2003年02月04日

変身の謎

 『日本語学』の2003年2月号は「ドラマの日本語」。その中の佐竹秀雄「ドラマと流行語」を読んで思ったことです。1972年の流行語「ヘンシーン」について。

  「ヘンシーン」は、ウルトラマンが毎回変身する際のセリフだし、

とあります。同時代を小学生として過ごした人間としては、仮面ライダーだろう、とつっこみたいところで、ウルトラマンは、無言もしくは意味不明の声ともつかない声で変身していたはずだと思った。佐竹氏は「帰ってきたウルトラマン」としているので、ちょっとgoogleで検索してみると、帰ってきたウルトラマンには変身アイテムが存在しない、などと出てきます。どのように変身していたものでしょうか。

榊原昭二『昭和語』朝日文庫にも、「ウルトラマンが」とあります(ただし初代ウルトラマンの1966年)。米川明彦氏『新語と流行語』は「仮面ライダー」としています。『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』は未見です。

もうひとつ。仮面ライダーであるとすれば、「ヘン、シン」となりそうなものですが(2号藤岡弘の記憶)、なぜ「ヘンシーン」と伸びたのか、というのが疑問としてあります。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 04日 火曜日 20:02:53)

ウルトラマンA(エース)
」の主題歌を、「今だ!!」「へんしーん」と歌っていたのは記憶にあります。ウルトラマンA本人が「へんしーん」と叫んでいたかどうかは忘れましたが……。仮面ライダーが始めなのでしょうか。


skid さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 04日 火曜日 23:37:43)

ウルトラマンAは変身した姿だから、叫ぶとしたら北斗と南のふたりですよね。
これの第1回を見て興味が失せたような記憶がありますが、久しぶりに「テレビまんが主題歌のあゆみ」(LP5枚組)を見て確かめちゃったりして。
「帰ってきたウルトラマン」は、確かに変身アイテムがなくて本人が変身したいと思ってもできなかったことがありました。
危機に陥ったとき、勝手に変身することになっていたと思います。

『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』には、主人公が「変身」と叫んで仮面ライダーになるところから、と述べています。
しかし、見出しは「ヘンシーン」。
これは、こどもたちがマネをしたときの言い方なのかもしれません。


さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 05日 水曜日 14:25:54)

ご無沙汰しております。
言葉のよろずや・関西支社の峰です
覚えておいでですか?(笑)

>2号藤岡弘の記憶

本郷猛(藤岡弘。)は1号ですね。
復帰したとき、自らを再改造し
スーツの腕に2本のラインが入ったので
誤解されている方は多いですね。

彼は、変身時には何も言わず
サイクロン号で疾走する事により
ベルトの風車を回して
そのエネルギーを利用していました。
再改造後は「ライダー変身!」と叫ぶようになりましたが・・・

初めて「変身!」と叫んだのは
藤岡弘の事故による穴を埋めた
2号ライダー=一文字隼人(佐々木剛)が初めてです。

参考文献:仮面ライダー公式ファンブック

言葉のよろずや・関西支社


さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 05日 水曜日 14:33:27)

蛇足ですが・・・

藤岡弘はタイプミスではありません。
現在の彼の正式な「芸名」です。
・・・って、「モー娘。」のマネ?


岡島 さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 05日 水曜日 14:39:47)

 おっしゃるとおり、「ヘン・シン」は、2号一文字隼人の記憶でした。「へん・しん・とー」と「とー」で飛び上がるのでした。「ここ・のつ・とー」とパロっていました。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 05日 水曜日 17:09:48)

同世代の皆様の「ヘンシン」にはまった「ご幼少のみぎわ」を想像するだに、楽しく、微笑ましくなってしまいますね!

