古典作品の分量はそれぞれどれくらいあるか? テキスト化された本文のバイト数で比較する方法もありますが、○○バイトという表現の仕方が、文学作品の分量らしくないというきらいもあります。宮島達夫『古典対照語い表』、とりわけフロッピー版の解説の語彙量の数字を用いる手もあります。現在一般に「源氏物語の総語数は20万語」などといわれるのは、主にこれに拠っているものと思います。(そのほか、網羅的なものとしてどのようなものがあるのか、実はよく存じません。)
活字版の行数を数える手法、これは以前からしばしば行われてきました。今回、斎藤菜穂子氏「蜻蛉日記成立の基底――「書く」という語から――」(『国文学研究』141 早稲田大学国文学会、2003.10)の p.33「注」に、3作品の行数を数えた数字が載っているのを目にしました。
(4) 『新編日本古典文学全集』で比較すると、蜻蛉日記は四〇七一行・源氏物語は三七五五四行となる。枕草子は五六七九行である。巻分け・章段分けによる空頁や空行を除いてある。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2003年 10月 17日 金曜日 19:42:56)
上記論文、さらに宇津保物語は二四四九三行(注5)、和泉式部日記は一〇七〇行(注7)とあります。