


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 24日 月曜日 20:22:05)

「てかてかと光る」という意味の「てかる」及びその名詞形の「てかり」はどうでしょうか?
放送局では「鼻の頭、てかってるよ」のような形でよく使うのですが、辞書には載ってないみたいです。
広辞苑には「光岳」と書いて「てかりだけ」という山の名前は載っているのですが。
これから推測すると、「光る」と書いて「てかる」でしょうかね?


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 25日 火曜日 22:34:54)

「肉球」は、NHK「みんなのうた」枠で放送の「雨のちスペシャル」(作詞・國府田マリ子、1997年)で出てきました。

ネコが顔を拭くと雨が降るといわれるところから、

にゃんこたち にくきゅうで かおあらうしぐさ むりにとめた
という歌詞がありました(記憶による)。この「にくきゅう」が分からず、えらく難しいことばを使うと思ったのですが、辞書にもないとは存じませんでした。愛猫家にとっては常識なのかもしれません。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 09日 水曜日 22:25:00)

さのう

みかんジュースに入っている「つぶつぶ」のことは「さのう」と
いうらしく、原材料名のところを見ると「みかんさのう30%」
などと書いてあります。

「のう」は「嚢」なのでしょうが、「さ」は分かりません(調
べてもおりません)。国語辞典には載っていません。専門用語
だからなのでしょうが、「さのう」の語を目にするたびに落ち
着かない気持ちになります。

「さのう」が集まって「じょうのう」」ができているそうですが、
この「じょうのう」も分かりません。原材料名のところに漢字で
書いておいてくれればいいのにと思います。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 09日 水曜日 23:15:44)

こういうときは百科事典をひけばいいのでしたっけ。

『世界大百科事典』(CD-ROM版)の「かんきつ類」の項目をみ
ると、

>>果肉は4〜20室程度に分かれるが,10室前後のものが
>>多い。キンカンは少なく,ブンタンは多い。室(〓嚢
>>(じようのう))には子房壁(内果皮)から発生,生長し
>>た多数の砂〓があり,果汁が蓄えられている。

〓は外字で、{襄+瓜}と書く。『大字源』を引くと「ジョウ」
と読み、意味は「(1)うりわた。うりの中の実を包んでいる白い
綿のようなもの。」「(2)みかんなどの果実の内部の房。」とあ
ります。古い和訓としては「ヒサコノサネ・ウリザネ・ウリノ
サネ」など。

「さのう」にあたるものは、『世界大百科事典』によると「砂
{襄+瓜}」(さじょう)ということになります。どちらでもい
いのでしょうか。つまり細かい砂のような{襄+瓜}嚢のことを
「砂嚢」というらしいと推測しました。

すると、鳥のすなぎもの砂嚢と、字はいっしょになるわけです。
鳥の砂嚢は、「鳥が飲み込んだ小石や砂利などがたまっていて
食物の破砕を助けるので」その名がある(『世界大百科事典』)
ので、みかんのそれと直接の関係はないでしょう。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 17日 木曜日 23:45:44)

みかん、で思い出したのですが、(フルーツつながり)スーパーで、すいかの甘さをあらわす基準として「味度」と書いてありました。「みど」と読むのでしょうか?
まるで音階のようです。
どなたかスーパーで見た方、いらっしゃいますか?


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 23日 水曜日 16:44:08)

めいもん【名問】

「アップダウンクイズ」(六三―八五年放送、毎日放送制作)などを手がけて出題歴四十年、この番組〔パネルクイズアタック25〕の監修をする堤章三さん(七七)は出題のツボをこう説明します。
「答えが何となく思い当たるんだけど、結局分からず、正答を聞いて『それだよ』とか『なるほど』というような問題が名問です」(朝日新聞夕刊 2000.02.22 p.12)
これで気がついて、「良問」「悪問」を辞書で引くと、ないようです。このふたつは受験用語としてはよく使われると思います。結合度がゆるいので載らないのでしょうか。しかし「愚問」は立項されているわけで、その差はいずこに。

「味度」は米などでも使われているようですね。


Yeemar さんからのコメント
(Date: 2000年 2月 24日 木曜日 19:09:14)

「良問」は『三省堂国語辞典 第4版』にありました。

(上記で「辞典」といったのは、『広辞苑』『大辞林』『日本国語大辞典』『新明解国語辞典』『新選国語辞典』で、たまたま『三省堂〜』がどっかに行っていました。)

しかし「悪問」は『三省堂〜』にもなし。は、ないわけではないと思いますが。


tohoowabohoo さんからのコメント
( Date: 2000年 3月 02日 木曜日 9:39:36)

「建てあげる」という使い方を、キリスト教界で耳にします。専ら「教会を建てあげる」と使うのですが、、。とりあえず大辞林にはありませんでした。これは業界用語なんでしょうか。


taijaS さんからのコメント
( Date: 2000年 6月 14日 水曜日 18:56:54)

とある広告チラシの携帯ブザー(護身用警報機)の説明書きを見ていたら、「連続警鳴約 20分」「コードが断線してもアラームは警鳴」などといった文句に目がとまりました。
文字通り「報音がる」ことを言うようですが、とりあえず手元の日本国語大辞典、広辞苑(第五版)を見るとともに立項されておらず、インターネット大辞林にもなし。ATOK・MSIME2000にはともに未登録で、変換できない。
gooで用例を探すと、携帯ブザーの他にも、侵入感知警報機などといった防犯グッズの商品説明に多用されているようでした。「連続2時間警鳴」「かわいいウサギとワニが大音量で警鳴。」「クラクションの数倍大きい音で警鳴します。」など、広告チラシとほぼ同じ用法。
「(センサーライトに)外部警鳴器が接続できる」「緻密な技術を要求される火薬庫の警鳴装置配線工事などの特殊電気工事」のような例を見かけたので、あるいは電気配線分野などでの業界用語か。
だとすればYeemarさんの条件(6)にはずれることになりましょうが、広告チラシになにげに(笑)載っているくらいだから、もはや「一般性に欠ける語」でもないか。
いかがでしょう。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 06日 月曜日 14:45:09)

 上の方で話題になっていた、カツゼツについての都染氏の論は、『徳川宗賢先生追悼論文集 20世紀フィールド言語学の軌跡』(変異理論研究会)2000.6.6.に載っています。


かねこっち さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 18日 土曜日 23:12:10)

しょうろうながし 【精霊流し】

 が『大辞林』に見えませんが、みなさまお手持ちの辞書ではいかがでしょうか。
 さだまさしの歌のタイトルでかなり有名ですので、読みかたを間違える人も少なく、ポピュラーな言葉に思えます。
 その子細について記載されていてもよさそうなものだと思うのですが。
 ローカルな風習にすぎないからでしょうか。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 19日 日曜日 0:55:09)

「しょうろうながし」が無いのは意外でした。

曲のタイトルには間違いなく「しょうろう」とルビが振ってあるのですが(第46回NHK紅白歌合戦字幕)、『大辞林』を見ると「しょうりょう」に小見出しとして「――ながし」が載っています。『広辞苑』にもあります。『日本国語大辞典』を見ますと、「しょうりょうながし」「しょうろながし」が立項されています。

私はさだ氏の歌のせいか「しょうろう」にまったく違和感はありませんでした。『日本方言大辞典』では「しょーりょー【精霊】」の方言形として「しょーろ」と長音形になるのは沖縄県竹富島、「精霊蜻蛉」を「しょーろーしぇんぶ」というのが熊本県天草郡、「しょーろー」というのが大分県大分市・大分郡、「しょーろーねんば」が長崎県壱岐島ということで、島嶼部が多いのが気になりますが、さだ氏の地元長崎で「しょーろーながし」と言っているのかもしれないと思いました。しかし、今や全国的に「しょーろーながし」という人は多いのではないでしょうか。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 19日 日曜日 13:53:16)

 私は、いままでは、「しょうろうながし」というのは、「灯籠流し」と「精霊(しょうろう)」が混交したものだろうと思っていたのですが、そういうわけではなさそうですね。

 さだまさし氏に「精霊流し」をテーマにした曲をつくるようアドバイスしたのは、宮崎康平氏であるという風に聞いています。ご存知の方はご存知でしょうが、宮崎氏は長崎在住の作家、兼社長です。火野葦平が彼をモデルに書いた作品がありました。
「島原の子守り歌」を採取したのか、作ったのか、で有名な人です。そういえばグレープも歌っていました。「三年坂」に入ってたのだったか。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 19日 日曜日 13:54:29)

「精霊(しょうろう)」が、ではなく、「精霊(しょうりょう)」が、のつもりでした。


畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 1月 19日 金曜日 8:54:20)

