2004年03月26日

自分のことを「女性」「男性」(hiroy)

最近とある掲示板を見て気になりました。自分の性別について話したり書いたりする際、「私は女性だから」、「男性の私は」というように自分自身に対して「女」「男」ではなく「女性」「男性」という言い方をされる方がいます。特に女性に多いようです。しかしこのような言い方に違和感を感じる人もまた、多いようです。

「女性」「男性」のこのような用法は、いつ頃から始まったのでしょうか?

因みに私は男ですが、自分に対して「男性」と使ったことはありません。

発言小町:自分を女性、男性と呼びますか?


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 26日 金曜日 07:09:16)

関連で・・・自分の父母のことを「ボクの父親が」「私の母親が」と「親」をつけて言う傾向も強まっているようですが、何か関連があるのでしょうか?ひとことでの断定を避けあいまいにする、丁寧語の一種でしょうか?


岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 26日 金曜日 09:55:02)

「父親が」については、下記スレッドに関連記事あり。

親が……


田島 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 28日 日曜日 13:06:34)

「私は運動がニガテな『ヒト』だから…」などという言い方があるのを思い出しました。この言い方も、とくに若い女性に多いような気がします。

話はちょっと逸れるのですが、「男性」「女性」は、さいきんでは「性別」の意しか表さぬようになったので、「男性性」「女性性」といった、ちょっと分りにくい表現が使われるようになっていますね。


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 29日 月曜日 09:59:03)

え!田島さん、「男性性」「女性性」なんて言葉が使われてているのですか!まだ、目にしたことも耳にしたこともないのですが、どのあたりで使われていますか?


道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 29日 月曜日 10:13:16)

・・・と驚いてから「ぐぐり」ました。日本語ページで「男性性」6700件、「女性性」9550件。生物学的に、あるいは社会学で使われているようですね。
「『女』性」「『男』性」でも意味は通じますが、音声にすると「男性」「女性」との区別が付きにくいので、また「 」をつけるのも面倒なので、
「男性性」「女性性」としているのでしょうね、きっと。まあ、しょうがないか。


田島 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 29日 月曜日 23:32:04)

たとえば、最近読んだ大塚英志『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』(講談社現代新書,2004.2.20)でもやたらと目につきました。

こころみに開いてみると、
  
  …かろうじて「わたくし」を支えうるという八〇年代的な女性性のあり  方に深く関わる。(略)江藤淳は高度成長下の文学に自らの女性性を   「人工」化させることで自己実現させようとする女性たちの心情を『成  熟と喪失』で正確に抽出したが、…(p148)

というように、一頁に二箇所も用いられていることさえあります。まだ私は、このことばは目になじみません。

余談ついでに。以下に挙げるものは、この一連の「現象」を批判したくだりです。

  ところで、ここ二十年ぐらいのことだろうか、性心理学などの本で「男
  性性」「女性性」という言葉を時々目にする。男が備えている性質、女
  が備えている性質、ということらしいが、それがそもそも「男性」「女
  性」なのである。「男性性」「女性性」は字を見ただけでもくどい。意
  味も「男としての性質を備えている人が備えている性質」「女としての
  性質を備えている人が備えている性質」となる。学術用語も日本語の伝
  統と論理を踏まえて考案すべきだろう。
  (呉智英『ロゴスの名はロゴス』双葉文庫,2001←単行本:メディアフ  ァクトリー,1999。p117―p118)


田島 さんからのコメント
( Date: 2004年 03月 29日 月曜日 23:40:27)

改行の仕方がおかしかったので、ちょっと読みにくくなってしまいました。失礼致しました。


posted by 岡島昭浩 at 04:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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