『日本国語大辞典』第2版・第1巻「あ―いろこ」にない語です。
あい-こう【愛狎】‥カフ《名》*日本語の文法(1988)〈大野晋〉「日本人の尊敬の意識は個人に対する理解の成熟によって発展してくるものであるよりも、恐怖に始まり、畏怖→畏敬→尊敬→敬愛→親愛→愛狎(あいこう)→軽蔑→侮蔑というような道を通ることが多く」上記は角川『大字源』には載っていました。
あいこ-で-よやさ《連語》*自由学校(1950)〈獅子文六〉「男女の同権、婚姻の平等――結構である。賛成である。五百助は細君虐待なぞは、あまり好まない男で、何事も、アイコデヨヤサと、行きたいのである」これは「あい-こ【相子】」を立項しているので十分というわけかもしれません。
あやはか-な・し《形ク》*御伽草子・小町草紙(室町末?)「二村山や宮路山、日もはやすでにくれはとり、あやはかなき身の、いつか身の行方を遠江」『日本国語大辞典』が参照したはずの日本古典文学大系にも、また岩波文庫にも上記の部分は載っているのに。
あるき-タバコ【歩―】*週刊朝日(1999.11.19)「カデロさんに言わせると、歩きたばこは娼婦のサインだ」ちなみに「くわえ-タバコ」は初版にあり。週刊誌の用例は反則かもしれません。しかも初出例でもなさそうです。
ただ、『日本国語大辞典』の現代の用例が文学書に偏っているのは欠点であると思います。しかも、中島梓『にんげん動物園』(1981)以後の例は散発的にしか載っていません。『にんげん――』からの用例は「あせる」「アニメ」「いまいち」など。
いっぽん-じめ【一本締】《名》*NHKニュースおはよう日本(2000.3.1)「一本締めで締めたいと思います。よーっ」テレビはなおのこと反則でしょうか……。
このほか、「悪問」など。
「赤点」(1969年)、「赤電(2)」(1959年)の例は岡島さんがすでにご指摘ずみです。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2000年 11月 30日 木曜日 17:01:48)
Yeemarさん、すばやいですね。
私が書いたのは、「立項されているけど用例のない」ものでした。「項目のない」ものと、べつだてにした方がよいかもしれませんが、まあ、そこは適当に。
日本国語大辞典を持ってない人でも、読んで楽しめて、かつ、「日本国語大辞典ほしいな」、と思えるようなスレッドにしたいと思います。
あ、スレッドってパソ通用語かな、ま、BBS用語でも通じるでしょう。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 1月 08日 火曜日 18:38:38)
> 「立項されているけど用例のない」もの
となると、たとえば、「寄り」。
「腫れものの毒が一ところに固まること。また、その固まり」ですが、『日本国語大辞典』に用例はありません。
向田邦子『阿修羅のごとく』〔1979.01 NHKで放送〕新潮文庫 1985.02.25発行 p.198に
巻子「ほら、いつもこのへんにニキビの寄りつくって」
と出ています。こちらに書いてしまいましたが……。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 04日 月曜日 3:00:46)
「にぎわしい<にぎわわし」、「あらげる<あららげる」、「しばたく<しばたたく」、そして堀内孝雄「愛しき日々」の「かたくなまでの<かたくななまでの」はいずれも重音脱落の例だと思いますが、このうち「しばたく」は『日本国語大辞典』(初版、第2版)にも項目のみで用例なく、ずっと気をつけていましたがなかなか私にも用例が見つかりませんでした。
初出例とはいえないのですが、ハリー・ポッターにありました。
ハグリッドは肩{かた}を震{ふる}わせ、マクゴナガル先生は目をしばたかせ、ダンブルドアの目からはいつものキラキラした輝{かがや}きが消{き}えていた。(J.K.ローリング・松岡佑子訳『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社 p.28)
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 04日 月曜日 21:54:58)
もう少し古い例もありました。北杜夫の短編小説「童女」(1963.02「SFマガジン」掲載とのこと)です。これならば『日本国語大辞典』の採集対象になりそうです。
狼はためらうように二、三歩横に歩き、目をしばたいた少女は、そこに思ったとおりのやせた胴体を見た。(北杜夫『へそのない本』〔1963.11刊行〕所収 新潮文庫 1976.05発行 p.164)