「食材」は、やっぱりないですね。

グルメブームで、最近一般化したことばではないかと、前から気になっていたのですが。
三省堂の国語辞典第三版には載ってませんが、最新の辞書には載ってるかもしれません。


通行人 さんからのコメント
( Date: 2001年 1月 22日 月曜日 9:10:34)

↑おっしゃるとおり。
 「食感」も気になります。


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2001年 1月 22日 月曜日 16:35:33)

「食材」ですが『大辞林・第2版』にありました。
「料理の材料となる食品。」という語釈でした。
(「食感」は見あたりませんでした。)


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 1月 25日 木曜日 13:56:40)

「防汚(ぼうお)」はいかがでしょう?「新築・リフォームするなら、おうちまるごと”防汚(ぼうお)”にしない?〜INAXショールーム〜防汚・抗菌体感フェア開催中」
意味は分かりますが・・・。
それから、「自母乳」。
「自母乳で赤ちゃん元気」(読売新聞2000年11月16日)という見出し。専門用語でしょうか。本文中では「 」付きで載ってました。
もう一つ、病院関係で「母児(ぼじ)」。産婦人科ではこう言うそうです。小児科では「母子(ぼし)」です。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 2月 23日 金曜日 13:32:11)

 サンコクの第5版を買いました。

#三省堂のブックレットを定期購読している私が、三省堂国語辞典新版の発売をテレビのワイドショーで知るなんて。いつも思いますが、マスコミ用の「何を新たに入れ何を削ったか」というのは、広く公開してほしいものです。
 「寿退社」は検討した結果、載せないことになった、と報じられていましたが、「ことぶき」の項をみても結婚についての云々というのはありませんでした。

 さて、食材も食感も載っています。ちなみに妻は、食感のことを、料理の鉄人・道場六三郎がいつもショッカクと言う、と申しております。
 母児は母子の説明中に。
 遺灰も載ってますね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 3月 05日 月曜日 18:55:58)

「別腹(べつばら)」
〜ご飯をたらふく食べても、デザートは別腹です〜というふうな使い方。これ、広辞苑も三国・5版も載ってません。広辞苑には「別腹(べっぷく)」=妾に産ませた子、のような意味では載っていますが、上の用例はありませんでした。
皆さんは普段、使いませんか?


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 3月 05日 月曜日 20:19:58)

わが郷里香川県では、「うどんは別腹」と称して、讃岐人は満腹の時もうどんならば食べられることになっています。

10年ほど前に帰省したとき、生家から車でちょっと行ったところに、「セルフの店 ザ・うどん べつばら」なる店が出来ていましたが(ウェブで1件ヒット)、上記の成句を前提にした店名と思います。

私にとっては、「別腹」の用例を挙げるならばまず「うどんは――」であり、「別腹」は地域限定のことばかと思っていました。「甘いものは――」という言い方は東京で初めて耳にしました。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 3月 06日 火曜日 16:03:18)

 私の場合、「別腹」なることばを聞いたのは近年のことになりますが、「甘いものの入るところは別」のような言い方は子どもの頃から聞いておりました。
香川でそういう言い方があったとは存じませんでしたが、道浦さんの場合は、いつごろからの言い方なのでしょうか。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 3月 08日 木曜日 14:46:42)

確かに、岡島先生がおっしゃるように「ごはんと甘い物の入る所は別」「胃袋が別」という言い方でしたよね、以前は。
「別腹」はここ数年から10年くらいの感じがしますが。大分県出身で大学は東京、去年入社した女性の後輩に聞いた所、「大分の高校時代は使わなかった。大学時代(5年前〜去年)は使った。最近、コマーシャルで使っているのを聞いた」とのこと。東京出身の女性の後輩(入社10年ほど)は、「ここ数年で聞くようになった。私はあまり使わない。なんとなく語感が悪い気がする」とのことでした。
私もこの書き込みをしたのは、ちょうど直前にテレビで(コマーシャルかな)使っているのを見たのがきっかけでした。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 3月 08日 木曜日 16:37:44)

 CMづくりの人が香川の言葉を取り入れた、ということかもしれませんね。

たまたま同じ語形になった、ということもあるのかもしれませんが。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 3月 13日 火曜日 11:19:54)

「べつばら」は素人参加番組で、素人さん(大阪の)も使っていました。(3月4日の夜の番組)。

ところで、一昨日スーパー(生協)で久々に耳にしたのですが、店内放送の「皆様、ごゆっくりお買い回りください。」というコメント。以前にも耳にしました(ダイエー)が、辞書(三国)には「買い回る=タンスなど大きな買い物で、何軒も見て回ってから買うこと。反対語=最寄り品」しか載っていません。
この場合の「買い回る」は「店内をグルグルと見て回って、いろんな品物を買う」という意味だと思います。辞書(広辞苑・新明解・三国)には載ってませんが、一般的なのでしょうか?それともスーパー業界用語でしょうか?
複合語ですが、何か違和感のある言葉です。「這い回る」に音が似ているからでしょうか?「回る」に品がないように感じるのですが。それをお客さん相手に使うから失礼な感じがするのかな?
岐阜の方でも耳にされたとか。情報お待ちしています。

それから、テレビ番組「電波少年」だったか「雷波少年」だかの「鉄棒少女」。鉄棒の大車輪に挑戦する女の子を取り上げているのですが、その大車輪をする際に「大きく振りをつけて、地面と平行に体を持っていく」ことを「あふり」というそうですが、これも辞書にはありませんでした。体操業界用語でしょうか。

長くなってしまい、すみませんでした。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 3月 25日 日曜日 0:26:17)

「ごはんもの(御飯物)」は、丼物の他に、焼きめしや様々な物を含むと思えます。米飯が中心となっている食べ物、というところでしょうか。
 いわゆる定食類も「ごはんもの」に入るのでしょうか。


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2001年 4月 23日 月曜日 18:07:20)

「著効」は「三省堂国語辞典(第5版)」、「日本国語大辞典」、「広辞苑」にありませんでした。
医者の言葉ですが、一般にかなり通用すると思います。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 5月 02日 水曜日 8:30:11)

上で小駒さんご引用の

> 【肉球】(101)〔猫、指球〕

について、こんな文章もありました。

 猫の足の裏は前々から奇妙だな、と思っていたが、実際つげ〔義春〕漫画の通りに試してみると、確かにヒンヤリして気持ちがいい。
 その部分が、「肉球」と呼ばれることも知った。「肉球」とはこれまたストレートで乱暴な名称である。「体重緩和部」とか「足先柔和皮」とかもっと機能に即した名前でも良さそうだが、この言葉の持つ直接性は猫の可愛くも粗暴な性格に合っているなとも思った。〔JT広告「喫煙室」サエキけんぞう〕(週刊文春 2001.02.01 p.35)
「「肉球」と呼ばれることも知った」とはどこで知ったのでしょうか。とまれ、『三省堂国語辞典』第5版には収録されました。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 5月 02日 水曜日 23:12:45)

「食材」関係で「具材」という言葉があるようです。おにぎりの具材、などと使うようです。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 8月 16日 木曜日 6:35:22)

1年以上に漫画で目にした「べつばら」の用例です。

(1)〔お菓子を食べているまつ子に向けて矢印〕↓甘{アマ}いものは別腹{ベツバラ}〔ドアの開く擬音〕バッターン

(2)〔玄関で倒れるのの子〕「ハラへって動{うご}けんわい。〜〜〜」〔まつ子〕「あっ土曜{ドヨウ}やった! なんもないわ。」

(3)〔思案顔のまつ子〕あちゃー お好{コノ}みやきかハンバーガーか。」

(4)〔まつ子の手を引いて外出するのの子に向けて矢印〕↓話{ハナシ}によっては別人{ベツジン}

〔いしいひさいち・ののちゃん1108〕(朝日新聞 2000.05.20 p.39)
道浦さんが書き込みされた後「はい、このような用例があります」とお出しすればよかったのですが、どうもそこまで整理できていませんでした。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 8月 16日 木曜日 6:37:29)

正誤

×ハラへって動{うご}けんわい。〜〜〜
○ハラへって動{ウゴ}けんわい。〜〜〜

{ }はルビです。いしいひさいち氏はカタカナでルビを振ります。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 02日 火曜日 14:35:31)

「患家(かんけ)」
「その医者の患者となっている一家」の意味のようです。日国大二版には載っていませんが、YAHOOで検索したら、355件も出てきました。数ヶ月前、「やぶ医者のつぶやき」というお医者さんの漫画にルビ付きで出てきた言葉です。開業医の専門用語でしょうね。


岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 02日 火曜日 15:09:22)

「かんか」で載っていると思います。日本国語大辞典初版はそうです。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 03日 水曜日 15:07:15)

おお!第二版にも「かんか」で載っていました。「かんけ」はありません。そうすると、「かんか」を読み間違えて「かんけ」と読むようになってきているということでしょうか?現場では?


