それから、Web Catでの検索結果であげられた、熊谷忠三郎氏の『畳語の研究』は、年代的に少し古い文献で、聞き慣れない畳語表現が多々記載されているのですが、現代で使われている畳語表現に絞り込むにはどのような方法が有効でしょうか。複数の国語辞典を使い、記載されているものをチェックしてみたのですが、それだけでは弱い気がします。
また、(時どき・時々・ときどき・・・といった表記法別の頻度・使い分け・違いを調べるのに)表記法のデータを収集したい場合、どうすればよいのでしょう。よい方法があれば教えてください。
skid さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 26日 木曜日 20:28:23)
何もよい方法を知らないのですが、私も畳語の表記については興味があります。
といっても、「時どき」のように漢字と仮名を交ぜて書くことが流行っているのが納得しかねる単純な理由からです。
それはそうと、メッセージのタイトルは内容が分かるようにしていただけると幸いです。
教えてくださいとか、質問ですとかが増えたら区別がつきませんので。
UEJ さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 27日 金曜日 04:55:01)
私はいつも「ひにち」と書く時に少しだけ迷います。
「日々」とすると間違いなく「ひび」と読まれてしまうだろうし、「日日」でも半分くらいの確率で「ひび」だろう、
なんて思いつつ、いつも「日にち」と書いています。
「ときどき」は「時々」と書いても「じじ」と読まれる心配は少ないので「時々」を使います。
以下は、ちょっと話の内容が逸れるかもしれませんが、CD-ROM版広辞苑(第5版)で発見したことです。
「々」で後方一致もしくは部分一致で検索すると、畳語が沢山見つかります。
「ときどき」は項としては「時時」とされていますが、インデックスとして「時々」が入っているようで、
「々」による検索で引っかかります。
もちろん検索結果には【孑孑(ぼうふら)】とか【湯湯婆(ゆたんぽ)】とか畳語ではない単語もも含まれます。
【後藤藤四郎(ごとうとうしろう)】とか【速記記号(そっききごう)】も見受けられますが、
「後藤々四郎」とか「速記々号」と書く人はいないでしょうから、自動的にインデックス生成しているものと思われます。
【冷え冷え(ひえびえ)】とか【突っ突く(つっつく)】とか、間に平仮名が含まれるものもちゃんと見つかりますが、
漢字が繰り返されないとダメなようです。【偶・適・会(たまたま)】とか【てかてか】はダメ。
漢字だけを抽出して、繰り返しがあったら「々」を入れたインデックスを作る、ということのようです。
因みに他の繰り返し記号の検索結果(部分一致)です。
「ヽ」検索結果無し
「ヾ」検索結果無し
「ゝ」検索結果1件→【学問のすゝめ】
「ゞ」検索結果無し
「〃」検索結果無し
「仝」検索結果2件→【盧仝】【仝(⇒同)】
「々」検索結果1449件
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 27日 金曜日 10:45:51)
私は「「猫々」は言えないのか」という文章をホームページに書いたことがありますが、これはあたかもUEJさんが言われるように「々」の字を利用して資料を検索しました。
つまり、「漢字」のあとに「々」がつく文字列です。漢字はJISコードでいえば[亜-龠]の間にあたるので、
[亜-龠]々
とすれば、「我々」「時々」だけでなく「朝々」「穴々」「教室々々」などが拾われるわけです。この「[亜-龠]々」という書き方は、いわゆる正規表現というやつで、検索機能のついたエディタ(「秀丸」など)で使うことができます。ただし「我我」「時時」「日にち」などは検索されないことになります。このあたり、もう少し工夫することもできそうです。
現代語で、しかも名詞の畳語についての研究は、案外少ないように思われますが、実際どうなのでしょう。最近の論文をデータベースで検索してみますと、
三浦秀松「畳語の構造―畳語名詞の意味と派生について」(「表現研究」68 1998.10)
などいくつかがありますね。私は不勉強で読んでおりませんでした。
UEJ さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 27日 金曜日 13:16:33)
正規表現もいろいろバリエーションがあって秀丸で使われているものは
その中でも比較的単純なものなので「我我」「時時」を秀丸で検索するのは難しいかもしれません。
MS Wordで「ワイルドカードを使用する」チェックを入れて
[亜-龠]{2,}
とするとうまくいきますよ。
「日にち」については、そもそもこれは畳語なのか、という議論があるかもしれません。
後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 27日 金曜日 16:52:52)
>[亜-龠]{2,}
は任意の漢字2文字の連続の検索です。同一漢字の連続のための検索式は
([亜-熙])\1 第2水準漢字まで
([亜-ャ])\1 Windowsシステム外字を考慮する場合
となります。
Wordでもこれが使えることは初めて知りました。エディターでの検索なら
個人的なお勧めはK2Editorです。
→ K2 Software's Page
UEJ さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 28日 土曜日 04:51:23)
後藤さん、ありがとうございます。
ちゃんと実験もせずにいい加減なことを書いてしまって申し訳有りません m(_"_)m
また話は逸れますが「regular expression」に対する「正規表現」という訳語は適切なものなのだろうかとたまに疑問に思います。
数学用語に「正規行列」とか「正規関数」とかあるので、これに引っ張られたか?
「regular」に「規則(regulation)の」という意味があれば「規則表現」とでもするとしっくりくるのですが、
いろいろと辞書を見ても「regular」がそういう意味で使われることはあまり無さそうです。
むしろこの場合、「rule expression」とすべきか。
「regular expression」と命名した人の意図を聞いてみたいものです。
後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 30日 月曜日 10:34:41)
「正規表現」は正則集合を表す式ということのようです。
→ JScript 正規表現の由来
後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 30日 月曜日 10:53:54)
「正規表現」を検索しているうちに下のサイトがあることに気がつきました。
この方も秀丸を利用しているようですが、秀丸の正規表現はJRE32.dllを利用しているので、少し制限されています。K2EditorはPerl5互換の正規表現なのでもっと使いでがあるところがお勧めです。
([ぁ-ん][ぁ-ん])\1
([ぁ-ん][ぁ-ん][ぁ-ん])\1
など、いろいろ工夫できます。
→ 国語の先生のための正規表現
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 30日 月曜日 18:59:54)
畳語にかぎらず、くふうすれば部首を同じくする単語の連続(これは、学問的にはあまり意味がなさそうですが)も探せそうですね。
私はもう少し迂遠な方法で電子テキストから用例を集めたことがあり(こちらとこちら)、また書籍等から気がついたときに拾っているのですが。
ちなみに、目下最長の「同じ部首の連続のことば」は、人に教えていただいた「薔薇茉莉花茶」(6字!)であります。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 30日 月曜日 19:02:41)
> 部首を同じくする単語の連続
部首を同じくする漢字の連続する単語、です。
きり さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 30日 月曜日 23:56:15)
ここ数日PCをはなれていたので、みなさんからのコメントをチェックすることができていませんでした。申し訳ありません。
みなさん、たくさんのアドバイスありがとうございました。
早速参考にさせていただきます。