昨夕の夕食時に、当方が「二つ」と注文したものを店側では「一つ」と聞いていたらしいことに気づいたのは、小皿を持ってきたときだった。
それが判然とする前にわが子が、「ウェイトレスが一つといったような気がする」と言ったが、私は「いや、あとの方の〈一つ〉と違って聞こえたから二つといったと思う」と答えていたのだが、子のほうがちゃんと聞いていたわけだ。
私は普段、「ひとつ」と「ふたつ」の聴き分けにはアクセントが預かっているように感じる。平板で言えば「ふたつ」、中高で言えば「ひとつ」。
類例は、「お子さん」と「奥さん」。「幸せ」と「不幸せ」もそういう傾向があることを前に書いた。「幸せ」それとも「不幸せ」
ところが問題があって、「ひとつ・ふたつ」は前に「お」をつけると中和してしまうのだ。どちらも平板になってしまう。不便なものだ。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 05月 27日 火曜日 09:56:41)
横浜ベイスターズの投手に「中野渡」という投手がいる。これが姓で「なかのわたり」と読むのだが、「わ」の後に下がり目がくる。
初めて聞いたとき、「次の投手は中野渡でしょうか」という文脈だったので、「中野あたりでしょうか」と言っているのかと思ったものでした(アクセントは同じ)。
さて、この中野渡をニュースで「なかのわたる」と読み間違えたアナウンサーがいて、そのアクセントは平板。「渡」は、中野という同姓の人がいて付けられた名前だと思ったのでしょう。
で、「なかのわた」まで聞いて下がっていなかったら、その読み手は姓名だと思っている、と判断してよかろう、というお話でした。