佐藤 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 03日 水曜日 18:43:51)

クランケ(Kranke 独。「患者」)との混交ないし引きずられ(?)でしょうか。
「クランケ」もぞんざいに発音すると「かんけ」に聞こえないこともない……


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 05日 金曜日 14:10:19)

なるほど、「かんけ」と「クランケ」!「かんけ」いあるかも。
内科医の友人に聞いたところ「”かんか”も”かんけ”も初耳」だそうです。周囲の医者に聞いても開業医、勤務医とはず「聞いたことがない」と言っているそうです。


佐藤 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 27日 土曜日 1:14:07)

>大車輪をする際に「大きく振りをつけて、地面と平行に体を持っていく」
>ことを「あふり」というそうですが、これも辞書にはありませんでした。
>体操業界用語でしょうか。

須藤利一編『船(ものと人間の文化史1)』(法政大学出版局、1968)を
読んでいたら次のような例にでくわしました。


 かようなとき(荒天時)には、刎荷したり、あるいは、
ときによれば檣(ほばしら)を切り倒すこともあろう(略)。
また、舵は波にあふられて折れることもある。
*括弧内は佐藤の注

 日国大、まだ見てませんが、忘れぬうちに書いておきます。


OG3 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 27日 土曜日 10:05:08)

「あふり・「あふる」は言海に載っております.意味から現代では「あおり」・「あおる」と読み書きするのが多数派となっている言葉と推察します.
桂米朝師は,落語のせりふでは「(酒を)あふりつける」と発音しておいでです.
(私の発言は落語がらみばっかりだと,今,気がつきました ^_^)


OG3 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 27日 土曜日 11:04:38)

酒を「あふる」のは風が「あふる」のとは意味も文字も違いますね.
適当でない例をひいて失礼しました.
ただ,「あふぐ」→「あおぐ」などもどこか共通点のある変化では?(素人の妄想)


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 27日 土曜日 22:31:27)

 綴り字発音のようで、「あふれる」との関連もあるという、妙なことばですね。体操の場合はさらに「振る」との関連意識もありそうですかね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 28日 日曜日 17:52:37)

「あふり」日国大・第二版では、見出しは出てますが、「あおり」を見よ、となっていました。「煽り」と「障泥」「泥障」の2種類、3表記があるようです。
で、「あおり」を引くと「煽」のほうは「あおる」の名詞形。「障泥」は馬具の一種。
体操用語として「あふり」という古い形が残っているのは、岡島さんがおっしゃるように「振り」との絡みかもしれませんね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 28日 日曜日 18:29:29)

「あふり」日国大・第二版では、見出しは出てますが、「あおり」を見よ、となっていました。「煽り」と「障泥」「泥障」の2種類、3表記があるようです。
で、「あおり」を引くと「煽」のほうは「あおる」の名詞形。「障泥」は馬具の一種。
体操用語として「あふり」という古い形が残っているのは、岡島さんがおっしゃるように「振り」との絡みかもしれませんね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 10月 28日 日曜日 19:09:47)

すみません、同じメールを2度送ってしまいました。
ところで、タイトルや電文内容(?=本文)を書かないで送り付けるメールのことを「空(から)メール」と言うそうです。会社の後輩から聞きました。「現代用語の基礎知識2001」にも載っていませんが、YAHOOで検索したら、なんと2万9000件も載っていました。
ごくごく一般的なんだそうです。知らなかった・・・。
ちなみに「カラメール」で検索したら、736件でした。「カラオケ」と同じような語構成ですね。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 11月 20日 火曜日 3:02:18)

しゅい【取意】
 文章を引用するとき、意味はそのままに、自分のことばになおすこと。

という語釈でよいと思いますが、『三省堂国語辞典』『新明解国語辞典』『大辞林』『日本国語大辞典』第2版などには載っていないようです。研究者隠語でしょうか。


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2001年 11月 30日 金曜日 11:27:32)

ちんりょう【賃料】
賃貸の料金。

『三省堂国語辞典』第5版、『日本国語大辞典』第2版になし。
Google検索で58400件ヒットしました。


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2001年 11月 30日 金曜日 11:27:42)

ちんりょう【賃料】
賃貸の料金。

『三省堂国語辞典』第5版、『日本国語大辞典』第2版になし。
Google検索で58400件ヒットしました。


花岡公夫 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 04日 火曜日 10:34:40)

初めてのコメントです。
 防滴テレビというのがありますが,この「防滴」が,大辞林,広辞苑,岩波国語辞典,新潮国語辞典には載っていません。現代国語表記辞典(三省堂)にはあります。
 「防滴」というのは,水滴を防ぐ処理をしてあるのか,水滴がつかないように処理をしてあるのか,防水処理とどう違うのかを知りたくて辞書を見てみました。(このテレビ,自分では持っていないので,使用説明書は見ていません。)
 インターネットで「防滴」を検索したら,「浴室防滴天井」の宣伝があって,この商品名が「ノン・ポタリ」でした。


UEJ さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 04日 火曜日 13:32:42)

「防露」という言葉もありますね。
広辞苑、小学館国語大辞典には載ってませんでしたが、
大辞林には載っていました。googleでは約2,170件ヒット。
因みに「防滴」は約9,440件でした。


かねこっち さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 06日 木曜日 1:40:40)

「有訴者」はいかがでしょう。

国会の党首討論での日本共産党委員長の志位氏の質問に登場していました。

ネットで検索すると、厚生省(旧)あたりの官の用語ということですかね。
疾病の自覚症状を「有し」て「訴え」る人、というほどの意味でしょうか。

大辞林には見えませんが、周知の言葉でしょうか。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 06日 木曜日 7:37:50)

びょうさつ【秒殺】

「注文相撲」とは立ち合いと同時に右や左に変化する取り口のことである。普通は立ち合いと同時に激しく体当たりしあい、そこから廻しを取ったり、押したりの流れに入る。
 が、「注文相撲」の場合は体当たりすると見せかけて、ヒラリと右や左に変化する。猛進した対戦相手はバタッと手をつき、秒殺される。〔内館牧子・暖簾にひじ鉄〕
(「週刊朝日」2001.11.02 p.140)
『大辞林』そして、今度出た『新選国語辞典』第8版を見たところ出ていないようです。格闘技か何かから出たことばでしょうか。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 06日 木曜日 8:18:04)

有訴者、私も目にしました。初めて聞きましたし目にしました。
それにしてもあのグラフは、いんちきですね。目盛りの取り方が。
たった数%がとても大きな折れ線の線が太すぎるし。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 06日 木曜日 8:20:54)

すみません、途中でよけいな話をしていて、そのまま出してしまいました。

「たった数%がとても大きな差に見えるようになっていましたから。折れ線グラフの線が太すぎるし。」です。


UEJ さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 06日 木曜日 9:41:56)

「秒殺」の意味で辞書に載っているような言葉ってあるのだろうか?と考えていて
思いついた言葉が「瞬殺」。
googleでは約21,400件ヒット(因みに「秒殺」は約10,300件)。
主にゲーマー用語として使われているよう(例:ボスキャラを瞬殺する方法)。
でも広辞苑には載ってませんでした。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 06日 木曜日 15:18:15)

「求診」
12月2日、東京の浅草を歩いていて、浅草寺病院という古い建物を見つけました。その前の看板に「求診受付」という文字がありました。たしか、それとは別に「受診時間」という文字も。
「求診」は、日本国語大辞典、新明解には載っていませんが、googleでなんと993件、YAHOOで13件ありました。
どうも専門用語くさいのですが、中国語のようなサイトにも出てたので、もとは中国語でしょうか?