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 04日 月曜日 23:45:30)
「しばたく」
青空文庫によれば、新美南吉・織田作之助・岡本綺堂に見えますが、底本が気になります。
新潮の絶版百冊でも三例ほどひっかります。
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 05日 火曜日 0:07:30)
Googleで、「しばたく」402件でました。その中の1件に、Yeemarさんの「ひとりごと」98,09,27の”「でも」か「ででも」か”という中に、こんな一節が・・・。
「にぎわわしい」が「にぎわしい」に、「声をあららげる」が「声をあらげる」に、「目をしばたたく」が「目をしばたく」になるのと同じ同音脱落とも考えられます。
この用例を探してらしたんですね。
「新明解」には「しばたく」は「しばたたく」と「まばたく」の混合、とありました。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 05日 火曜日 0:27:52)
「あいうえお順」にも用例がありません。上田萬年が使っていました。
「アイウエオ」順
という表記ですが、
電話の帳面は「いろは」順になつて居る。帝國圖書館の目録は「アイウエオ」順でなけれぱ引けない。(「國民教育と國語教育」)
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 05日 火曜日 0:39:22)
俵元昭「半死半生語集」(学生社・1994)に「伊呂波順」という項目があって、そこには「辞書と言えば語順はイロハに決まったものだったらしい。”言海”ができたとき(明治24年)これが語を五十音順に並べたものだったので、福沢諭吉がびっくりした。出来立ての本を届けに来た大槻文彦に、”やっぱり下足札なんぞはイロハでなければいけないのでしょうな」と言ったとか。」
とありました。話がちょっとそれましたが。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 05日 火曜日 10:31:52)
『日本国語大辞典』で「五十音順」の用例は、鳥影〈石川啄木〉(1908)ですが(初版・二版とも)、『言海』の「本書編纂の大意」十条、「語法指南」動詞、「索引指南」二条に見えます。冒頭部分ですから、1889年刊。
ちなみに……。
明治24年は言海の最終冊が刊行されたときです。
また、言海以前、イロハ順が多かったのですが、決まっていたわけではありません。
『日本国語大辞典』、「いろは順」の用例には上田萬年をあげていますね。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 05日 火曜日 21:54:00)
「しばたく」についてですが、道浦さんのおっしゃるとおり、私のページ「ひとりごと」98.09.27で触れたのですが、その当時は主なテキストデータにこの語は見あたらず、紙の書物で探すしかないと思っていました。
ところが今回、岡島さんのご指摘をうけて青空文庫で確認してみたところ、たしかにございました……。
*半七捕物帳・小女郎狐(1920)〈岡本綺堂〉三「女房は俄かに眼をしばたいた」大正時代からあったことになります。ただし、「花のき村と盗人たち」二には「大(おお)きな眼(め)をしばたたきながら」とあります。
*夫婦善哉(1940)〈織田作之助〉「『どうせ死による体ですよって』と眼をしばたいた」
*花のき村と盗人たち(1942)〈新美南吉〉三「かしらは、眼(め)をしばたきながらいいました」
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 05日 火曜日 23:15:16)
「おおばけ」も用例がありません。手元で検索してみると、FocusのCD-ROMからの例のほかには、株関係の書籍のタイトルが引っかかってきます。
『いま、この株を買っておけ 大化け株の徹底研究』上原敬之典 太陽企画出版 1991/09
もっとありそうなのですが。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 06日 水曜日 1:04:31)
「しばたく」の新美南吉は、以下のページのファイルでも、「しばたたく」「しばたく」の両方がありますね。
「大化け」は1980年代の書籍タイトルにもありました。
→ 上田信道の児童文学
