「遠い目」といっても、遠視のことではありません。また、《形容詞語幹+接尾語「め」》の変則的な形(「濃いめ」や「薄いめ」など)を問題にしようとしているのでもありません。
ここで問題にしたいのは、形容詞連体形+名詞の「遠い目」です。遠い国に思いを馳せたり、過去に思いを馳せたり等々、そういう場面で「遠い目をする」とか「遠い目になる」の形で使われる、あの「遠い目」です。
私にはこの「遠い目」という言い方が変テコなものとしか思えないので、目にしたり耳にしたりするたびに「『遠くを見る目』の間違いだろっ!」と内心叫んでしまいます。そうまでは思わなくても、少なくとも「遠い目」は比較的新しくできた変な表現と認識していたわけですが、ちょっと思い立って Google (≠ goo) で検索してみたところ、思わぬ結果に愕然としてしまいました。
遠い目 …… 約 27,500 件
遠い眼 …… 約 1,080 件
もっとずっと少ないと予想していたのですが、かなりの浸透ぶりです。こうなると、私の認識に誤りがあったのかもしれないと思われてきました。「遠い目をする」のような表現はいつごろから使われ出したのでしょう? ひょっとして、古くから使われている由緒正しい表現なのでしょうか?
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 06日 月曜日 23:12:28)
「長い目」の場合は「で見る」でうけるから、ちょっと違いますが、近い気がします。
面独斎 さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 08日 水曜日 8:14:15)
「長い目」には気がつきませんでした。たしかに似ています。言われてみて思い出したのですが、私はこの「長い目で見る」という表現に対しても、覚えたてのころは違和感を感じていたのでした。
UEJ さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 08日 水曜日 22:39:31)
「遠い目をする」はちびまる子ちゃんがよく使っていたような。
この表現の普及に一役買っているのは間違いないでしょう。