みなさん初めまして。原田といいます。
ずっと気になっていることがありまして、「当て字」のような言葉です。
タイトルの通り、「手の平」は「掌」とも書きます。
他に今わかっているものは・・・
二度 再び
先駆け 魁
敷居 閾
紐解く 繙く
片寄る 偏る
心良い 快い
があります。
このほかに何か思いつきますでしょうか?
また、このような例の呼び方は特にありますか?
では、また遊びに来ます。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 28日 日曜日 1:49:50)
「このような例の呼び方」があるかどうか知りませんが、
「朝」を「あさ」と読むのは〈単純語の和語による訓〉、
「旭」を「あさひ」と読むのは〈複合語の和語による訓〉と
言えば区別できるでしょうか(築島裕『平安時代の漢文訓読
語につきての研究』p.210の表現などを参考にしました)。
現代語の例として、『岩波国語辞典』には次のようなものが
ありました。
*複合語を、その各構成要素に対応する漢字で表す場合と、
全体に相当する漢字で表す場合とがある例:
朝日・旭、 足萎え・蹇、 穴蔵・窖、 兄嫁・嫂、
甘酒・醴、 粗金・鉱、 石弓・弩、 馬屋・厩、
大鹿・麋、 面影・俤、 瘡蓋・痂、 形木・模、
片寄る・偏る、唐鋤・犂、 櫛笥・匣、 頸木・軛、
木枯らし・凩、木霊・谺、 言付け・託け、言葉・詞、
言祝ぐ・寿ぐ、先駆け・魁、 枝折り・栞、 敷瓦・甃、
仕付け・躾、 四手・垂、 竹叢・篁、 仲立ち・媒、
生臭い・腥い、花房・英、 火打ち・燧、 火切り・燧、
日照り・旱、 人屋・獄、 紐解く・繙く、太藺・莞、
船端・舷、 矛先・鋒、 火照る・熱る、目映い・眩い、
眉墨・黛、 物憂い・懶い、裳抜け・蛻、 屋形・館、
矢倉・櫓、 屋敷・邸
*それ以外の例として:
無駄・徒、 真木・槙、 土鳩・鴿、 海里・浬、
正木・柾、 麻呂・麿
など。
「手の平・掌」の類例は「竹の子・筍」しか見つかりません
でした。歴史的にはいくらでもあるでしょう。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 28日 日曜日 2:23:04)
余談ですが、こういう例もありました。
藤井紋太夫は完全に言葉を失った。やがて、紋太夫はオロオロとその場に崩折れた。(童門冬二「水戸の三人」『平成六年度 代表作時代小説』光風社出版、1994.05.30発行 p.369)
これは「崩折れる・頽れる」のペアとはならない。なぜなら、「頽れる」は「くづほれる」であって、「折れる」とは関係がないから。
森川知史 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 28日 日曜日 21:57:31)
「玉子・卵」なんてどうでしょう?
森川知史 さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 28日 日曜日 22:02:55)
「静寂・黙(しじま)」なんてのもありますね。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 29日 月曜日 0:49:16)
>>「玉子・卵」なんてどうでしょう?
なるほど、これは『岩波国語』では「卵・玉子」の順で
載っていました。見落としていました。
銅・赤金、 毳・毛羽、 畷・縄手、 羽・羽根
再び・二度、白金・銀
店・見世
これらも『岩波国語』に載っています。「こころよい」
は「快い」のみでした。
かねこっち さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 30日 火曜日 21:30:35)
(Yeemar さん)
> 「手の平・掌」の類例は「竹の子・筍」しか見つかりません
> でした。歴史的にはいくらでもあるでしょう。
木の子・茸、目の子・眼(まなこ)なんかがその(歴史的)でしょうか。
朽縄・蛇、稲妻・電は現代語とはいえませんか。
暴走族グループで 皆殺し・鏖 ってのありませんでしたっけ。
harada さんからのコメント
( Date: 1999年 11月 30日 火曜日 22:57:49)
みなさんありがとうございます。
Yeemarさんの挙げてくださった言葉、1/3くらい自信を持って読めません(-_-;)
それに、「みなごろし」のような難解な漢字は私には出せません。(ATOK11で)
今、私もがんばってひねり出しています。
思いついたらまた書き込みます。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 01日 水曜日 0:49:03)
では、一応よみを添えておきましょう。
皆殺しで連想するものとしては、「血塗る・釁る」とか。
「〜の〜」は、「上の衣(うへのきぬ)・袍」とか。
「湾」で「ミヅノホトリ」とか(図書寮本名義抄)。
こんなものは、一般的な意味で訓といえるのかちょっと怪しくなります。
> 朝日・旭、 足萎え・蹇、 穴蔵・窖、 兄嫁・嫂、
(あさひ) (あしなえ) (あなぐら) (あによめ)
> 甘酒・醴、 粗金・鉱、 石弓・弩、 馬屋・厩、
(あまざけ) (あらがね) (いしゆみ) (うまや)
