「…っていえば嘘になる」という言い方は、
行った途端に嘘、という強調表現だと思ってましたが、
最近は、「って言いきっちゃうとちょっと違う」くらい
の婉曲表現っぽくなってますね。
皆さんの感覚ではどんなでしょうか。
言魔 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 17日 金曜日 10:10:57)
私のところの姉妹店にこんなコーナーがあります。
私から見ると、この「…っていえば嘘になる」はどちらかというと、「歪曲表現」と
とれます。数学的に考えた時に「マイナス×マイナス」のような表現が昨今多用されて
おりますので、その一つではないかと...
例:
「断る理由は無い」→「お受けいたします」
「キライじゃない」→「好き」
ご指摘の「…」部分には大抵ネガティブな表現が入っているはずです。
だから、近頃の若いモンは...「良くなくない?」なんてぇ
表現をするようになっちまったんですな...
→ 言葉のよろずや
bahutohu さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 18日 土曜日 9:49:56)
言魔さん、早速ありがとうございます。
「げんま」さんでしょうか。「ことま」さんでしょうか。
それとも「ことだま」さん?
歪曲表現というくくりは参考になります。
私は信州の人間ですが、20年前、
「・・・でしょう」という意味で
「・・・しない」という言い方をしておりました。
「彼はもう来ないしない?」というように、
これも歪曲表現でしょうか。
言魔 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 20日 月曜日 17:38:17)
「言葉の魔術師」または「言語学の魔物」でして..「げんま」です。
実は石森章太郎さんの「幻魔大戦」にもひっかけてるんですが..
姉妹店に「言霊の奇行師」もいますが>>>げんれい工房
(いつのまにか40万ヒットしてる...)
>「彼はもう来ないしない?」
は初耳です。「来はしない」という表現はありえますよね。
もっとも、「来ないことはないだろう」という二重否定形もあってしかるべき。
いつごろから使われていたんだろう..
→ 言葉のよろずや
bahutohu さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 21日 火曜日 9:18:13)
「来ないしない?」の語尾はいわば反語になっている
のです。ですから、そこまで意味をつけるとすると
来ない、ということはないのだろうか、いや、ある。
というわけで、来ないだろう、という意味になるわけでした。
目出度し目出度し。
高知には「この天気は変わらんニカワランという言い方があります。
「変わらないかもしれない」という意味らしいですが、
これは、ひょっとして、「変わらん にかあらむ」ではないでしょうか。
畠中敏彦 さんからのコメント
( Date: 1999年 12月 27日 月曜日 8:42:20)
『それは否定しないけど、自分がそういう状況にあるのは
他に合理的理由があるんですよ』
の場合にみなさん(私も)使われるようですね。
強調しているのか、婉曲しているのか判断がむつかしい
ところです・・・。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 1月 30日 日曜日 18:01:48)
福田恆存・宇野精一・土屋道雄『死にかけた日本語』(英潮社1976.4.10)の33頁に「この頃、何かというと、……盛んにこういう表現のしかたをするので気になってしかたがない」と指摘あり。「別に間違った言葉というのではないが、なんとなくごまかしの匂いや、変なずるさが感じられる」