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 06日 水曜日 10:23:52)
「大化け」は、用例はまだみつけていませんが、野球選手などスポーツ選手についてのコメントにありそうですね。
後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 06日 水曜日 10:36:17)
山村美紗『山村美紗の事件簿〜エッセイ集〜』光文社
2例 株 (いずれも西村京太郎を株に見立てて) 初出1988
川嶋光『他人の給料がわかる本』扶桑社,1994
1例 株
北杜夫『へそのない本』フジオンラインシステム、1976
2例 株
素朴な疑問探究会編『テレビ 知りたかった大疑問』、1999
12例 女性アイドル、タレントなど (目次、見出しの重出含む)
素朴な疑問探究会『儲けのカラクリがズバリ! わかる本』1995
4例 骨董品 (重複。実質的に1例)
中島孝志『こんな上司は辞表を書け!』1997
3例 部下、人間の集合体など
中島孝志『:成功できる人できない人』
3例 人間 (重複あり)
後藤斉 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 06日 水曜日 10:47:49)
上は「大化け」の例でした。
手元のテキストデータでは「しばたく」は岡本好古『日本海海戦』に7例など20例。
「しばたたく」は105例。
岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 07日 木曜日 13:30:15)
「しばたく」です。
底本が気になる、と書きましたのは、特に岡本綺堂についてでした。光文社文庫ですから。
手許の『半七捕物帳(二)』(1986.3.20初版1刷 1994.7.25 9刷)を見ますと、283頁の後ろから7行目に、たしかに「眼をしばたいた」とあります。
私が持っている中で光文社文庫よりもましなのは旺文社文庫ですから、それをみました。『半七捕物帳(二)』(1977.5.10初版 1979年 第6刷)の278頁3行目。「眼をしばたたいた」でした。
「しばたく」の古例が消えました。青空文庫にも報告しておきましょう。
後藤さん、「おおばけ」をどうも。
道浦さんがお書きのようなスポーツ選手の他に、芸人がありそうに思います。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 08日 金曜日 1:17:48)
「頼まれごと」も用例なし。
織田作之助「土曜夫人」(1946-1947)
http://www.aozora.gr.jp/cards/odasaku/files/doyofujin.html
ひとから頼まれごとをするのが好きだった
内田魯庵「温情の裕かな夏目さん」(?)
http://www.aozora.gr.jp/cards/uchidaroan/files/natsumesan.html
随分いやな頼まれごとでも快く承諾されたのは一再でない
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 08日 金曜日 15:26:32)
「断乳」
「乳離れ」のこと。あるいは「母乳をやるのをやめること」。
今朝(2月8日)の朝日新聞・家庭欄(大阪版)に、
”母子手帳の1歳、1歳半検診の欄にある「断乳」の言葉が、4月から消えることになった”
として出ていました。初めて聞きました。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 14日 木曜日 0:28:05)
「しばたく」問題
青空文庫に報告しましたら、いろいろ調べていただき、「しばたく」は光文社文庫だけのようです。
→ 青空文庫むしとりあみ
境田稔信 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 14日 木曜日 4:41:22)
タイミングを逃してしまい、話題が錯綜することをお許しください。
「いろは順」は、『漢英対照いろは辞典』の第一分冊(1887年12月)の緒言にありますね。
『言海』以前の五十音順排列は、官版『語彙』をはじめ、物集高見『日本小辞典』『かなのしをり』『ことばのはやし』、臼井憲成『雅言略解』(1字目のみ)、近藤真琴『ことばのその』があります。
また、『大日本人名辞書』も初版(1885〜86)から五十音順で、巻末後記には「いろは順」が出てきますが、「五十音順」は凡例にもないようです。
境田稔信 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 14日 木曜日 5:21:28)