  • 辞書にないことば ## に続く

かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 08日 金曜日 19:17:31)

「類猿人」というのが、広辞苑、大辞林、日本語大辞典に見あたりません。
学問的な用語ではないのでしょうね。
しかし、バロウズの原作とその映画「類猿人ターザン」は有名ですよね。
私の場合、ターザンといえばワイズミューラーしか思い当たりませんが「ターザン」の
主演俳優は映画化されたものだけでも14人にのぼるとか。
そのうち邦題「類猿人ターザン」は3作あるようです。
ネットで「類猿人」を検索するとほとんどが「ターザン」関係です。
「類猿人ターザン」、原題は Tarzan, the Ape Man であるようです。


かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 20日 水曜日 16:56:22)

男女「共学」の反対語「別学」が広辞苑、国語大辞典、日本語大辞典にありません。
大辞林には載っていました。
「男子校」「女子校」は大辞林にもありませんね。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 22日 金曜日 15:41:41)

受彰
「表彰される」ということをこのように言う向きがあるようです。大型の辞書にも載っていません。「Google」では1000件弱ほどです。

「Google」で何件ひっかかれば「世に使われている」と言えるのか分かりませんが(これはこれで興味あるテーマ)、「輪タク」ならば約2200件、「門付け」ならば約1100件なので、「受彰」のヒット数は無視できない数かもしれません。(単純には言えませんが。)

意味のうえでは、「表彰」が「(功績を)表し、彰らかにする」ということなので、「受彰」は「彰らかを受ける」というような、やや不自然なことになってしまいます。

くわんくわん
両親が千葉・東京出身で、ご自身東京育ちの方からのメールで「口の周りを汚して食べると『お口、くわんくわんにしちゃ、だめよ』といわれた。しかし、辞書にはない」とのこと。

「くわんくわん」は私自身は使いませんが、特にあんこなどを口の周りにつけているときに言うのではないでしょうか。(それは「く餡く餡」かもしれませんが。)

「くわんくわん」の話、どこかで読んだか聞いたかしたと思うのですが、忘れてしまいました。くわしいことをご存じの方はいられませんか。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 22日 金曜日 16:07:04)

「くわんくわん」、記事がありました。「朝日新聞」2000.11.05日曜版 p.5、大森美紀子「気分は大家族」に

「くわんくわん」とは何か? とろろを食べる時、うまく食べられなくて口の周りにとろろが付いてかゆくなってしまう状態のことです。「くわんくわんにならないように気をつけなさい」とか、「あ〜、くわんくわんになっちゃった〜」とか。なぜか、とろろの時にしか使いません。
と。大森さんは東京のご出身のようです。

その後の編集部の補足によれば、「納豆、あんこがついた時」「黄な粉、お汁粉などを食べた後」にも使うとの投書があった由。特に東京出身の方が多かったそうで、「東京の「方言」なのかも知れませんね」とまとめています(2000.11.12)。

また、語源についても投書が寄せられ、〈小坊主が、仏像の口の周りに餡こをつけて、ぼたもちの盗み食いを逃れようとしたが、和尚が仏像をたたくと『くわーん、くわーん』と音がした〉という話からではないか、という説が「ほとんど」(2000.11.19)。私もそれを連想したのでした。民間語源?


UEJ さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 23日 土曜日 00:13:31)

「くわんくわん」は小さい頃に何かの絵本で読んだ記憶があったのですが、
googleで「絵本 くわんくわん」を検索したらあっさり見つかりました。

ふんふんなんだかいいにおい
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/3977/2000_ehon_jha.html#ha_funfun

この場合、口のまわりにつけているのは「たまごの黄身」です。
作者の西巻茅子さんは東京出身。
http://www.ehon.info/whoswho/KayakoNishimaki.html


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 23日 土曜日 10:08:35)

「くわんくわん」初耳です。発音は「かんかん」ではないのですね?


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 23日 土曜日 17:00:48)

「ふんふんなんだかいいにおい」は、子供の大好きそうな、おいしそうな絵本ですね。丸谷才一氏の息子さんが「おだんごぱん」(福音館書店)という絵本が好きで、氏が何度も読んであげたそうです(『日本語のために』)。これは余談でした。

「くわんくわん」は「かんかん」ではないと思います。方言辞典では「かんかん」ならばいろいな意味で載っているのですが。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 23日 土曜日 20:31:09)

さとがくれ【里隠れ】敵の事情をさぐるため、敵地に世代を越えて住んだ忍者。

というのは辞書に載っていませんが(村里に隠れ住むこと、として『日本国語大辞典』にはあり)、この意味でホームページなどでもみられます。印刷媒体で用例をご覧になったことがありましたらお教えください。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 17日 月曜日 07:52:25)

「くわんくわん」に関する、福田恆存氏の証言です。1956(昭和31)年7、8月「知性」に発表されたとのことです。なお「老」とは、論争相手の金田一京助を指します。

 俗に、口のまはりが食ひもので汚れてゐるのを、「クワンクワン」といひます。「坊や、お口のまはりが『クワンクワン』だよ」などと使ひます。老は「現代かなづかひ」を食つておきながら、その汚れが口のまはりについて「クワンクワン」になつてゐるのに、「食はん食はん」といつてゐる。これが、私の疑問とする老の立場の第一です。
(福田恆存「金田一老のかなづかひ論を憐れむ」『国語国字教育史料総覧』国語教育研究会 p.491)
「食はん食はん」の語源解釈、または、しゃれが注目されます。引用文中の漢字については、検索の便宜を考えて、福田氏の意に反するようですが、新字体にしてあります。


畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 04日 木曜日 23:05:47)

【珍道中】
よく使われることばですが、辞書に見当たりません。
俗語なのでしょうか?


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 05日 金曜日 00:04:44)

「珍現象」「珍プレー」「珍人物」「珍解釈」「珍動物」などを、辞書項目に立てるならば、「珍道中」も立てねばならないでしょうね。

あるいは「珍+道中」から類推される意味と「珍道中」の意味が違うのであれば、「珍現象」は立てなくとも、「珍道中」を立てるケースはあるでしょう。


masakim さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 05日 金曜日 05:07:23)

珍道中というとボブ・ホープとビング・クロスビーの「珍道中シリーズ」を思い出しますね。
シンガポール珍道中 (1940) アフリカ珍道中 (1941)
モロッコへの道 (1942) アラスカ珍道中 (1946)
南米珍道中 (1947) バリ島珍道中 (1952)
ミサイル珍道中 (1962) よろめき珍道中 (1960)
テレビの旅番組でも「珍道中」というのはよく見かけます。


田島照生 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 05日 金曜日 15:26:32)

辞書にのっていない、というよりも「誤用」なのですが。

九月二日放送の「ニュースステーション」で渡辺真理さんが、「凱旋帰国」した末續慎吾選手にむかって、「雄叫んでらした」と発言していました。

以前ふれた事があるのですが、「わしづかむ」「ものごう」などと同じ類なのでしょう。「ひた走る」「牛耳る」などのように、「正用」となったものもあるようですが。


skid さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 06日 土曜日 05:39:19)

ここでの「辞書にない」の条件は最初に書いてありましたが、一般的にはいろんなレベルがありますよね。
国語辞典にはない/専門辞典にもない
一部の国語辞典にはない/大半の国語辞典にはない/全部の国語辞典にない
見出しがない/用例や語釈の最後にもない

「珍道中」は、一部の国語辞典に「道中」の用例では載っているけれど、見出しとなる日はくるのでしょうか。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 06日 土曜日 12:06:52)

何だか錯雑してしまいました。この項は「##」にまで続いているのでした。
このスレッドは、いったん「##」に行って、また「#」に帰ってきています。どうしましょう。こちら「#」のほうが新しいので、当分はこちらで行くほうがいいでしょうか。
Yeemar さんからのコメント
(Date: 2001年 12月 06日 木曜日 16:57:38)

ゲームで「瞬殺」とか「秒殺」とかいうのですか。存じませんでした。引用例などによれば、一般化のきざし?

「求診」はGoogleで日本語サイトに限定すれば41件(一覧には13件)です。Yahoo!も、この場合「Powered by Google」ということで検索されるので、結局Googleの結果がそのまま出ているようですね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 07日 金曜日 7:47:50)

日本語サイトに限ると、「求診」はそんなに少ないのですか。とすると、やはり「中国語」で今も使われている言葉なのでしょうかね。
「秒殺」は聞いたことがあります。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 22日 土曜日 17:13:56)

「辞書(広辞苑・新明解国語辞典)にない言葉」だと思ったら、「辞書(日本国語大辞典・第二版)にあった言葉」として、「座学」。
私は会社に入った18年前(1984年)の社内研修で始めて耳にしました。今、読んでいる「大学生の常識」(鈴木雄雅著・新潮選書・2001,11,15)という本の中で出てきます。(53ページ・135ページ)
大学などではよく使われるのでしょうか。「日国大」によると「軍隊用語」だそうですが。


POP3 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 22日 土曜日 20:33:05)

私は理学部出身ですが,「座学」と言う言葉を大学周辺で見聞きした記憶はありません.
ただ,フィールドワークが必要な生物系や地球科学系で使っていた可能性は考えられます.

初めて耳にしたのは,数年前に親戚の一人(昭和一桁生まれ)で素人ながら歴史の研究をしている人に「座学だけでなく,史跡を実地に訪れてみよう」と言われたときです.

読んだ方では,かつての士官学校・兵学校に触れた文章で出会ったように記憶しています.
確実なのは,阿川弘之「日本海軍に捧ぐ」(PHP文庫)・13ページの記述で,
それによると海軍予備学生が日課として受ける講義が「座学」と称されていた事が窺えます.

