Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 07月 31日 木曜日 20:11:49)
これは道浦さんが以前ご指摘の「犬の人形」や、時枝誠記の「赤い白墨」……等々と通じるものがありますね。ただ、「犬の人形」「赤い白墨」の場合は「人」や「白」の意味が希薄化しているということで説明が可能ですが、「肉声テープ」は、そういう説明がむずかしいですね。あえていえば「肉」の部分が希薄化して、「声のテープ」というような意味になっているのでしょうか。または「肉声」を「本人の声」というつもりで使っており、「本人の声のテープ」という意味になっているのでしょうか。
→ 犬の人形
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 08月 04日 月曜日 08:32:55)
私のコメント、さっそく「平成ことば事情」でご引用いただきました。冷や汗。
考え直してみると、「『犬の人形』や『赤い白墨』に通じるところがある。『肉』の部分が希薄化して『声のテープ』という意味になり、」の部分はやはり無理だと思います。「声のテープ」という意味になっているのならば、カタールやサウジのアナウンサーが代読したものも「肉声テープ」になってしまいます。前半部分はよけいでした。
ところで、私のもとには「NHKカセットブック 肉声できく昭和の証言」シリーズというのがあります。正確にはそのうちの1巻だけで、「宗教・思想家 文化人編8 柳田国男 折口信夫 金田一京助」(1992年発行)というものです。
むろん、柳田・折口・金田一本人の声が収録されたテープということです。
skid さんからのコメント
( Date: 2003年 08月 04日 月曜日 13:13:54)
ちょっと違うんですが、本人の筆跡を見せるために図版として原稿とサインを載せる場合、「自筆原稿」「直筆サイン」という言い方でよいでしょうか。
原物じゃなくて図版になるから「肉筆」とは言わないですよね。
「自筆」と「直筆」の使い分けはよくわかりません。
また、「生原稿」というと、普通は印刷物になる前の書かれたままの原稿ですが、これは「活字原稿」(いちど雑誌などで活字化されたものを原稿として使い、別の雑誌・単行本などで再度活字にする)に対する言葉です。
「生テープ」というと、何も録音されていない使用前のテープです。
「生写真」というと、印画紙にプリントされたものですが、デジタルカメラで撮ったものをパソコンのプリンターで出したものも、やっぱり「生」なのでしょうか。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2003年 08月 04日 月曜日 21:00:38)
集英社新書の『悪魔の発明と大衆操作』(原克著、2003,6)177ページに載っている日本無線電信電話(株)製ラジオの広告の文句が、「真に肉声を聞くには抵抗増幅に限る」というもので、この「肉声」は本当の意味の肉声ではないのでは?
skid さんからのコメント
( Date: 2003年 08月 06日 水曜日 00:15:18)
8月5日の朝日新聞(朝刊)に「菊池寛の肉声を録音したレコードが東京都内で見つかった」と書いてありました。
言うなれば、肉声レコード?
テープからの肉声はありえないけれど、「肉声(を録音した)テープ」は、二次的な録音ではなく、直接の声(肉声)を録音したということを言いたいのかもしれません。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 08月 14日 木曜日 11:53:38)
そういえば「肉筆」という言い方もありますね。浮世絵の場合、版画に対していうわけで、これは印刷してあっても、その印刷前の姿が肉筆であれば、「肉筆浮世絵」なわけですね。
「生写真を多数掲載」も同様でしょうか。「肉声テープ」の場合はどうなんでしょうね。「肉声レコード」はダイレクトカッティングなのでしょうね、その頃の技術としては。
NACSISで引っかからないので示せませんが、古書目録で三島由紀夫『肉筆版創作ノート』ひまわり社 (昭30)というのを見ました。これが写真版なのか活字に起こしているのか気になるところです。