> 大鹿・麋、 面影・俤、 瘡蓋・痂、 形木・模、
(おおしか) (おもかげ) (かさぶた) (かたぎ)
> 片寄る・偏る、唐鋤・犂、 櫛笥・匣、 頸木・軛、
(かたよる) (からすき) (くしげ) (くびき)
> 木枯らし・凩、木霊・谺、 言付け・託け、言葉・詞、
(こがらし) (こだま) (ことづけ) (ことば)
> 言祝ぐ・寿ぐ、先駆け・魁、 枝折り・栞、 敷瓦・甃、
(ことほぐ) (さきがけ) (しおり) (しきがわら)
> 仕付け・躾、 四手・垂、 竹叢・篁、 仲立ち・媒、
(しつけ) (しで) (たかむら) (なかだち)
> 生臭い・腥い、花房・英、 火打ち・燧、 火切り・燧、
(なまぐさい)(はなぶさ) (ひうち) (ひきり)
> 日照り・旱、 人屋・獄、 紐解く・繙く、太藺・莞、
(ひでり) (ひとや) (ひもとく) (ふとい)
> 船端・舷、 矛先・鋒、 火照る・熱る、目映い・眩い、
(ふなばた) (ほこさき) (ほてる) (まばゆい)
> 眉墨・黛、 物憂い・懶い、裳抜け・蛻、 屋形・館、
(まゆずみ) (ものうい) (もぬけ) (やかた)
> 矢倉・櫓、 屋敷・邸
(やぐら) (やしき)
> 無駄・徒、 真木・槙、 土鳩・鴿、 海里・浬、
(むだ) (まき) (どばと) (かいり)
> 正木・柾、 麻呂・麿
(まさき) (まろ)
> 銅・赤金、 毳・毛羽、 畷・縄手、 羽・羽根
(あかがね) (けば) (なわて) (はね)
> 再び・二度、 白金・銀
(ふたたび) (しろがね)
> 店・見世
(みせ)
harada さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 15日 水曜日 22:17:04)
とうとう見つけました!
皹/赤切れ
ですっ。
ところでこういった例は単に「当て字」と片づけて良いのでしょうか?
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 16日 木曜日 12:37:35)
「一人・独り」
「二日酔い・宿酔い」はどうでしょう?
先日久しぶりに、これになったもので・・・。
沢辺 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 12日 水曜日 13:01:06)
黒子・黶(ほくろ)、笑窪・靨(えくぼ)、目尻・眦(めじり)
というのは、どうなんでしょう?
沢辺治美 さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 08日 火曜日 15:50:40)
以前、平成教育委員会で出題された「莨」(国字らしい)が読めなかった。
「煙草」が体に「良い」とは思えないですもん。
それと、書き方が複数あるのではないのですが、例えば、
「導く」は「道引く」から来ているとか、そういうものって他に無いでしょうか?
もしかして、「瞳」は「人見」から?
沢辺治美 さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 09日 水曜日 16:44:45)
「雀斑(そばかす)」は、「蕎麦滓」でインターネット大辞林に出ていました。
「腸(はらわた)」は、「腹(の)綿」でしょうねぇ。
「こめかみ」は、「米噛み」だけど、漢字が難しすぎる。
「頷く(うなづく)」は、「項(うな)突く」の意だそうです。
沢辺治美 さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 14日 月曜日 14:39:23)
「甦る(よみがえる)」は、「黄泉(から)帰る」だと思います。
「茜(あかね)」は、「赤根」(根が赤の染料だった)。
「羹(あつもの)」は、「熱物」(そのまんま)。
結構この類は、多いようです。
沢辺治美 さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 21日 月曜日 16:24:23)
「礎(いしずえ)」は、「石据え」の意。(『大辞林』も同じ。)
「泉(いずみ)」は、「出水」。(地名にもあるようです。)
「躄(いざり)」は、「居去る」から。(これも放送コードですね。)
「諺(ことわざ)」は、「語業」とありました。
以上、『新明解国語辞典』より
沢辺治美 さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 24日 木曜日 12:22:00)
うきくさ 【浮(き)草・萍】
いびつ 【歪・飯櫃】
いにしえ 【古】 〔「往(い)にし方(へ)(過ぎ去った方)」の意〕
以上、『インターネット大辞林』より
沢辺治美 さんからのコメント
( Date: 2000年 2月 28日 月曜日 16:48:54)
「目蓋・瞼(まぶた)」共に変換できました。
「盲」は「目暗」でしょうねぇ。反対が「目明き」だし。
沢辺治美 さんからのコメント
( Date: 2000年 3月 15日 水曜日 17:05:40)
(やまいだれ)+(坐)→(にきび)という漢字があるらしいです。
普通は「面皰」、古くは「二禁」とも書いたらしいですが、全然ピンときません。
個人的な感覚からすると「肉黍」って感じがするのですが、どうでしょう?