「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」とは、この時期によくいわれる文句。私はこれを初めて知ったとき、「うまいことを言う」と思ったものでしたが、それはいつのことだったか。
自分のいた小学校の文集を見ていると、ありました。これで初めて見たのでした。
ことわざにもあるように、一月は行った、二月はにげた、三月は去ったというように、あっという間に終わってしまうのだ。〔5年生の作文〕(文集「つくし」創刊号 昭和52年3月19日発行)私も「〜行った、〜逃げた、〜去った」の形で覚えていました。情報源はこれに間違いなし。
一般的には、「〜行く、〜逃げる、〜去る」の形ではないかと思います。ウェブで検索しても、どうもこれが「標準形」のような印象を受けます。
新聞では
一月は行く、二月は逃げる、三月は去る、といわれるが、早いもので、もう三月。花の便りも間近になった。(「朝日新聞」1996.03.02 名古屋版地方面)という例が手元にあります。もっと古い例もあるでしょうが、データベースでは調べていません。
『日本国語大辞典』にはありません。ことわざ辞典のたぐいは見ていません。いずれにせよ「新しいことわざ」であろうと思います。
「一月は去(い)ぬ」
で教わりましたね。
西だと「去(い)ぬ」の古語が多少生き残っているので新しく「行く」に置き換えなくてもよかったせいではないでしょうか。
東の方でも東北あたりまで行けばまだ生き残ってる言葉なのかもしれませんが。
古語で往ぬ、去ぬの両方の漢字が充てられます。
また、意味としては、本来の「行ってしまう」だけでなく、明確に「時が過ぎ去る」の意味もあると分かりました。
現在は方言として、少なくとも西側に残っているのでしょう。大阪・京都でも使われているようですね。
ところで「一月は・・・、二月は・・」というのは、早くとも明治以降ではないでしょうか。古い時代は、睦月、如月などと呼ぶのが普通でしたから。
この格言は、明治以降、関西以西で作られたのではないかと推察します。