米川明彦『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』では、最後のところ「補遺」310ページには、skidさんのいうように書いてありますが、本文217ページに載ってまして、こちらには、「テレビ」の項目に
「仮面ライダー」毎日放送製作・NET(仮面ライダーシリーズの初代。「ヘンシン」ブーム)
という記述になっていて、「ことば」のところの見出しでは「ヘンシーン」になっていて、「→補遺編一九七一年」
となっています。いずれも1971年(昭和46年)の言葉として載っています。
1972年ではなく。思うにドラマが始まったのが1971年で、ブームに火が点いたのは1972年ではないでしょうかね?
毎日放送とNET(日本教育テレビ、今のテレビ朝日)で放送ということは、田中角栄がネットの資本系列のねじれを解消する前、ということですかね。


面独斎 さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 06日 木曜日 00:49:46)

「藤岡弘、」ですね。「。」ではなく「、」です。
「我は未だ完成せず」の思いを込めているのだそうです。

藤岡弘オフィシャルサイト


skid さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 06日 木曜日 08:20:08)

「仮面ライダー」が始まったのは1971年の4月です。
番組は見ていなかったのですが、子門真人が主題歌を歌っていて、その歌唱力には惹かれました。
でも、レコードでは藤浩一という人が歌い、ラジオから流れるのもみんなそのレコードなので、がっかりしたものです。


skid さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 06日 木曜日 08:32:45)

おっと、また勘違いでした。
藤浩一=子門真人です。
「テレビまんが主題歌のあゆみ」でも確かに子門真人の歌声でした。
しかし、確かに当時違う人が歌っていたものがあったはずです。

ついでに、「帰ってきたウルトラマン」は主演の団次郎が歌っていたんですね。


Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 10日 月曜日 01:36:07)

たまたま1999年の「朝日新聞」の記事をこちらに出しましたが、藤岡弘さんの名刺には名前の下に「、」がついているそうですね。しかし、芸名も「モーニング娘。」のように記号附きに変えてしまったのでしょうか。オフィシャルページでは必ずしも名前の下すべてには点が打たれていませんね。


面独斎 さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 10日 月曜日 19:39:53)

現代用語の基礎知識(編)『20世紀に生まれたことば』(新潮OH!文庫、2000年10月)でもやはり「ヘンシーン」となっています。1972年の項に収録されています(p. 414)。

【ヘンシーン】
「仮面ライダー」(石森章太郎原作、NET系、1971年4月から放映)のクライマックスで、主人公が両手を広げてライダーに変身する場面でいうセリフ。「ライダーキック」「ライダージャンプ」とともに「ヘンシンごっこ」が流行。
「両手を広げて」とはまたイイカゲンな説明ですが、それはさておき、当時の『現代用語の基礎知識』においてすでに「ヘンシーン」であったのか、気になるところではあります。なお、この『20世紀に生まれたことば』は、『ことばの20世紀』(自由国民社、1999年1月)を改題・加筆のうえ文庫化したものであるようです。


skid さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 10日 月曜日 23:20:21)

さらに『ことばの20世紀』の元ネタは、「現代用語の基礎知識」1998年版の別冊付録『現代用語20世紀事典』のようです。
索引だけ見ると、元ネタのほうが項目が多くあります。
それで、『現代用語の基礎知識』で最初に載ったであろう1973年版では、「各年別風俗用語の解説」の昭和47年「脱からヘンシーン!の時代へ」に、

  変身!  ウルトラマンに源を発して、ここ数年来子供向けテレビ映画   
  の人気は、改造人間の活躍にとどめをさす。ことに、昭和四十六年四月
  からNET系で始まった「仮面ライダー」(石森章太郎原作)は、その代表
  的存在。人類征服を目ざしてショッカー一味が送りだすさまざまな怪人
  を、主人公が両手を広げて仮面ライダーに「変身!」、これと対決する
  という、昔でいえば忍術使いのパターンだ。印を結ぶ時代がかった仕草
  が、現代風に単純化されているのがミソだろう。近ごろでは、子供ばか
  りでなく若い女の子が、ウィッグをつけたりして「ヘンシーン!」など
  と悦に入っている。

「ヘンシーン」は若い女の子が言っていたのに、いつのまにか仮面ライダーの台詞にされてしまったのですね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 13日 木曜日 07:53:39)

重松清『トワイライト』(文藝春秋、2002,12,15)の134ページに、タイムカプセルの中から仮面ライダーカードが出てきたシーンが描かれていて、カード番号334番は「オートバイでへんしん」だそうです。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 02月 17日 月曜日 19:03:12)

『月刊言語』2003・3月号の13ページ「斉藤美奈子のピンポンダッシュ」で仮面ライダーを取り上げてきて、その中に出てくる初代仮面ライダーの台詞、『変身』のかけ声は、「へーんしん!」でした。


posted by 岡島昭浩 at 10:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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