PS.以下は道浦俊彦さんへの揚げ足取りで失礼ですが,以前,あるアメリカ映画についての文章の中で,真珠湾攻撃の際にZ旗が掲げられたことに疑問を呈しておいでのように記憶しますが,これは史実です.
Z旗はその後のマリアナ沖海戦の際にも掲げられております.
もちろん道浦さんの文章の価値を左右する事ではありませんが,ちょいと気になりましたので.

この会議室の趣旨と無関係な記述で失礼いたしました.


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 22日 土曜日 21:37:40)

POP3さん、ご愛読&ご指摘、ありがとうございます。
真珠湾の話、原稿をチェックしておきますね。

それから「座学」は確か私も阿川弘之さんの文章で目にしたような気がします。いや、もしかしたら、安岡章太郎さんかもしれませんが。そのあたりの世代の方には、ごくフツウの言葉なのかも知れませんね。

「座学」の「日国大」における記述(説明)を、短いので引き写しておきますと、
「主として軍隊で、演習、訓練、体育などの実技に対して、講義形式の学科をいう。」
用例として、「草のつるぎ」(野呂邦暢・1973)から「座学は一時間で終った」

と出ていました。


小駒勝美 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 26日 水曜日 14:40:10)

某私立小学校の出身です。
毎年初夏になると「高原学校」というものがありました。山のほうで何泊かしてハ
イキングしたりするのですが、雨が降って予定が流れたとき、大広間などに子供を
集めて先生が授業するのを「座学」といっていました。
昭和30年代後半の話しです。


後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 26日 水曜日 15:28:10)

>「座学」は確か私も阿川弘之さんの文章で目にしたような気がします。
阿川弘之『海軍こぼれ話』に4例。
他に、 もりたなるお『土俵に棲む鬼 相撲小説集』に3例。

私の知識では、「座学」は医学教育その他の分野で「実習」に対立するものとして
よく使われるようです。

Google: 座学 実習


かねこっち さんからのコメント
( Date: 2001年 12月 30日 日曜日 12:18:59)

テレビの大食い番組が好きです(家族はいやがりますが)。
ラーメンや牛丼のドンブリを重ねるたびに出てくる言葉が
「完食」です。
残さず食べきることというほどの意味で、頻繁に耳にします。
大辞林には見あたりません。
ATOK13でも変換しません。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 04日 金曜日 0:13:40)

 うちでも見ていました。一度だけ「完飲」ということばも聞かれました。


かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 13日 日曜日 22:47:37)

「語嚢」はときおり目にする気がしますが、大辞林、新明解に見あたりません。
ネット検索でもけっこうヒットします。

よみ方は、「ごのう」でいいんですよねぇ(笑)


後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 15日 火曜日 12:41:40)

>ネット検索でもけっこうヒットします。
「語彙」の誤入力・誤認識も多そうですが…

Google: 語嚢


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 15日 火曜日 19:15:47)

誤入力・誤認識でも、素直に検索してくれるというのは、「誤字」を探すのにも便利ですね、ネット検索って。当たり前のことながら、感激!


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 15日 火曜日 19:23:44)

さっそく、以前まちがって覚えていた「のべつくまなし」(正しくはもちろん「のべつ幕なし」)をGoogleで検索したら、53件出てきました。よかったー、私一人じゃなかったんだ、こんな間違いしてたのはー。
ただし、「伏魔殿(ふくまでん)」を「ふしまでん」、「野(や)に下る」を「のにくだる」といったふうに私は覚えていたのですが、これは、漢字で出てくる限り区別はつきませんから、同じような間違いをした人のことは見つけられないですね。


かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 16日 水曜日 16:01:47)

>「語彙」の誤入力・誤認識も多そうですが…

OCRソフトが「彙」を「嚢」と誤認識するかどうかはともかく、誤入力はどうやって
「誤」るのでしょうか(笑)

「語嚢」を確信をもって用いた例が見つかりましたので、挙げておきましょう。
 
 小説家になるためには、何よりまず、自分のボキャブラリーを豊富にしなければならぬ。
 ボキャブラリーとは言語のズタブクロのことで、棋士の和服姿を描写するにしても、単に
 和服というだけではニュアンスがなさすぎる。
 (三堀将「黒白縦横」東書選書 昭和57年1月18日第3刷 
 第三章 囲碁術語考 「語嚢(ボキャブラリー)を豊かに」 P.205より)

一文のタイトル「語嚢(ボキャブラリー)を豊かに」の「語嚢」には「ごのう」のルビが
あります。
著者の三堀将氏は明治43年神奈川県生まれ、戦前に読売新聞の囲碁観戦記者「覆面子」と
して活躍し、その後も囲碁に関する著書多数。
引用した、第三章 囲碁術語考の部分は囲碁月刊誌「棋道」に連載されたものに加筆して
まとめ直したものだそうです。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 16日 水曜日 17:46:47)

校閲はどうなってるんでしょうね。まさか、校閲の人が間違えたということは、ない・・・とは思いますが。昭和57年だと、もうコンピューターでやっていて、活字を拾ったりはしてないんでしょうか?活字を拾うのであれば、その際に間違ってよく似た画数の多い活字を拾ってしまったとか。でもルビに「ごのう」とあったのでは、万事休、か。しかしルビは本人が振ったとは限らないし・・・。なにも三堀氏の肩を持つ訳ではないのですが。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 16日 水曜日 17:48:44)

「万事休す」です。「す」を消してしまいました。。。


かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 16日 水曜日 18:43:42)

>校閲はどうなってるんでしょうね。

え?
なにか私の意図とは全然別のお話になっているようですね。
「語嚢」という言葉はありますよ、目にしませんでしょうか。
辞書にないだけでしょう。(載っている辞書もあるかと思いますが)
私が引用した本の初版は昭和54年ですし、「棋道」の連載はさらにその前です。
その頃にOCRなど存在しませんし、著者自らが「言語のズタブクロ」といっているのですから
誤植などであるはずがない。

ネットの検索で「語嚢」が出てくるサイトをよく見ると、語学関係が多いようです。
これらがみな、誤入力(これがどうしたら起きるかわかりませんが)、誤認識の産物で
ありましょうか。


後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 16日 水曜日 19:52:24)

>>「語彙」の誤入力・誤認識も多そうですが…
>OCRソフトが「彙」を「嚢」と誤認識するかどうかはともかく、誤入力はどうやって
>「誤」るのでしょうか(笑)

私は、Googleの検索結果のうち、以下のものは明らかに何らかの理由による
誤入力・誤認識に起因するものと思います。
http://homepage2.nifty.com/polan/jimu/backnumber/jimu022.html
・原子朗『官沢賢治語嚢辞典』
(cf. http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=06356143
なお「官沢」にも注意)

http://lapin.ic.h.kyoto-u.ac.jp/fling-arch/fling1101-1200/fling-103.txt
以下はOCRソフト MacReader Proで読みとったものそのままです。
 大語嚢連続音声認識用新聞記事読み上げコーパス  武田一哉
(cf. http://www.itakura.nuee.nagoya-u.ac.jp/sjis/research/BIB/)

次のものもその可能性が極めて高そうです。
http://www.waseda.ac.jp/koho/book/kiyo99.html
・語嚢調査データによる基本漢語の抽出 野村雅昭


後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 16日 水曜日 22:44:28)

同じくGoogleの検索結果のうち
http://www.hyogo-c.ed.jp/~kennishi-hs/douhyou/douhyou-13.htm
>40.日  本  語 金田一春彦 岩 波新 書
>日本語の特色を、発音・語嚢・表現の三方面から研究し、外国語との対比や
>日常生活の卑近な事例に基づいて分かり易く興味深く説明。
は、このページの作者による本の内容紹介であるようですが、当該書には
「IV 語彙から見た日本語」という章があり、「語彙」という語は頻繁に
現れます。この紹介で「語彙」と書こうとしたが、何らかの理由によって
「語嚢」と入力されてしまったと考えるのが妥当ではないでしょうか。


かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 16日 水曜日 22:50:08)

後藤斉 さん
お手を煩わせてしまっているようで、恐縮です。

なるほど、誤認識は他にも疑わしいものがありますね。
「首 長 に 聞 く」
という下記URLにおいても、
インタビュアーの「------言葉の力といえば、市長は独特の語嚢を駆使して(略)」
という記述が見えますが、その後に、市長の「(前略)そのためには戦わなければなりません」
を受けて「------何と戟うんですか?」とあります。
この「戟う」は誤認識の疑いが濃厚ですね。
となると、このサイトの「語嚢」も「語彙」の誤認識でしょうか。
http://www.jititai.com/d/nespaper/zasi/kohou/kohou-2001-10.htm

金田一春彦氏の著作については我が家にも現物がございまして確認済みです。

検索結果の中に「語嚢」を意図的に使っていると思われるサイトもございましたので、メールを
出して確認してみることにしましょう。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 17日 木曜日 7:37:16)

恥ずかしながら、「語嚢」という語は、私の「語彙」にはありませんでした。(勉強になりました。)その流れから、「語彙」の誤入力・誤認識による「語嚢」の話をされているのだとばかり思っていました。
「語嚢」は、翻訳語ですか?だとすると、元の言葉は英語?ドイツ語?


