最近、ラジオのディスクジョッキー番組を聴いていて、気になり出したのが、「世界観」ということばです。
「この楽曲の世界観がとても気に入ってます」とか「このシンガーの歌う世界観がいいですね」などと、当然のように使われているのです。
言うまでもないことですが、世界観とは、 「世界を全体として意味づける見方。人生観よりも包括的。単なる知的把握にとどまらず、より直接的な情意的評価を含む。広辞苑第5版」と説明されるように、その人が「世界」「外界」「世の中」をどう見るか、という意味のはずです。
でも、ジョッキーたちが使っているのは、敢えて当て字をすれば世界<感>とでも書くのが適当そうな意味なのだろうと思えます。「その曲の世界」「その歌手の世界」の「感じ」がいいとか好きとか言っているようです。
皆さんはどうお考えですか?
ところが、今日、ぼく自身がある本を読んでいて、とうとう文字になった「世界観」の誤用を見付けました。
『Web2.0でビジネスが変わる』(神田敏晶著/ソフトバンク新書)のp.58の次の一文です。
たとえ、ジーンズの宣伝でも、「西部男と夕日」だけは避けるべきだ(たばこのマルボーロのCMと勘違いされるので)。他社の模倣をするのではなく、独自の世界観を作らなくてはならない。
著者は、明らかに、誤用と気付かずに用いています。みなさんは如何お考えですか?