初めて書き込みさせて頂きます。高校3年生の智と申します。
日々古典の問題演習をしていると、様々な和歌に様々な修辞法が使われているのを目にします。枕詞、序詞、掛詞、折句に縁語、僕は枕詞と縁語が好きなのですが…
あんなにも色々に美しいものをうたった歌があるのに、虹に関するものは見たことがなく(そんなに沢山の文を読んでいるわけではありませんが;)、国語の資料集を見たりネットを調べてみても"虹"にかかる枕詞というものがあるのかどうか分かりません。
このことについてなにかご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。お願いします。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2004年 01月 21日 水曜日 22:25:37)
おっしゃるとおり、虹はあまり和歌には詠まれていません。国文学研究資料館の二十一代集検索でも、二首しかヒットしませんね。
歌に詠まれないものはいろいろありますね。蝶などもその一つです。
虹が詠まれないのは、虹が蛇なども含む虫に近いものと思われていたせいかもしれません。
万葉集でも詠まれることが少ないために、枕詞はないと思われます。
→ 万葉集検索
智 さんからのコメント
( Date: 2004年 01月 22日 木曜日 20:21:55)
返信ありがとうございます。
調べていて虹霓という表現を見つけました。
確かに空に昇っていく蛇や龍に見える気がします。
どちらかというと中国…漢詩向けの材料なのでしょうか。
きりぎりすなどはよく詠まれている気がするのですが…虫などは鳴いて風流を感じさせるものなら詠まれるのかなと思いました。
昔の人との感覚の違いが不思議で面白いです。
実は、虹という単語を物語の題に使おうと思い
枕詞と組めば日本らしい味が出るし7字になって語呂もいいと考え探していました。無いと知り少し残念です。
色々の枕詞のなかで"久方の"が光だけでなく天や空、月、雨、雲、星、夜などにかかると知り、
虹につなげるにはいちばん近い言葉のように思われたのでこれで行こうと思います。
こちらに初めて伺ったのはほんの一週間ほど前なのですが、
様々な会議の題材が以前から気になっていたことだったりはっと気がつくことだったり、拝見していてとてもためになります。
大学生になったら議論に参加させて頂けるような知識を身につけて、これからも折々伺いたいと思います。
ありがとうございました!
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2004年 01月 22日 木曜日 23:29:37)
私は「あづさゆみ」という枕詞を考えていました。「張る」「引く」などにかかる枕詞ですが、虹は弓形だからです。「久方の」といわれるとなるほどと思います。
枕詞の中には、歌人が個人的に作ったものもあるようですが、新作を作ろうと思えば作れるような構成法があります。たとえば「〜なす」といえば「〜のような」ということです(「みかもなす 二人並び居」といえば水鴨のように二人並んでいる)。すると、「弓のような虹」ならば「まゆみなす 虹」というようなのも作れそうです。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2004年 01月 24日 土曜日 18:27:55)
脱線ですが――
「〜なす」は、万葉集を調べると名詞にかからないこともないですが(例、「真玉なす 二つの石を 世の人に 示したまひて」(旧813)では「真玉なす」が「二つの石」にかかる)、多くは連用修飾であって、体言にかかっているように見えるものも、おおむねは、むしろその下の用言にかかっています。「垣穂なす」は、体言にも用言にもかかっているようです。
ですから、「まゆみなす 虹」のように名詞にかかる枕詞をじゃんじゃん生産してよいかというと、ちょっと留保が必要かもしれません。「まゆみなす 虹の立つれば」のように動詞がくればよりよいかもしれません。ただ、こうなると枕詞というよりは比喩に近いようです。
智 さんからのコメント
( Date: 2004年 01月 28日 水曜日 16:29:14)
Yeemerさん、返信ありがとうございます!
折角ご意見を下さったのに反応が鈍くてすみません;
枕詞の作り方について、ありがとうございます。
枕詞に限らず、ことばを考える上で参考にさせて頂きます。
をかしの面白みを生み出せそうな気がします。
"まゆみなす"、虹のイメージがはっきり想像できて、清音の流れが綺麗だと思います。
虹が弓形、ということに西洋の神話を思い出しました。どこかの神様が悪魔と戦うのに使ったという話だった気がしますが、虹の弓のかかりかたを見るとむしろ天にむかって矢を放つものにも見えます…ってどうでもいいですね;
"久方の"についてもう少し調べてみた所、
<「ひさかた」「の光」とは「HISAKATA」すなわち「照る/曇るをしばらく繰り返していたが、結局、照ることになった」「そういう光」をいう>
…ということで、似てるからとこじつけた割に話のイメージに合っていたのでやはり"久方の"に決めました。
しかし虹→弓→武器→闘争(struggle)=激しい雨→獲得=(雨がやんで)虹、という連想したイメージに心ひかれたので、まゆみなす、の形ではなくもどこかに使わせて頂いてしまうかもしれません(*^^)
昔からずっと繋がってきている枕詞を自分で作るというのはなんだか畏れ多い(おこがましい?)のでやめておきます(^^;)
枕詞はやはり詠み親しまれたものから生まれるんですよね?
そのうち現代の歌詠みの方々から"携帯"とか"パソコン"にかかる枕詞が生まれたりするんだろうかなどと思ってみました(笑)
ながながと脱線しつつすみません;
ありがとうございました。
(↓"久方の"について書いてあったページです。第二段にありました)
→ 月の砂漠
智 さんからのコメント
( Date: 2004年 01月 28日 水曜日 16:29:58)
Yeemerさん、返信ありがとうございます!
折角ご意見を下さったのに反応が鈍くてすみません;
枕詞の作り方について、ありがとうございます。
枕詞に限らず、ことばを考える上で参考にさせて頂きます。
をかしの面白みを生み出せそうな気がします。
"まゆみなす"、虹のイメージがはっきり想像できて、清音の流れが綺麗だと思います。
虹が弓形、ということに西洋の神話を思い出しました。どこかの神様が悪魔と戦うのに使ったという話だった気がしますが、虹の弓のかかりかたを見るとむしろ天にむかって矢を放つものにも見えます…ってどうでもいいですね;
"久方の"についてもう少し調べてみた所、
<「ひさかた」「の光」とは「HISAKATA」すなわち「照る/曇るをしばらく繰り返していたが、結局、照ることになった」「そういう光」をいう>
…ということで、似てるからとこじつけた割に話のイメージに合っていたのでやはり"久方の"に決めました。
しかし虹→弓→武器→闘争(struggle)=激しい雨→獲得=(雨がやんで)虹、という連想したイメージに心ひかれたので、まゆみなす、の形ではなくもどこかに使わせて頂いてしまうかもしれません(*^^)
昔からずっと繋がってきている枕詞を自分で作るというのはなんだか畏れ多い(おこがましい?)のでやめておきます(^^;)
枕詞はやはり詠み親しまれたものから生まれるんですよね?
そのうち現代の歌詠みの方々から"携帯"とか"パソコン"にかかる枕詞が生まれたりするんだろうかなどと思ってみました(笑)
ながながと脱線しつつすみません;
ありがとうございました。
(↓"久方の"について書いてあったページです。第二段にありました)
→ 月の砂漠
智 さんからのコメント
( Date: 2004年 01月 28日 水曜日 16:31:27)
うわあ;二つ入ってしまいました;
見苦しくてすみませんm(__)m;;