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 17日 木曜日 7:57:41)

Googleで29件、Yahooで28件「語嚢」、ありました。
かねこっち様
「語嚢」が載っている辞書もあるかもしれないということですが、どんな辞書に載っているのでしょうか?漢和辞典?それとも言語学の専門辞書でしょうか?お教えいただければ幸いです。
手元の国語辞典7種類ほどにあたったのですが、載っていないのです・・・。よろしくお願いします。


かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 17日 木曜日 12:33:54)

道浦俊彦さま

>「語嚢」が載っている辞書もあるかもしれないということですが、どんな辞書に
>載っているのでしょうか?

さあ(笑)
手持ちの辞書は大辞林、新明解、大漢語林などですが、そこに見えないので投稿
いたした次第です。
なにしろ「辞書にない言葉」ですから。

他の辞書をあたってはいないのですが、先に挙げた一文の著者三堀将氏は「語嚢」
をボキャブラリーと同義に使っているようです。
氏は東京大学経済学部卒業で、昭和7年読売新聞入社といいますから、高等教育は
昭和初期ということになろうかとおもいます。
氏が学んだ古い英和辞典などに vocabulary の訳語として記載されている可能性は
あるかも知れません。

ところで「語彙」という言葉はどうなんでしょうか、これ漢語でありましょうか。
明治期に拵えられた和製の翻訳語のような感じもしますね。
もし和製ということであれば、vocabularyの訳語として、ある時期「語彙」と
「語嚢」が並立していた時期があったということも・・・。
このあたりは、まったく根拠に乏しい思いつきです。


豊島正之 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 17日 木曜日 17:36:12)

「彙」が常用漢字にないので「語囲」に書き換えては、という提案が
昔ありましたが、余り目にしない様ですね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 18日 金曜日 7:32:52)

かねこっち様
そ、そうだった、このスレッドのタイトルは「辞書にない言葉」だった!実際のところ、すっかり忘れていました。情けない・・・。

Googleで「語囲」を検索すると、「”ゴールと変換”という本で著者が「語彙は語囲にせよと言っている」と出ていたほか、拓殖大学の浦和幹男ゼミの紹介に「南アメリカのスペイン語囲諸国の言語を題材に」という記述が。これはもしかしたら、「スペイン語圏」の「圏」が、なぜか「囲」に誤植されてしまってのではないでしょうか?その浦和先生がキーボードで入力してはいないと思われますので。


岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 21日 月曜日 15:58:52)

 子供が学校から持ち帰ったもので見たのですが、今はやっていると言う、「愛の歌」でしたか、ピグミンでしたか、ピクミンでしたかの歌。

 「ほったかされて」と書いてあります。これは「ほったらかされる」と「ほっとかれる(放って置かれる)・ほっとかされる(放って置かされる)」の混交したものでしょうか。「たらかさ」とア段が連続するから「ら」が落ちてもそんなに不思議でもない気もしますが。

「ほっとかされる」は検索したらありました。「ほったかされて」で大量にヒットするのは、そのピグミン関係のものがほとんどのよう。
以下のものは、非ピグミン。

薔薇館殺人事件


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 15日 金曜日 15:01:31)

少し間が開きましたが、「座学」の使用例、
外山滋比古「ことばの姿」(芸術新聞社・10980・4・25)の中で、
「体育でも、いまの中学生はスポーツごとのルールを実に良く知っている。やって知っているのではない。座学で勉強し、試験されるから覚えるのである。」


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 20日 水曜日 0:36:09)

以前「文字列」は載っていない、コンピューター用語か?と書きましたが、1979年に出た樺島忠夫さんの「日本の文字〜表記体系を考える〜」(岩波新書)の9ページなどに使われていました。専門用語は専門用語のようですが、昔からあったのですね。


花岡公夫さん(旧会議室からの岡島による転載) さんからのコメント
( Date: 2002年 04月 09日 火曜日 12:51:29)

 マンション売出しのちらしで「隣戸間の音を遮断」という表現を見ました。
「隣戸」は「大辞林」「広辞苑」「岩波国語辞典」「新潮国語辞典」にはありません。建築基準法でいう「長屋又は共同住宅で隣接する住戸」のことだと思います。
広告に載っているということは一般的な用語になっているんでしょうか。


Hide さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 12日 金曜日 22:47:48)

初めて書き込みいたします。
辞書にない言葉で真っ先に思いつくのが「チャリンコ」です。
現在、若者の半数以上が、日常、「自転車」でなく「チャリンコ」または略して「チャリ」という言葉を使用しているのではないかという気がします。
これほど頻繁に使われて辞書にない言葉の例は他にないのではと常日頃考えていましたので、つい書き込みさせていただきました。


辞書引き さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 13日 土曜日 23:13:23)

 近頃の辞書は載せてくれています。でも「ちゃり」は無いようです。

goo大辞林「ちゃりんこ」


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 15日 月曜日 16:50:09)

「辞書」と言ってよいのかどうか・・・普通の国語辞書ではないですが、2002・6・10に出た「辞典・新しい日本語」(井上史雄・鑓水兼貴、東洋書林)には、「チャリ」「チャリキ」「チャリンコ」も載っています。


ヒカル さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 22日 月曜日 17:12:17)

はじめまして。
最近知った言葉で「六何(ろっか)」というのが、辞書を探しても載っていないのです。何かご存知ないでしょうか?
新聞販売店の研修のプリントに載っていたもので、意味は英語の”5W1H”と
同じだそうです。
研修を受けた本人は、造語だろうと言っていましたが・・・。


辞書引き さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 22日 月曜日 17:49:45)

 辞書引きだが、googleも引く。

Google 検索: 六何 5w1h


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 23日 火曜日 00:03:24)

私も初めて知りました。中国語ですかね?


岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 23日 火曜日 13:39:31)

googleの最初の方は中国語みたいですが、下の方のページを見てみると、戦時中に敵製語をいいかえた、とありますね。「ろっかのげんそく」と。

「官公庁などでは現在でも研修などで頻繁に好んで使用される」

http://obuchi.naikaku.com/angriff/log/mil/02/sec001.html


ヒカル さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 24日 水曜日 20:37:58)

ありがとうございました。
googleの中国語のような文を見ていると、中国でも同じ意味で「六何」と
いう言葉があるのかなぁと思いました。

研修の講師の方は、新聞社を退職された結構年配の方だったそうなので、そんな
かたい(?)言葉を使われるのも納得・・・という気がします。

不勉強なわたしですが、またときどきお邪魔させてください(≧∇≦)


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 05日 木曜日 13:07:24)

2002.09.03 NHK「プロジェクトX・運命の最終テスト――ワープロ・日本語に挑んだ若者たち――」は、初のワープロ、東芝JW-10の開発秘話を特集したものですが、その中のナレーションにこうありました。

河田〔勉さん〕は国語辞典からよく使おうことばを選ぼうとした。しかし、最も大事なビジネス用語がなかった。自分の会社をへりくだる「弊社」も、納品された品物を確認する「検収」もない。このままでは会社では使えない。
「そうそう、検収って載ってないんだよな」とうなずきました。会社勤めの知人・友人と話していると、「検収作業」などとごく日常的に出てくることばで、けっして狭い業界用語ではなさそうですが、いっこうに載りません。

いや、正確には中型辞典には最近載りました。『大辞林』は第2版から、『広辞苑』は第5版には載っています(第4版がどこかに行ってしまったのですが、記憶では載っていなかったはず。第3版にはありません)。『日本国語大辞典』にもないため、「日国.NET」への投稿候補となります(文学作品などの用例があれば投稿しやすいのですが、未見)。

主だった小型辞典はほぼ全滅。『新明解』『三省堂』『新選』『集英社』(初版のみ確認)『新潮現代』には「検収」はなし。『岩波』第5版だけは「検収」を採っています。『岩波』第3版にはありません。4版はどうなのでしょうか。