『大日本人名辞書』と同じ経済雑誌社発行の『泰西政事類典総目録』(1884)にも
和文「イロハ」順
とありました。
小林繁雄 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 21日 木曜日 11:44:58)
青空文庫のバグ取り掲示板の行司見習いをしております、
小林です。
岡島さんから「しばたく」についてコメントをいただき、
私自身調べていて、ここと別経由でYeemar さんのページにたどりつき、
勝手に「ひとりごと」の文章を引用させていただきました。
岡島さんの新たな書き込みで、
後にこのページにたどりつき、ここで論議されていることを知りました。
勝手に引用いたしましたこと、おわび申し上げます。
で、ご指摘の
*半七捕物帳・小女郎狐(1920)〈岡本綺堂〉三「女房は俄かに眼をしばたいた」
*夫婦善哉(1940)〈織田作之助〉「『どうせ死による体ですよって』と眼をしばたいた」
*花のき村と盗人たち(1942)〈新美南吉〉三「かしらは、眼(め)をしばたきながらいいました」
なのですが、
「花のき村」は青空文庫ファイルではご指摘通り、
「大(おお)きな眼(め)をしばたたきながら、」
となっています。
一方、「夫婦善哉」は、確かに、
「「どうせ死による体ですよって」と眼をしばたいた。」
となっていました。
ただ、この入力の底本は、
本:「ちくま日本文学全集 織田作之助」筑摩書房
1993年5月20日第1刷発行
底本の親本:「現代日本文学全集70」筑摩書房
となっていますので、初めに発表されたときはどうなのかは、不明です。
もう少し調べて何かわかりましたら報告させていただきます。
岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 21日 木曜日 17:18:41)
小林さん、わざわざお越し頂き有難うございます。
「牛をつないだ椿の木」
http://www.aozora.gr.jp/cards/nankichi/ushitsubaki.html
は、二章で「しばたたく」、三章で「しばたく」となっているのですが、これは大日本図書の全集を許にした以下のものでも、二章で「しばたたく」、三章で「しばたく」となっているわけです。
http://www.d1.dion.ne.jp/~ueda_nob/authors/nankichi/nankichi.html
もし異本を探すとすると、全集以前に遡らないと行けないですね。
青空文庫バグ取り掲示板の行司は大変なことだと思います。こちらの方は、全く急ぎませんので、ごゆるりとどうぞ。
小林繁雄 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 22日 金曜日 5:34:33)
もうしわけありませんでした。
「第三章」にもあったのに気がつきませんでした。
(岡島さんのコメントには「牛をつないだ椿の木」とありましたが、
これは、「花のき村と盗人たち」ですね?)
で、第三章の部分を見ましたら、
「かしらは、目をしばたたきながらいいました。」
となっておりました。私の調べました異本は、
「おじいさんのランプ―新美南吉童話集」 岩波書店
1965年11月25日 第一刷発行
です。この本の最後に、「校訂について」という、
鳥越信氏の文章が以下のように書いてありました。
「この本は、大日本図書版新美南吉童話全集を原稿として、巽聖歌氏の諒承の下に各作品の初版本をテキストとして校訂を行った。(中略)
一応、つぎのような統一方式をきめた。
(1)原則として、すべての作品を初版本の表記に戻す。ただし、いうまでもないが、児童図書であるから、新仮名使い、教育漢字の制限による異同、及びそれにともなう句読点の異同は当然ありうる。あきらかに初版本の誤植と思われるものは訂正する。」(後略)(総ルビですが、ルビは省きました)
これだけを読むと「初版本」(いつ発刊されたのか知らないのですが)では、
両方とも「しばたたく」となっていたのかも知れません。
こちらも調べられたらもう少し調べてみます。
小林繁雄 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 22日 金曜日 5:46:50)
今、投稿した文章を読み直していまして、
「あきらかに初版本の誤植と思われるものは訂正する。」
という部分にひっかかりを覚えました。
ひょっとしたら、初版本では「しばたく」となっていたのを、
「しばたたく」と訂正した可能性もありますね。
