夜店の屋台などで子供の頃に食べた、割り箸の先にザラメから作った綿のような甘い、白やらピンクやらの食べ物を、皆さんは、「わた菓子」と言いますか?それとも「綿あめ」と呼びますか?
私は「わた菓子」派なのですが。どうも西日本は「わた菓子」が優勢、東日本は「綿あめ」が優勢な気がするのですが、どうなんでしょうか?年代にも関係しているのでしょうか?
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 29日 金曜日 21:53:34)
私も、西日本―綿菓子、東日本―綿飴のように感じていましたが、根據はありません。
自分の言葉―綿菓子、後で覚えた言葉―綿飴、であるのは確かです。
UEJ さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 30日 土曜日 01:13:16)
ちょっと気になったのですが、道浦さんが「わた菓子」のワタはひらがなで、
「綿あめ」のワタは漢字で書かれていることには何か意味があるのでしょうか?
「電気飴」という呼び方もあるようですね。
小学館国語大辞典では「わたがし」「わたあめ」どちらで引いても
「電気飴」を見よ、とされていてちょっとびっくり。
地方や年代によっては「電気飴」派もいるのでしょうか?
かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 13:31:56)
関東在住、昭和31年生まれですが子供の頃食べたのは「わたあめ」でした。
綿菓子も綿飴も、cotton candy の訳語ということなんでしょうか。
検索していましたら、綿菓子の発明者がニューオリンズの人であるというページがありました。
→ ニューオリンズの著名人
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 16:47:00)
UEJさんの疑問、「わた菓子」「綿あめ」の使い分けは、私の親しんだ表記、ということで。
GOOGLEで調べたところ、
「綿菓子」1万5400件、
「綿がし」 105件
「わた菓子」 1140件
「わたがし」 3380件
で、一方は、
「わたあめ」 8100件
「綿あめ」 2180件
「綿飴」 3180件
「わた飴」 664件
でした。(11月29日調べ)
あまり意識せずに全部使っています。ゴメンナサイ。
「綿菓子」は江戸時代には輸入されていたのでしょうか?明治以降ですかね、やっぱり。その時にはどう訳したのか?かねこっちさんんのように、cotton candyのキャンディだと「飴」ですかね。
日国大の用例は、「綿飴」は向田邦子、「綿菓子」は、林芙美子と安部公房。向田は東京生まれで各地転々、林は下関生まれの尾道育ち、安部は東京生まれの満州育ち。なんと林も向田も、鹿児島の山下小学校というところに2、3年在籍していたという共通点が分りました。偶然でしょうが。
あと、沢my等貞子も「綿飴」でした。
しゃないで
60人ほどに聞いたのですが、やはり西日本出身者は「綿菓子」、東は「綿あめ」のようです。ただ、関西でも「綿あめ」しか使わない人もいて、両親や祖父母の関係なのかどうか。
岡山市出身の人は「綿菓子」で、「岡山市内ではなく、津山や新見の人が『綿飴』と言っていて、それを聞くと『田舎モンやなあ』と思った」という証言もありました。(津山、新見の人、ゴメンナサイ・・・。)
かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 17:18:59)
inventor cotton candy で検索すると、発明者はニューオリンズではなくナッシュビルの方のようですね。
日本によくある元祖と本舗の争いのように起源に諸説あるということでしょうか。
上記の記述が正しければ日本への渡来ははやくても明治後半となるようです。
英語にも不案内なのですが、candyは「飴」より言葉の指す意味が大きいようですね。
綿菓子のほうが訳語として適切なのでしょうか。
綿菓子=綿飴ですが、水菓子は水飴とは別物であるのが、ちょっと面白いと思いました。
It was invented in 1897 by William Morrison and John >C. Wharton, candymakers from Nashville, Tennessee.
下記ページより。
→ The Invention of Cotton Candy
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 17:37:51)
「菓子」が示す範疇と「飴」の示す範疇が一部重なっているものの、まったく重なっているわけではないということでしょう。
昔は「菓子」には「果物」も含んでいたと。また「飴」は、「西洋菓子」の代名詞だったのではないでしょうか?
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 17:40:51)
同じくザラメ(砂糖)を原料とした、屋台の菓子で、関西には「ジャリン子・チエ」でおなじみの「カルメラ焼き」というのもあります。形態は違うけど、材料は同じ。作り方も似たようなものでしょう。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 18:07:17)
カルメ焼きは東でしょうか。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 19:15:08)
私は「カルメ焼き」は知りませんでした。GOOGLE検索、
カルメ焼き=1740件
カルメ焼= 241件
カルメラ焼き=180件
カルメラ焼= 33件
語源は「キャラメル」と同じでしょうね?
かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 20:31:13)
カルメ焼き、カルメ焼、軽目焼など表記はいろいろでしょうが、関東では
「かるめやき」じゃないでしょうか。
根拠はありませんが「電気飴」というのは綿飴、綿菓子よりも新しいのではないのでしょうか。
新しい、珍しいものに「電気」をつけた一種の商品名のような気がします。
子供の頃の漫才(たぶんコロンビアトップライト)のネタの中に「綿飴屋のおやじ」というのがあって、右手でかき回すように綿飴をかきとりながら、片足を上げ下げするギャグがありました。
綿飴の「回転の動力」が「人力」であったのでしょう。
あ、あと余計な話ですが、綿飴は素人でも作れますが、カルメ焼は難しいんですよね。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 21:00:06)
そうですか、むずかしいんですか。かねこっちさん、お詳しいですね。
「電気」を付けたものがはやったのは、大正時代くらいでしょうかね。例の「電気ブラン」などもありますね。
昨日、ひょんなことから、近畿日本鉄道のホームページを見ていたら、近鉄は創業当時からSLではなく「電車」だったんですね。明治時代に創業なのに。(もうすぐ創業100年かな。)これは驚きました。電気の歴史は思っていたより長そうです。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 21:04:47)
「電気飴」、知りませんでした。GOOGLEで14件ヒット!
「週刊新潮」の表紙の絵で知られた故・谷内六郎さんの作品に「電気飴」というのを見つけました。また香具師の口上としても出てきますね。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 01日 日曜日 22:51:30)
さだまさしは「木根川橋」という歌の中で、もんじゃ焼きのコツはカルメ焼きを冷やすよりも易しかった、と歌っていました。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 02日 月曜日 00:31:31)
ちなみに、さだまさしは、「ほおづき」でも「かかし」でも「わたがし」と歌っている九州人ですが、木根川橋は東京方面が舞台ですよね。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 02日 月曜日 00:50:49)
おお、さだまさし!「ほおづき」「案山子」で「わたがし」でしたか。ありがとう御座います。「木根川橋」、そんな曲もありましたね。
最近、さだまさしとかかぐや姫とか風とか、イルカとか、あのあたりの局が妙に懐かしく、CDを買ったりしています。
さだまさしの曲で「キョウチクトウの花は、赤い花」というような歌詞の曲が合ったと思うのですが、ご存知ないでしょうか?
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 02日 月曜日 01:35:01)
それは「女郎花」ですね。ほおづきと同じくグレープの曲でした。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 02日 月曜日 02:33:46)
「おみなえし」!ありがとうございました。探してみます。夏から思い出せずに苦しんでいたのです。
かねこっち さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 02日 月曜日 20:43:58)
つい最近出た講談社「類語大辞典」には
【綿菓子】の項目の次に、独立した項目で
【綿飴】「綿菓子」のより一般的な言い方。
とあります。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 03日 火曜日 10:47:19)
かねこっちさん、ありがとうございます。目の前にありながら、まだ「引き方」が分らずにほったらかしにしていました、「類語辞典」。この項は宮岡良成さんという方が執筆なさってますね。「綿飴」が「綿菓子」よりも「より一般的」という判断で。でもそれなら、「綿飴」のほうに意味を書いたらよさそうなものですね。いかがでしょう?
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 03日 火曜日 11:24:43)
宮岡さんは『新明解国語辞典・第五版』のアクセントの部分の「インフォーマント」的な役割を果たされた1957年、東京は小金井市生まれの方のようです。(あ、「東京は」と使ってしまった。)
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 29日 日曜日 01:17:32)
見坊豪紀『ことばさまざまな出会い』では、東京の小学生の作文にある「綿菓子」が辞書にないことばとして取り上げられています(1960年代)。
また、見坊豪紀『ことばの遊び学』に見える、スポンジケーキと綿菓子の関係も気になり、『言語生活』1963-10「ことばのくずかご」にあたったところ、コットンケーキを、「スポンケーキ」また「つむぎ飴」と呼んだらしく、よくわかりません。江戸時代の綿飴は何を指すのでしょう。
→ 平成ことば事情969「綿菓子と綿あめ」
平成ことば事情969の現在のURL。