「検収」は字面から意味を推測しにくいため、国語辞典には載っていてほしいものです。

「弊社」は、現在はだいたい入っていますが、『新明解』にはありません(「弊」の用例にもなし)。『岩波』第3版にはなかったのが第5版には入っています。『日本国語大辞典』には初版からあり、第2版で用例がさかのぼりました。ワープロ開発当時(1970年代前半)ではどれぐらいの辞書が載せていたのでしょう。

『三省堂』で「自分の会社・神社をけんそんして言うことば」と、「神社」を入れているのが独特です。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 05日 木曜日 13:11:14)

正誤
× よく使おうことばを選ぼうとした
○ よく使うことばを選ぼうとした

×(1970年代前半)
○(1970年代後半)

失礼しました。 


POP3 さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 05日 木曜日 14:59:07)

弊社は,『新明解』第2版では漢字の造語成分の欄に用例として記載されています.
同じ所に弊館・弊国・弊紙・弊誌・弊村・弊店・弊舗・弊商会も載せられています


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 05日 木曜日 18:33:17)

POP3さん、すみません。私は「長年の弊」などという、弊害の意の「弊」の項目しか見ていませんでした。基本的なミスでした。漢語の造語成分欄には初版から載っていますね。


skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 06日 金曜日 03:42:58)

「弊社」は『ことばの泉』などの主だった辞書に載っていますね。
昭和18年の『明解国語辞典』にもありました。
1970年代の辞書については後ほど。


skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 06日 金曜日 04:58:21)

1970年代に発行された国語辞典で「弊社」が載っているかどうか調べました。
○=見出し項目として掲載。
△=漢字母項目に造語として例示。
×=見あたらない。

1970年 ○旺文社国語辞典(改訂新版)
1971年 △岩波国語辞典(第二版)
    △旺文社標準国語辞典(改訂版)
1972年 △新明解国語辞典(初版)三省堂
    ○講談社国語辞典(改訂増補版)
1973年 ○冨山房国語辞典(改訂第一版)
    ○広辞林(第五版)三省堂
    △旺文社標準国語辞典(新訂版)
    ○旺文社国語辞典(新訂版)
    ○角川国語中辞典
1974年 ○三省堂国語辞典(第二版)
    ○新潮国語辞典(改訂版)
    ○新選国語辞典(新版)小学館
    △新明解国語辞典(第二版)三省堂
1975年 ○日本国語大辞典(初版)小学館
    ○精選国語辞典(初版)金園社
    ○新小辞林(第二版)三省堂
    △清水国語辞典(修訂版)清水書院
1976年 ○広辞苑(第二版補訂版)岩波書店
    △学研国語辞典(改訂新版)
1978年 ○学研国語大辞典(初版)
1979年 ×旺文社標準国語辞典(新版)
    △岩波国語辞典(第三版)

というわけで、「弊社」が国語辞典に載っていなかったというのは真っ赤なウソになります。

    


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 06日 金曜日 08:40:50)

skidさん、壮観ですね。胸のつかえがおりました。

「プロジェクトX」の再現映像部分で確認しても、その国語辞典が何であったのかは分かりません。どうせ再現映像ですから、表紙か何か映っていてもしょうがないわけですが。

紀田順一郎『日本語大博物館』(ジャストシステム、1994)にも「弊社」のことが出ていますので、NHKの独走とまではいえないようです。

 もう一つ、予想外に手間がかかったのは単語辞書の作成だった。市販の適当な辞書(紙辞書)から語彙を選択したら、という考えはすぐに壁に突き当たってしまった。それらの辞書には、事務文書で頻用度の高い語彙(貴社検収、帳票、お慶び)といった語彙をはじめ、一般的な固有名詞(佐藤、斎藤、吉田)、接辞を含んだ派生語(お手伝いさん、同傾向、高精度)、やまとことば(きみどり、まっさらな、しらぬの[白布])などが収録されていないことに気がついたのである。このためにまとまった研究資料は存在しなかったので、高校教科書や用字用語集、事務文書規範などの類から語彙を採録しなおすことからはじめなければならなかった。国語研究所に資料の提供を仰ごうとしたところ、一企業のために提供はできないと断られた。
(p.272-273)
のだそうです。この本が出て以降も、「検収」を頑として載せない(?)辞書が多いのは、考えあってのことでしょうか。「帳票」を載せる辞書も少ないようです。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 06日 金曜日 08:46:06)

↑われながら不思議なことを書いてしまいました。紀田氏『日本語大博物館』に載っているのは「貴社」であって「弊社」ではないですね。自分で引用しておきながらおかしなことです。

たしかに「貴社」を立項せずに「貴」の造語成分として入れてある辞書もあります。それでは技術者としては作業しにくいということでしょうか。


skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 06日 金曜日 11:00:48)

番組があることは知っていたのに、5万字の漢字を使うとか、いいかげんな予告だったので、つい忘れて他の番組を見てしまい、再放送も見逃しました。
「弊社」を調べた後、私も『日本語大博物館』に「貴社」と書いてあったのを見て、ちょっと戸惑いました。
結局、「貴社」も調べてみると、掲載率は落ちましたが載っていないと言い切ることはできません。

「弊社」……○=15点、△=7点、×=1点
「貴社」……○=12点、△=5点、×=6点


skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 12日 木曜日 08:44:23)

「検収」や「帳票」は、いつ頃から使われているのでしょう。
『三省堂国語辞典』に載っていないということは、一般の新聞や雑誌にはほとんど見あたらない専門用語と見るべきでしょうか。
1986年に出た『ビジネス百科辞典』(小学館)には、どちらも載っていました。
「帳票」とは帳簿や伝票・届け出用紙類の総称なので、略語ふうですね。
「検収」も検査して受け取ることを略して言っているような感じ。
現代中国語の辞典に「検収」がありますので、中国語から借用したものかもしれません。
日本語としては「査収」と意味合いが違うから?


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 12日 木曜日 09:50:32)

ごめんなさい、ちょっとずれますが、「専門用語」と思われるものを和歌山で目撃。それは、
「支庫」
「支社」「支所」「支店」「支局」「支流」などは使われますが、同じような使われ方で、要は「倉庫の支所」ということ。
「日本国語大辞典」にはかろうじて載っていましたが(さすが!)、「広辞苑」「新明解国語辞典」には載っていませんでした。使用頻度は低いでしょうねえ。


skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 12日 木曜日 13:28:14)

日刊工業新聞社の辞典で、検収と帳票を見つけました。
見出し項目として以下のように載っています。
『IE用語辞典』1967年(IE=インダストリアル・エンジニアリング)……「検収」「帳票管理」
『経営工学用語辞典』1968年……「検収」「帳票」「帳票管理」「帳票制度」


畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 12日 木曜日 13:28:46)

サラリーマン生活を長く経験した者として、私なりに次のように解釈しております。

【検収】・・・ある納品を間違いなく受領すること
【帳票】・・・一般文書のうち、ある程度フォームが定まったもの

事務を長く担当した者としては、これらのことばには違和感はなく一般的なことばと思っておりました。
しかし、みなさんの発言や辞典にないことなどから、事務用語あるいはお役所用語かもしれませんね。


skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 12日 木曜日 15:56:19)

最近買った日韓辞典には、なぜかちゃんと「検収」「帳票」が載っています。
この辞典の編者は4名で、うち2名が日本人です。
序文はハングルなので全く分からないのですが、わずかに日本語表記があります(ひらがな表記はルビとして小さく記載)。
実用的な語彙を掲載した努力をアピールしているのでしょう。

厚底靴あつぞこぐつ
遠交えんこう……「援交」の間違い
テレカ
花金はなきん
早弁はやべん
フリーター

太陽政策たいようせいさく
短たんプラ
底値百日そこねひゃくにち

テクハラ……「セクハラ」? テクノロジー・ハラスメントか
フラレタリア……「プロレタリア」? ふられた人のことか
ホタル族ぞく
メル友ゆう……「メル友とも」の間違い

最後の四つは未掲載です。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 12日 木曜日 17:06:05)

また、横道に逸れますが、辞書に載ってなかった言葉として、
「改刷」(かいさつ)
新しい種類のお札を発行することのようです。財務省印刷局のホームページに載っていました。
耳で聞くとどう聞いても「改札」だと思って、「そんな用法があるのか?」と驚きました。


skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 12日 木曜日 23:20:54)

日本印刷学会編『印刷事典』第五版(印刷朝陽会、2002年)にも「改刷」なんて載っていないですね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 13日 金曜日 10:49:16)

そうですか、印刷業界の専門用語にない、ということは、財務省(大蔵省)用語でしょうかね?
9月9日のフジテレビ朝のワイドショー「とくダネ!」の中で、桜井堅一朗アナウンサーが「カイサツ」と2回言ったのを聞いて、驚いて調べたら、財務省のHPに「改刷」が載っていたというわけです。


skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 13日 金曜日 11:26:38)

