1999年12月16日

「…っていえば嘘になる」は強調?婉曲?(bahutohu)


「…っていえば嘘になる」という言い方は、
行った途端に嘘、という強調表現だと思ってましたが、
最近は、「って言いきっちゃうとちょっと違う」くらい
の婉曲表現っぽくなってますね。
皆さんの感覚ではどんなでしょうか。



言魔 さんからのコメント

( Date: 1999年 12月 17日 金曜日 10:10:57)


私のところの姉妹店にこんなコーナーがあります。
私から見ると、この「…っていえば嘘になる」はどちらかというと、「歪曲表現」と
とれます。数学的に考えた時に「マイナス×マイナス」のような表現が昨今多用されて
おりますので、その一つではないかと...
例:
「断る理由は無い」→「お受けいたします」
「キライじゃない」→「好き」
ご指摘の「…」部分には大抵ネガティブな表現が入っているはずです。
だから、近頃の若いモンは...「良くなくない?」なんてぇ
表現をするようになっちまったんですな...

言葉のよろずや



bahutohu さんからのコメント

( Date: 1999年 12月 18日 土曜日 9:49:56)


言魔さん、早速ありがとうございます。
「げんま」さんでしょうか。「ことま」さんでしょうか。
それとも「ことだま」さん?
歪曲表現というくくりは参考になります。
私は信州の人間ですが、20年前、
「・・・でしょう」という意味で
「・・・しない」という言い方をしておりました。
「彼はもう来ないしない?」というように、
これも歪曲表現でしょうか。



言魔 さんからのコメント

( Date: 1999年 12月 20日 月曜日 17:38:17)


「言葉の魔術師」または「言語学の魔物」でして..「げんま」です。
実は石森章太郎さんの「幻魔大戦」にもひっかけてるんですが..
姉妹店に「言霊の奇行師」もいますが>>>げんれい工房
(いつのまにか40万ヒットしてる...)

>「彼はもう来ないしない?」
は初耳です。「来はしない」という表現はありえますよね。
もっとも、「来ないことはないだろう」という二重否定形もあってしかるべき。
いつごろから使われていたんだろう..

言葉のよろずや



bahutohu さんからのコメント

( Date: 1999年 12月 21日 火曜日 9:18:13)


「来ないしない?」の語尾はいわば反語になっている
のです。ですから、そこまで意味をつけるとすると
来ない、ということはないのだろうか、いや、ある。
というわけで、来ないだろう、という意味になるわけでした。
目出度し目出度し。

高知には「この天気は変わらんニカワランという言い方があります。
「変わらないかもしれない」という意味らしいですが、
これは、ひょっとして、「変わらん にかあらむ」ではないでしょうか。



畠中敏彦 さんからのコメント

( Date: 1999年 12月 27日 月曜日 8:42:20)



『それは否定しないけど、自分がそういう状況にあるのは
 他に合理的理由があるんですよ』

の場合にみなさん(私も)使われるようですね。
強調しているのか、婉曲しているのか判断がむつかしい
ところです・・・。



岡島昭浩 さんからのコメント

( Date: 2000年 1月 30日 日曜日 18:01:48)


 福田恆存・宇野精一・土屋道雄『死にかけた日本語』(英潮社1976.4.10)の33頁に「この頃、何かというと、……盛んにこういう表現のしかたをするので気になってしかたがない」と指摘あり。「別に間違った言葉というのではないが、なんとなくごまかしの匂いや、変なずるさが感じられる」


posted by 岡島昭浩 at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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