今、図書館検索をしましたら、
名著複刻日本児童文学館 第2集-[33] 花のき村と盗人たち‖ほるぷ出版‖1974‖918◇918.6◇918.6
というのがありました。これはひょっとしたら初版本の復刻版かも知れません。
週末に見て参ります。
岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 22日 金曜日 9:36:57)
小林さん、いろいろとお調べ頂き有難うございます。また「牛をつないだ……」と混線してしまってたことのご指摘、有難うございます。
ほるぷの児童文学は、たしかうちの図書館にあったと思いますので、見て来ます。
境田稔信 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 22日 金曜日 11:19:31)
「とかしらは、眼をしばたきながらいひました。」ですね。
家蔵書にあったので、つい……。
岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 22日 金曜日 12:29:50)
図書館で会議をしているうちに、境田さんにお調べ頂きましたが、一応。
ほるぷのは、昭和18.9.30発行の複刻(昭和49.12)でした。南吉没後の発行。與田準一の解説付きで、それによると「花のき村と盗人たち」は書下ろし。
p146 l7 大きな眼をしばたたきながら
p159 l4 とかしらは、眼をしばたきながらいひました。
と、初出時点で揺れていたわけです。
ついでに織田作も見て来ました。
>底本の親本:「現代日本文学全集70」筑摩書房
の、一つ前の段階と思われる、
「現代日本文學全集81」筑摩書房、昭和31.12.20発行
p221中段、後ろから3行目から2行目に掛けて、
「どうせ死による體ですよつて」と眼をしばたいた。
でした。「しばた」で改行、「いた」となってます。
小林繁雄 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 22日 金曜日 14:47:38)
「花のき村と盗人たち」の「しばたく」はどうも確定のようですね。
織田作の方ですが、
夫婦善哉 -ジュンク
堂書店難波店開店記
念-‖織田 作之助‖ジ
ュンク堂書店‖
1996.11‖Fオタ◇Fオ
タ◇913.6
これがひょっとすると昭和十五年 創元社刊の復刻版かも知れません。
今近くの図書館へ手配中です。
近日中にお知らせできると思います。
小林繁雄 さんからのコメント
( Date: 2002年 2月 22日 金曜日 17:46:55)
織田作之助「夫婦善哉」、ジュンク堂版ではなく、
1940(昭和15)年8月15日発行の創元社版がありましたので、確認しました。
p50-7行目で、
「どうせ死による體ですよつて」と眼をしばたいた。
となっておりました。
以上ご報告まで。
岡島 昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 05月 25日 土曜日 16:15:05)
日国友の会が出来たので、ちゃんとしたのはそちらに報告することとして、メモ程度のものをまずこちらに書くようにしましょう。
「生きざま」の用例を、過去に書いたメールの中から見付ける。文学全集の解説だったが、日本国語大辞典の用例とどっちが古いか。
「仮名抄」の用例が、『江戸時代支那学入門書解題集成』のどこかにあったはずなので、『日国大』の「仮名抄物」の項目と照らし合わせて報告する。現代の国語学の論文を用例とすると専門語となるだろうが。→新項目
→ 日国友の会
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 12日 金曜日 09:47:55)
今日(7月12日)の新聞から、
「茶葉」
「底ばい」
「茶葉」は以前(3年ぐらい前)、ダイオキシン問題のあたりで新聞に登場。それより前には、ウーロン茶のコマーシャルで石坂浩二が「高級茶葉使用」と言っていましたが、辞書には載っていない。
「底ばい」は、竹中経済財政大臣が、6月の景気動向をみて、「底を打ったとは言えないが、悪くなってもいない。」ということで。「横ばい」から来たんでしょうね。でも、この言葉を耳にするとなんとなく身体が「こそばい」。。。。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 13日 土曜日 00:15:42)
買春については、
ここに書いたように、『言語』1985-1のp203に1980年の言葉として載せ、カイシュンという読みについても触れています。メモまで
