高校の国語教師をしている者ですが、
現在我々が用いている、会話記号であるかぎかっこ
「 及び 」 二重かぎかっこ 『 及び 』
は、いつ成立したものでしょうか。同様な記号を他国では見かけないことから、日本独自のものかと思われますが、成立年代及びルーツをお教え願いたく、質問致しました。
浄瑠璃本や詩吟、伝統邦楽楽譜等に似たような記号を見かけたようには思い、ネット上の日本語関連のサイトに質問しても答えが得られません。
よろしくお願いいたします。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 12月 05日 金曜日 20:55:18)
大熊智子「引用符を用いた会話文表記の成立」『東京女子大学日本文学84』 (1995/09)を探しています。
おっしゃるように、近世期の似た符号(庵点)と関連づけた論でした。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 12月 18日 木曜日 10:20:57)
手許で探したもののとうとう見つからず、図書館に行って見ることにしました。
カギ括弧を、始まりと閉じにわけて、始まりは近世期にある庵点から、閉じを、やはり近世期にもあった漢文の「鈎画」(段落を示すもの)から、それぞれ来ているとしています。
「閉じ鈎括弧が登場するようになるのは明治に入ってしばらくしてから」ということです。
また、庵点が現在のような始まりのカギ括弧になったのには、木版から活字への変化が与っているであろうということです。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2003年 12月 18日 木曜日 10:26:53)
会話ではなく、引用であることを示すカギ括弧のようなものは近世期からあって(大森氏は「鈎括弧(甲)」と称して、会話を示す「鈎括弧(乙)」と区別)、これには、「」のみならず、『』のような形状もありました。庵点と同様に、一字のなかに収まってはいませんが。
藪野直史 さんからのコメント
( Date: 2003年 12月 19日 金曜日 08:28:26)
岡島先生、誠にありがとう御座いました。本来なら、御紹介頂いた論文を自ら探しに行くべきでありました。本件に関して疑問に思っていた同僚達に早速報告致します。