『印刷事典』の編集委員には毎回必ず印刷局の方が参加していて、第五版では2名いらっしゃるのですが、初版からどの版にも「改刷」はありません。
もっとも、「改版」も載っていないので、印刷用語というほどのものではないという判断でしょうか。
昔の辞典類の奥付には、改訂をした後の増刷を意味する「第○改刷」「第○改版」といった記載がされていたことがあったはずです。


UEJ さんからのコメント
( Date: 2003年 03月 19日 水曜日 15:50:54)

「木調家具」などとして使う「木調」がIMEで変換できず(「木彫」がでてくる)、広辞苑、大辞林、新明解等の辞書を調べても載っていませんでした。
googleでは約3,110件ヒット。
私は日国は持っていないのですがいかがでしょうか。


辞書引き さんからのコメント
( Date: 2003年 03月 19日 水曜日 16:48:51)

載っていません。


skid さんからのコメント
( Date: 2003年 03月 19日 水曜日 18:16:09)

木目調ということでしょうか。


UEJ さんからのコメント
( Date: 2003年 03月 21日 金曜日 09:31:42)

> 木目調ということでしょうか。

そうですね、ほぼ同じ意味だと思います。
テレビショッピングでよく耳にするような気がします。


km さんからのコメント
( Date: 2003年 03月 27日 木曜日 12:05:06)

高田馬場駅の近くにこんな看板がでていました。

下水道工事施工中の為
点字ブロック及び、仮復旧中の
不陸があり、大変ご迷惑をおかけ
致しております。
四月中旬までには、完了いたします
ので、よろしくお願い致します。

この「不陸」ですが、日本国語大辞典には「ふろく」で出ていますが、現在は「ふりく」と読むようです。

リフォーム ホームプロ/住まいの用語集


畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 04月 03日 木曜日 07:20:08)

【丸なげ】
かって、この欄(検索しましたが出てきません)で取り上げさせてもらいましたが、当時はまだ少数派。
最近、小泉首相の丸なげ問題でマスコミをにぎわしています。
そのうち、ほとんどの辞書に掲載されるかもしれません。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 04月 03日 木曜日 09:39:30)

「丸投げ」という表記で載せられたものですね。

辞書にないことば


畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 04月 03日 木曜日 18:49:14)

すみません。
「丸なげ」でなく「丸投げ」だったんですね。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 04月 20日 日曜日 22:43:55)

#以前の掲示板システムでは、ある程度の分量を超えると、新しいスレッドを作って、それに続くようになっていたのですが、現行システムではそうなっていません。どちらに書き込もうか迷ったのですが、ここに書くことにします。

「カツゼツ」(滑舌・活舌)についての発表が近代語研究会であるようです。

第204回 近代語研究会春季発表大会
期日:平成15年 5月16日(金)午後1時〜6時
会場:大阪女子大学管理棟小講堂
(4)3:30〜4:15
   「カツゼツ」の語誌 花園大学 橋本 行洋氏

なお、私のその後の調べでは、岡本稲丸『近代盲聾教育の成立と発展 古河太四郎の生涯から』日本放送出版協会1997によれば、明治39「日本昔日の聾唖」(講演草稿)に、


閉口中ノ活舌ヲ見スル法ナキヤ
閉口中活舌ヲ示ス便法ト申ハ

というのがあるらしいこと。ただしこれはやや意味が違うか。

山田美妙『新編漢語辞林』に「滑舌」があるらしいこと。『雅俗漢語字類』に「滑舌 ぬからぬ口」とあるらしいこと。
田島優『近代漢字表記語の研究』(和泉書院1998)の130頁に、
鰌吉モ亦相共ニ和シテ滑舌喋々詼謔(ペチヤ/\ジヨウダン)百出一席ノ興味正ニ甜(タケナハ)ナリ
という用例があるが、手元のコピーでは喉が黒く「明治十三年」というのは見えるが、作品名が見えないこと。

などが分かっておりますが、橋本氏の発表が楽しみです。


skid さんからのコメント
( Date: 2003年 04月 21日 月曜日 03:30:08)

山田美妙『漢語故諺熟語大辞林』明治34年
  滑舌 クチのヨクマハルコト。=オシヤベリでアルコト。=油嘴。

山田美妙『新編漢語辞林』明治37年
  滑舌 オシヤベリ。

とりあえず引いてみました。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 04月 21日 月曜日 09:29:25)

skidさん、有り難うございます。

『雅俗漢語字類』と書いたのは『雅俗漢語訳解』(市川清流、明治11)のあやまりでした。中国語系ですね。「あるらしい」と書いたのは、佐伯富氏の索引を見たからです。
また、元ネタへのリンクを張り忘れておりましたので以下に書きます。

辞書にないことば


岡島 さんからのコメント
( Date: 2003年 05月 10日 土曜日 01:48:06)

Yeemarさんが、トップバッターについて書かれ、私が筒井康隆「講演旅行」(『俺に関する噂』)と、「嵐を呼ぶ男」(1957年日活)を報告しましたが、消えてしまいました。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 06日 土曜日 12:12:02)

以下でより新しい話題が進行しています。
思うに、今後だんだん錯雑してくるでしょう。「トクトク」の掲示板の運命でしょうか。

辞書にないことば #


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 06日 土曜日 12:50:19)

トクトクのせいというよりも、私の管理不足が原因です。

福井大学にサーバーがあったときには、cgiがファイルの大きさ制限をかけて、それを越えると新しいファイルを作っていましたが、現在のcgiはそれをしていません。ですから、それが分かっていればスレッドの統合をはかるべきでしたが、気づいておらず、行えませんでした。
現在は錯綜してしまっているので、統合はより困難となっております。


益山 健 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 08日 月曜日 23:39:51)

下のページより:
私がいつも調べるのが
「律速」 りっそく
である。これは化学用語で反応が進むにおいて一番ネックになる反応段階のことだが、
これの意味が出る辞書は見たことがない。こう言うのを出せる辞書が欲しいのだ。

「電子辞書」


益山 健 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 08日 月曜日 23:41:59)

Google では「律速」は 32,700 件(日本語のみ)でした。

「律速」を普及させる会


佐藤 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 09日 火曜日 00:03:47)

「律速段階」ではだめ? インターネット上の『大辞林』で、前方一致で「律速」を検索すると出てきます。

アサヒコムの辞書検索


益山 健 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 09日 火曜日 00:08:24)

上記 Google は「律」と「速」べつべつに出てきている場合を数えているようです。"律速" で検索したら 6,700件に減りました。


益山 健 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 09日 火曜日 00:23:32)

反応律速(191) 拡散律速(659) 律速段階(1740) 律速過程(374)
律速する(337) 律速して(218) 律速となる(208) 律速な[+のか,のだ](49)

たしかに「律速段階」の形で使われることが多いようではあります。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 11日 木曜日 09:02:52)

 「差し芽」とテレビの中の人が言っているのに「挿し木」と字幕が出る。

日本国語大辞典にも載っていませんが、googleで、「差し芽 OR 差芽」を検索しましたら、約796件出ました。

「専門用語は面白い」の方に書こうかとも思いましたが、位相が分からないのでこちらに。

専門用語は面白い


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 09月 11日 木曜日 09:05:33)

「挿し芽 OR 挿芽を検索しました。 約8,990件」を書き忘れていました。


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 10月 19日 日曜日 17:37:46)

「PTAで目についた言葉」なのですが、「責任出席」という言葉があり、どうやら動員のことらしい。googleでもいくつかヒットするが、兵庫県でよく使う表現なのかも知れない。
どうにも熟さないし、分かりにくい言い方であるように感じます。

(これは2004.1.15に書き込んだものですが、サーバの不調により日付が狂っています)


佐藤 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 05日 金曜日 19:54:02)

かっせん【割鮮】
料理屋の名前に冠して使われる言葉です。グーグルだと「"割鮮"」で約673件。まだこれからの言葉ですが、検索されたサイトの中に「割鮮野食=鮮を割き野に食す」〔班固・西都賦〕と挙げるものがあり(鮮──漢字家族)、意味はともかく、語の経緯・歴史として直結するかどうか。ただ、『美味しんぼ』で「昔の言葉だが、私が復活させた」のようなセリフを見た記憶があります。


佐藤 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 05日 金曜日 21:12:03)

『日本書紀』雄略二年に「割鮮」があり「なますをつくる」などと訓ずるよう。「割鮮野饗」を踏まえたらしい表現もある模様です。


新会議室「辞書にないことば###」に続く

posted by 岡島昭浩 at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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