茶葉は「ちゃよう」か「ちゃば」か、文字からは困りますね。
石坂浩二は「ちゃば」でしたが、茶葉公司は「ちゃようこうし」でした、ウーロン茶。
→ 日国net買春
道浦俊彦 さんからのコメント
( Date: 2002年 07月 15日 月曜日 16:57:43)
「チャバ」のつもりでしたが、「茶」は音読みですよね。だとすれば「チャヨウ」もありかな。
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 01日 日曜日 13:22:26)
日国netは、投稿の敷居が高い気がして(私が不精なのですが)、ここにメモ。
「鉄火場」は平林たい子の〈やくざもの〉の一つ「地底の歌」(昭和23)にいくつかあるようです。
「細工札ですか。こんなのを使うのは内外(貨元の営む鉄火場以外の博奕場)でしょうね」など。
「いや、どうしてどうして。このごろ鉄火場も崩れて来ましてね。『自分の札を入れる』と称して貸元にいくらか出して仕掛け札を使う連中が大分ありますよ」
遅れますが山口瞳『江分利満氏の優雅な生活』(昭和36)にもあります。
→ 日国net鉄火場
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 02日 月曜日 18:59:02)
おお。大正に遡っています。
→ 日国net鉄火場
skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 02日 月曜日 23:37:23)
ちょっとついでに。
その次の投稿「凝る」は、ガセネタですね。
和英語林集成では「haru」なのに。
skid さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 03日 火曜日 03:14:47)
すみません、早とちりでした。
「ケンペキ」の項目じゃなくて、「凝る」の項目にちゃんとありました。
ページ数が出ていなかったものですから、うっかりしました。
お恥ずかしい!
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 09月 04日 水曜日 23:04:35)
方言項目なので用例を求めていないのかもしれませんが、「ぽち袋」に用例がありません。黒島伝治「その手」(1928年成。大西巨人編『日本掌編小説秀作選2花・暦篇』光文社 S56.4.10による)
今度はポチ袋の五十銭を呉れる番だ。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 10月 28日 月曜日 14:30:48)
「しばたく」の用例。
泥のように濃く焚き出した熱いコーヒーを夢見ながら冷たい罐コーヒーを彼は飲む。ひと口飲んでは前方の風景を見つめ覚醒効果を確かめて眼を大きくしばたくものの顳〓{需+頁}の重さに変化はない。(筒井康隆『虚人たち』中央公論社1981 p.88)
岡島昭浩 さんからのコメント
( Date: 2002年 11月 07日 木曜日 00:37:23)
「霊能」は、北村透谷「各人心宮内の秘宮」はどうでしょう。
この至妙なる霊能霊神を以て遂には獣性を離れて、高尚なる真善美の理想境に進み入ること、豈(あに)望みなしとせんや。
→ 日国net霊能
skid さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 26日 木曜日 20:09:28)
日国.NETの投稿掲載がだんだん遅れてきているようですね。
正月休み中に投稿が増えたら対処するのは大変になりそうだ、と他人事ながらちょっと心配。
「基板」で投稿したときの用例文中に「プリント配線」があって、第2版には用例がなかったけれど、どうしようかな。
Yeemar さんからのコメント
( Date: 2002年 12月 27日 金曜日 15:26:48)
私などもどさっと投稿をしてしまったので、不必要にお仕事を増やしてしまったのではないかと申し訳なく思っています。しかしまたどさっと投稿してしまうのではないかという気もします。
どうして「どさっと」かと申しますと、気まぐれに1冊の本から集中的に未収録語・珍語を拾うということを試みたりするからです。すると、ふだんは見過ごしたり、切り捨てたりする一見平凡な語までが気になり、投稿語の候補に入ります。
つまりは思いつきで松井栄一氏のまねをした結果ですが、「日国.NET」の趣旨はそういうことでなく、ふだんの読書などで、たまたま「これは」という語があれば投稿してくださいということかもしれません。