2002年08月01日

ディスクジョッキーが使う「世界観」(森川知史)


 最近、ラジオのディスクジョッキー番組を聴いていて、気になり出したのが、「世界観」ということばです。

「この楽曲の世界観がとても気に入ってます」とか「このシンガーの歌う世界観がいいですね」などと、当然のように使われているのです。

 言うまでもないことですが、世界観とは、 「世界を全体として意味づける見方。人生観よりも包括的。単なる知的把握にとどまらず、より直接的な情意的評価を含む。広辞苑第5版」と説明されるように、その人が「世界」「外界」「世の中」をどう見るか、という意味のはずです。

 でも、ジョッキーたちが使っているのは、敢えて当て字をすれば世界<感>とでも書くのが適当そうな意味なのだろうと思えます。「その曲の世界」「その歌手の世界」の「感じ」がいいとか好きとか言っているようです。

 皆さんはどうお考えですか?


posted by 岡島昭浩 at 21:49| Comment(1) | TrackBack(1) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
2002年に指摘した「世界観」の誤用については、2005年に岡島さんがようやく気付いてくれるまで、誰からも注目されず、岡島さんの書き込み後、また気付かれないまま今日まで来ています。

ところが、今日、ぼく自身がある本を読んでいて、とうとう文字になった「世界観」の誤用を見付けました。
『Web2.0でビジネスが変わる』(神田敏晶著/ソフトバンク新書)のp.58の次の一文です。

たとえ、ジーンズの宣伝でも、「西部男と夕日」だけは避けるべきだ(たばこのマルボーロのCMと勘違いされるので)。他社の模倣をするのではなく、独自の世界観を作らなくてはならない。

著者は、明らかに、誤用と気付かずに用いています。みなさんは如何お考えですか?
Posted by 森川知史 at 2006年07月07日 12:28
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