2001年03月09日

合体(道浦俊彦)


「新明解国語辞典・第五版」を見ていると、「恋愛」の語の解説から「合体」が消えているではないですか!

「第四版」には「特定の異性に特別の愛情を抱いて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが常には叶えられないでひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態。」とあり、この「合体」を引くと、二番目の意味として「「性交」のこの辞書でのえんきょく表現」とのっていたのに、

「第五版」では、「特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。」となって「合体」が消えています。またこれに伴って「合体」の二番目に意味も抹消されています。

違いは「精神的な一体感を分かち合いたい」と、「やるせない思いに駆られたり」、そして最後の「〜状態に身を置くこと」が追加・挿入されているところでしょうが、やはり、「合体」が消えたのがショックです。比較してみると、「合体」=「肉体的な一体感」ということになりましょうか。

ポイントとしての「一体感」引いてみました。すると・・・載ってない。
「一体」は載っていて「いくつかのものがまとまって一つの組織となること」とあり、その中の例文として「一体感を欠く」「夫婦一体となって働く」などは、あがっていました。
そうすると、なんですか、「一体感を欠く」というのは、「一体感を分かち合えない」んですから、「片思い」「失恋」ということを指すのにも使えるんでしょうかね?
また、「夫婦一体となって働く」も、なんか変な意味になりかねませんか?

漫画、、映画の「釣りバカ日誌」の浜ちゃんが、奥さんの「みちこたん」と、夜「夫婦和合」を行う時の表現として、黒地に白抜きの文字で「合体」と出ていたのが、今後「一体」になる・・・はずもありませんが。

「釣りバカ日誌」は国語審議会でも「敬意表現の例」として上がっていたようで、2月に開かれた国語施策懇談会で、第一部会長の
井出祥子・日本女子大学教授も触れてらっしゃいました。けど、あまり詳しくはない(少なくとも毎週読んではいない)様子で、「釣りバカ日記」とおっしゃってましたが、「日記」ではなく「日誌」ですよね、確か。

「合体」はせっかく面白い表現だったのに、残念気がします。


posted by 岡島昭浩 at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ■初代「ことば会議室」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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